東葛中合格への道

2020年東葛飾中学合格。家族で挑んだ初めての中学受験3年間を父親目線で振り返る。入学後の情報も更新中。

【期間限定情報】東葛中転編入学試験の実施

我が子の学年である東葛中2年生に1名欠員が出たため、中学2年生を対象に、転編入学試験が実施されます。

実際に欠員となったのは女子ですが、実施要項では男女の区別は無いため、男子も入学可能のようです。どうしても東葛中に入学しかったという中学2年生は、仮に不合格であってもノーリスクだと思いますので、チャレンジする価値はあるのではないでしょうか。

対象は、(1)帰国子女(留学生含む)、(2)元東葛中の生徒、(3)他県の公立中高一貫校の生徒(千葉県へ引っ越し予定)、(4)その他校長が適切と認める者、とありますが、(1)(2)(3)の該当者は極小だと思いますし、特に(2)の該当者は私の知る限り居ませんので、実質的には(4)が通常の対象者になると思います。(4)は、おそらく千葉県在住の中学2年生であれば対象者と認められると思いますが、念のため学校に問い合わせした方が良いと思います。

詳細は、東葛中のホームページにて確認して頂きたいのですが、出願期間が11月29日(月)までで、試験日が12月6日(月)です。出願期間と準備期間が伴に短いため、もし挑戦したい場合は、急いで準備が必要です。
※結果発表と入学手続きも試験日当日です。

試験科目(適性検査ではない)は、英数国の3教科+面接ですので、特別な対策は不要だと思います。狭き門ですが、中学校の勉強をしっかり実施していれば、合格の可能性はあるように思います。

ちなみに、授業の特殊性を除いて、英語と国語の進度そのものは一般の公立中学とほぼ変わりません。但し、数学が一般の公立中学よりもやや進んでいますので、数学を先取りして勉強していない場合は、入学後に少し苦労するかもしれません。

また、東葛中の生徒は、多様な個性を受け入れる土壌を持っていますので、途中から入学しても直ぐに馴染めると思います。

以下は、実施要項の概要です。

編入学試験概要

  1. 募集学年・人数 2年生・1名
  2. 出願対象
    (1)帰国子女(海外からの留学生を含む。)
    (2)本校に入学後、海外または県外への一家転住等により転学または退学した者で、その後、県内への一家転住等により再度本校への入学を希望する者
    (3)他県の公立併設型中学校または中等教育学校の中等部に在籍する者で、県内への一家転住する者
    (4)その他、校長が適切と認める者
    ※(1)~(4)の出願者は、保護者と共に千葉県内に居住する、または居住する予定である者に限ります。
  3. 出願期間 令和3年11月22日(月)から令和3年11月29日(月)まで
    出願の際は、状況確認をさせていただきますので事前にご連絡ください。
  4. 出願書類
    (1)転入学:①転学照会 ②転入学願(所定用紙)③在学証明書 ④成績証明書 ⑤転勤証明書(保護者等が転勤の場合)⑥新住所から通学させる旨の保護者の誓約書(所定用紙)⑦教育課程表 ⑧その他必要に応じて提出する書類
    ※ ①③④⑦は現在の在籍校で作成してもらう。
    (2)編入学:①編入学願(所定用紙)②海外在住状況説明書(所定用紙)③在学証明書 ④成績証明書 ⑤転勤証明書(保護者等が転勤の場合)⑥新住所から通学させる旨の保護者の誓約書(所定用紙)⑦その他必要に応じて提出する書類
    ※ ③④は現在の在籍校で作成してもらう。
  5. 試験日 令和3年12月6日(月)
     (詳細な時程等は出願者に後日連絡)
  6. 試験内容 学力検査(国語・数学・英語各教科 50分)及び面接
  7. 結果発表及び入学手続き 令和3年12月6日(月)

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適性検査型入試を実施する私立中学(2022年版)

公立中高一貫校に入学するには、入学試験ではなく適性検査と呼ばれる、通常の入試問題とは異なる出題傾向の検査(建前上、試験とは言わない)に合格する必要があり、一般的には私立中学とは別の対策が必要だと言われています。

千葉県では、千葉中に続いて2校目の千葉県立中学である東葛飾中が2016年に開校し、更に隣接する茨城県では2020年から2022年の間に10校もの県立中高一貫校が開校することもあり、公立中高一貫校を志望する生徒の受け皿として、適性検査型の入試方法を設ける私立中学が東葛飾エリア及びJR常磐線沿線では増加傾向にあります。

そこで、今回は適性検査型と呼ばれる入試を実施する私立校について、JR常磐線沿線を中心に調べてみます。(適性検査的な要素を含む入試や作文入試も含みます)

【適性検査型入試の実施校】(常磐線沿線の共学校のみ、茨城県土浦市以南)
※変更や間違いの可能性もあるため、特に2022年度の試験日や募集人数等は学校の募集要項にてご確認ください

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表が小さくて見にくくなってしまいましたが、私が確認できた中では、千葉県で4校(芝浦工大柏、麗澤、光英VERITAS、二松学舎柏)、茨城県で5校(江戸川取手、茗溪学園土浦日大東洋大牛久常総学院)で適性型入試が実施されています。

試験によっては、芝浦工大柏のように倍率が高い上に合格者数がかなり少なかったり、麗澤のように完全な適性検査型ではない学校もあります。募集人数や難易度もバラツキがありますが、適性検査のみの受検対策でも合格可能と思われる私立校が、それなりに存在することがわかりました。また、今回は調べませんでしたが、東京や埼玉へ範囲を広げれば更に選択肢は増えると思います。

個人的には、東葛中単願で他の中学を一切受験しない方法はお勧めしないのですが、私立併願の場合は公立と私立の両方の勉強が必要となり、受験勉強の負担が増えることも事実です。(但し、最難関私立が射程圏内の層は適性検査対策があまり必要無いと思います)

仮に、東葛中単願で残念な結果であれば一般の公立中学への進学を決めている場合も、どこかの私立中学に合格した体験を持った状態で一般の公立中に進学することを、無意味だとは思いません。(受験料は無駄になりますが)

但し、実際に適性検査の対策のみで上記の私立校に合格可能なのかは、塾や説明会等で確認して欲しいのですが、我が子の場合は、対策無しで土浦日大CSAT入試の合格をいただくことができました。正直なところ、東葛中受検前の実戦演習という意味合いが強かったのですが、合格できたことは本人も素直に嬉しかったそうです。

最終的に適性検査型入試を実施する私立校に実際入学するかどうかは、受験生本人の希望、校風、学費等の要素で検討が必要だと思います。受験料もそれなりに負担が増えますが、中学受験に必死で取り組んだのであれば、東葛中以外の選択肢があることは、悪いことではないと思います。

東葛中合格のための塾選び2021年版

東葛中受検を検討するにあたり、どの塾を選ぶかは、誰もが悩むテーマだと思います。今回は客観的なデータをベースに、どの塾をどのような基準で選ぶべきかを考えてみます。

但し、先に結論を書くと、この塾に行けば東葛中に合格できる、というものはありません。塾との相性や指導力等の要素はありますが、結局は本人次第ですので、あくまでも参考情報としてお考えください。

先ずは、客観的なデータとして、同じ問題で受検する東葛中と千葉中の、塾別合格者数を調べてみます。
※参考にZ会も調査しました

【2021年合格者数】
※塾発表の最新実績で再集計
※( )内は占有率=塾別/塾合計

  • 市進学院 東葛飾72名(53%) 千葉42名(29%) 計114名(41%)
  • SAPIX 東葛飾18名(13%) 千葉27名(19%) 計45名(16%)
    ※SS受講者重複の可能性有り
  • 早稲田アカデミー 東葛飾8名(6%) 千葉15名(10%) 計23名(8%)
    ※NN受講者重複の可能性有り
  • 京葉学院 東葛飾3名(2%) 千葉20名(14%) 計23名(8%)
  • 東葛進学プラザ 東葛飾17名(13%) 千葉0名(0%) 計17名(6%)
  • 日能研 東葛飾5名(4%) 千葉11名(8%)  計16名(6%)
  • 誉田進学塾 東葛飾0名(0%) 千葉13名(9%) 計13名(5%)
  • 栄光ゼミナール 東葛飾2名(1%) 千葉2名(1%) 計4名(1%)
  • クセジュ 東葛飾2名(1%) 千葉0名 計2名(1%)
  • Z会 東葛飾9名(7%) 千葉13名(9%) 計22名(8%)

参考:四谷大塚 東葛飾30名 千葉40名 計70名
※提携塾の早稲田アカデミー東葛進学プラザ、京葉学院、誉田進学塾の合格者合計との整合性が取れないため四谷大塚の実績は除外

塾合計 東葛飾136名 千葉143名 計279名
四谷大塚除外、Z会含む
※合格者定員(入学者数)各80名

【2021年受検者数】

東葛飾819名 千葉596名 計1,415名

塾合計の結果からわかることは、多少は塾の重複があるとしても、定員80名に対して、東葛中136名 千葉中143名の合格者がいるので、単純計算で東葛中56名 千葉中63名の辞退者(=繰り上げ合格者)がいる計算になります。つまり、机上の計算では一発合格で入学したのが東葛中24名 千葉中17名という結果になります。
※繰り上げ合格の辞退者もいますので、最初の合格発表で合格したメンバーのうち、実際に辞退した人数と上記の計算結果は異なります。

次に、塾別の結果を見ると、東葛中と千葉中の合計で4割超の市進の存在感が大きいことがわかります。特に東葛中では5割超の結果ですし、千葉中も前年までの合格者数2位から大きく伸ばし、1位(おそらく初)となりました。

そこで、市進には意地悪な計算をすると、仮に塾別の合格率を一律とみなし、受検者数に合格者数を割り合てて塾別の受検者数を算出した場合、最大の合格者数を誇る市進は、東葛中362/434名 千葉中133/175名の不合格者/受検者がいる計算になり、最大の不合格者を生み出している塾ということになります。更に、合格者が多いということは、裏を返せば多くの辞退者を塾自らが生み出しているとも解釈できます。しかし、最も多くの合否サンプルデータを持っている塾であることに変わりはありませんので、東葛中を目指す上で無視できない存在だとは思います。実際に我が子も、東葛中では市進生が多数派で、入学前から大半が知り合いで驚いたと言っていました。

そして、上記内容はあくまでも塾別の合格率が一律で重複合格がない前提での計算ですので、本来は塾別やコース別の合格率が重要なのですが、その数字を公式に発表する塾はまずありません。(実際は、聞けば答えてくれる塾と、明確に答えない塾が存在します)

これらの結果から言えることは、東葛中を第一志望として目指すことを前提に塾選びをする場合、合格者数だけでなく、①東葛中に進学したのは何名なのか?②何人受検したのか?③どのコースの生徒が何名ずつ合格したのか?の3点を事前に確認する必要があります。その上で私立併願有無の受験方針を事前に決めてから、塾の指導方針や相性等をふまえて、子供及び家族にとって最適な塾やコースを選定することがお勧めです。(そもそも入塾テストの結果で好きな塾やコースを選べるとは限らないのですが・・・)

また、ネットから得ている情報にはなりますが、東葛中や千葉中の合格者を出しているある塾の合格パターンは、最難関私立クラスが全員合格でほぼ全員辞退、その下の難関私立クラスで合格辞退と進学が混在、更にその下の中堅私立クラスで僅かに合格、公立中高一貫コースはほぼ全滅、という結果だと書かれています。

実際に我が子が通っていた塾でも、最難関私立を目指していたある生徒は、対策無しでも初見の千葉県立中学の過去問でかなりの高得点を出していたそうです。我が子は必死に過去問を解いて合格ボーダーに届くかどうか、という結果でしたので、最難関私立組との差を思い知らされたことを思い出します。

同様に私が実際に得ている情報でも、公立中高一貫コースから東葛中や千葉中に合格しているのはどの塾もごく少数だと聞いています。その意味では、東葛中向けの受験コースしか存在しない東葛進学プラザは、各塾の公立中高一貫コースだけで比較するとトップクラスの合格者数かもしれません。(合格率ではありません)

このように、特に公立中高一貫コースの結果が振るわない理由については、以前「東葛中の合格者層」でも書きましたが、公立中高一貫校コースがダメなのではなく、それまでに費やした勉強量の差が主要因だと私は考えています。各コース別の合格率の差は、地頭と呼ばれる要素もあることは否定しませんが、ほぼ塾や塾以外での勉強量の差がそのまま結果に表れている、と考えるべきだと思います。

誤解の無いように補足すると、公立中高一貫コースの存在意義を否定するつもりはありません。但し、ただ単に塾で与えられた勉強を最低限こなすだけでは、勉強量という見えない壁を突破することは困難ですので、難関私立校コースに負けないような+αの勉強を自主的に積み重ねることも必要なように思います。

また、少し話題は変わりますが、中学受験において、公立中高一貫校の一校だけに的を絞って受験勉強をすることは、費やす時間とコストを考えた場合にハイリスクだと、私は考えています。その理由から、我が子の場合は東葛中一択にはせず私立校併願でしたが、最近は適性検査型入試を実施する私立校も増加傾向です。今後は、公立中高一貫校コースのリスクが低減されるかもしれませんので、適性検査型入試の件も、また別の機会に調べてみようと思います。

一方で、Z会を含む通信教育や塾無しで東葛中に合格している子供も、実際に僅かながら存在します。それらの子供は、自主的に勉強する癖がついているため、ある意味面倒見が悪い東葛中に入学して以降も、一定以上の成績を維持できる可能性が高いように思います。

最後に、東葛中を目指すにあたり、塾選びに悩む方は少なくないと思います。我が家の場合は、私立校併願の方針を事前に決めた上で、手始めにオンラインの通信教育(四谷大塚リトルくらぶ)から受験勉強を始めて、塾のクラスの人数規模、勉強スタイル、立地、費用、子供との相性等の様々な要素を総合的に判断した後、徐々に通塾へ移行しました。

これから東葛中受検を目的に塾選びをする場合は、お互いに信頼関係を築けそうな塾が見つかるかどうかが重要だと思います。その際は、塾の合格者数だけでなく、様々な情報を入手した上で、意思決定されることをお勧めします。

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東葛中に受かるのはどんな子供か?

今回は、どのような子供が、どのような勉強をして東葛中に合格しているのかを、我が子のケースもふまえて考えてみたいと思います。

東葛中にどんなタイプの子供が入学しているのか?

この点に関しては、私もたくさんの東葛中の生徒を知っているわけではありませんので、我が子から聞いた情報や実際に我が子が入学してから得た印象からの私見になります。(※私の偏見もあると思います)

先ず、東葛中の生徒は、1学年80名と少ない人数ながら多様で多彩な顔ぶれが多い印象です。

仮に五角形のようなレーダーチャートで表現すると、全てのカテゴリーでまんべんなくポイントが高くて綺麗な五角形ができる優等生タイプもいれば、一部のカテゴリーが突出したデコボコな五角形のできるタイプもいるようです。(余談ですが、運動面は苦手な生徒が多いようで、高入生との運動能力に差があるそうです)

そして、東葛中に限らず今時の子供全般の傾向かもしれませんが、小学校ではちょっと個性が強くて浮き気味だったような子供も、東葛中ではそのまま受け入れられている印象です。我が子も比較的フラットに人と接するタイプですので、学校の個性豊かな面々のエピソードを楽しそうに家で話しています。

我が子曰く、そのような個性豊かなメンバーでもグループワークなどの活動は皆好きで、発言も活発なようです。東葛中では、お互いの個性を認めながらも、協力すべき時は協力し、主張すべきことは主張しているのかもしれません。

つまり、東葛中の生徒のタイプを一言で表すことはできませんが、学習面や性格面でバランスの取れたタイプと、特定の分野や性格に偏りがあるタイプが混在した状態で、それぞれの特性を活かしたり受け入れながら協力して学べる子供が、比較的多く入学しているのだと思います。

参考に、我が子はどのようなタイプかと言うと、特に個性が強いという訳ではなく、逆に大人しかった訳でもないのですが、小学校では休み時間に皆と遊んだりするよりも、教室で読書するようなことが多いタイプでした。周囲からは少し大人びた印象があったかもしれませんが、人のことはよく観察していたようにも思います。そんな我が子の東葛中での立ち位置はよくわかりませんが、少なくとも違和感なく過ごせていると思います。また、文章を書くことは比較的得意で、グループでの調べものや発表も好きだったため、それが東葛中を志望した理由でもありますし、その点は入学後も期待どおりの学校だと感じています。

東葛中にはどんな子供が合格しているのか?

先に結論を書くと、至極当たり前の答えになりますが、東葛中に合格するのは適性検査で得点できる子供です。

合格しているのは、最難関の私立向けに勉強した子供、我が子のように東葛中志望で私立も併願した子供、東葛中単願の子供と概ね3パターンになると思いますが、それぞれの違いについては、後日述べるつもりです。

それでは、適正検査で得点するためにどのような準備をすれば良いのかを考えてみます。但し、先に断っておくと、千葉県立中学(東葛中、千葉中)の適正検査は、先取り知識や特殊算が不要なため、学校の勉強だけしっかりできていれば得点できる、という考え方に対して、私は否定的です。少なくとも、私が経験した我が子の東葛中受検に関しては、小学校の成績が良ければ合格できるような世界ではありませんでした。

例えば、我が子の場合、親バカと思われるかもしれませんが、私が客観的に見ても、小学校の成績は受験勉強を始める前の低学年の頃からかなり良かった印象で、親の私が小学生だった頃よりは圧倒的に良い成績でした。しかし、仮に学校の勉強に加えて過去問を解く程度の対策で受検したら、合格は無理だったと思います。

それではなぜ合格が無理だったのか、その理由を説明するためには、適正検査の内容を理解しておく必要があります。

今回は、適正検査の詳しい説明は割愛しますが、適性検査で得点する方法について、私なりの考えを述べてみます。

参考:適正検査の内容に関する記事
「東葛中の攻略法は?」
「東葛中の一次検査対策」
「2021年度一次検査を解いてみた」
「2021年度二次検査を解いてみた」

それでは、どうすれば適性検査で得点できるのか?その答えは、全て過去問に集約されています。そして、過去問からわかる千葉県立中学の適正検査のおおまかな特徴は以下のとおりです。

  1. 問題量が多く45分間では完答不可能で、合格得点ボーダーは約5割
  2. 算数や理科は中学の内容を小学生向けに噛み砕いた問題が出がち
  3. 表やグラフの読み取りが多い
  4. 単語系の知識は問わないが教養は問う

それでは、上記の特徴に対して、どのような対策が必要なのかを考えてみます。

問題量が多く45分間では完答できず、合格得点ボーダーは約5割

この攻略に必要なのはスピードです。何のスピードかというと、読解や記述、計算のスピードです。これらのスピードがあれば、自分が解ける問題を中心に得点を積み上げることができます。

そして、特に読解スピードを上げるために必要なのは、読書をすること以外無いと思います。速読を教えている塾もあるようですが、本格的に取り組まない限り、付け焼き刃では本番の役に立たないと思います。

また、計算スピードを身に付けるために必要なのは、日々の計算演習です。ソロバンや公文もある程度極めれば役に立つと思いますが、それらも結局は日々の計算演習の積み重ねで身に付く力です。難関私立志望の受験生が東葛中や千葉中にも強い理由は、年月をかけてこれら読解と計算のスピードを鍛えているからだと私は考えていますし、我が子も計算演習の地道な継続で計算力が徐々に向上しました。

算数や理科は中学の内容を小学生向けに噛み砕いた問題が出がち

この出題傾向は、特に算数や理科について難関私立向けに受験勉強している子供や、自主的に中学の分野を先取りしている子供には有利に働きます。

勘が良く知識もある子供であれば、問題に取り掛かってから比較的早い段階で、これは◯◯算や◯◯の原理を置き換えて説明しているのだと気付くので、問題の誘導にも乗りやすいですし、問題文や資料をあまり読まなくてもある程度結論が読めることもあります。

例えば、過去には中学の理科で習う、エネルギー保存の法則慣性の法則、ボイル・シャルルの法則、数学の一次関数の連立方程式とグラフの関係、などの分野からの出題がありました。

但し、中学の分野を先取りしなければ解けない訳ではありませんし、もちろん合格できない訳でもありません。また、先取りすること自体が効率的な勉強方ではありませんので、東葛中合格を目的に先取りすることは不要です。

表やグラフの読み取りが多い

表やグラフに関しては、しっかりとした対策が必要です。その理由は、小学校ではあまり表やグラフの読み取り方の説明をしないことと、難関私立向けでもこのような内容はあまり教えないからです。

この対策はなかなか難しいと思いますが、我が子の場合は、千葉県立中学向けの塾の特別講座のテキストが役に立ちました。他には、他の都道府県の公立中学の過去問が役に立つかもしれません。

グラフは、抽象的な数字の傾向や変化を視覚的に把握しやすくするためのツールですので、グラフ読み取りのコツをしっかり理解しておくことが必要です。

単語系の知識は問わないが教養は問う

先ず、適正検査では、語彙や地名等の知識を問う問題は出題されません。

但し、理数系の自然現象や物理現象、それらの原理が一般社会で応用されている事例、社会問題や論理的な思考方法などの教養は問われます。

例えば、二次検査の記述は、リスニングも含めて"あるテーマ"に基づいた複数の文章から出題される傾向にあります。教養があることで、早い段階でそのテーマに気付くことができますし、小学生にとってやや難解な文章も理解し易くなり、記述の作業に取り組み易くなります。

特に社会問題系の教養問題に関しては、学校の授業で学ぶ知識も必要ですが、日頃のニュースや世間の話題に敏感になっておくことも重要です。そして、この教養を養うには、ニュースを見たり新聞を読むことが理想ですが、朝の情報番組の視聴でも充分だと思います。大切なことは、その内容を大人の視点で子供に説明したり意見を聴くことです。例えば、芸能人のスキャンダルがテーマだとしても、それが何故問題視されているのか、逆にテレビ等の報道姿勢には妥当性があるのか等を様々な視点で説明したり、子供に問いかけることが大切です。

更に一番効果的なのは、テレビや新聞よりも、親の仕事や関連業界の内容を話すことだと私は考えています。このことは「親子の会話のすすめ」でも書きましたが、親が日々どんな仕事をしているのか、仕事をする上でどのような課題や取り組みがあり、それに対してどのような議論をしたり対策をしているのか、もしくはできていないのか、を話すことが大切だと思います。

つまり、重要なのは親子の対話です。大人との対話を通して子供が社会問題に疑問を抱いたり関心を持つようになり、教養問題にも対応しやすくなるように思いますし、これは塾でも教えられないことです。また、この教養は東葛中に入学してからの総合学習でも役に立ちますのでお勧めです。

実際の適性検査でも、過去にはSDGs地域活性化などのテーマが取り上げられましたが、今後注目のテーマは、サーキュラーエコノミーやカーボンニュートラル等の環境に対する取り組み、そしてD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)などの人に対する考え方だと思います。これらのテーマに対して、企業や業界がどのように取り組んでいるのかを子供に説明しておくと良いと思います。

まとめ

受験は非情なもので、得点で合格か不合格かが判定されてしまう世界です。一方で、才能だけでなく、努力した時間に見合った見返りを受けることが可能な世界でもあると思います。

受験に絶対はありませんが、自己分析と受験校の分析をした上で、目標に向かって戦略を立てて正しい努力をすれば、良い結果を得られる可能性は高まると思いますし、真剣に取り組んだ経験は、必ず財産になる筈です。

そして親ができることは、時には参謀役、時には伴走者、時には鬼教官となり、我が子をサポートし続けることだと私は思います。

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東葛中の文化祭情報(2021年)

2021年の東葛中の文化祭(正式名は学習発表会)は、コロナ禍の影響により、残念ながら一般公開無し(生徒のみの参加)となりました。もちろん父兄も参加不可です。

今回は、私の把握している範囲で、東葛中の文化祭がどのような内容なのかをお伝えしたいと思います。

開催日程は、9月10日(金)、12日(日)、13日(月)の3日間です。本来は、10日と12日の高校の文化祭(東葛祭)にも参加できる筈でしたが、感染対策のために別々の開催となります。

我が子は、高校の文化祭のパンフレットだけ持ち帰ってきましたが、実際に体験することはできず、とても残念がっていました。

東葛中の文化祭は、初日と2日目の有志発表、最終日の総合発表の構成になっています。(最終日は高校生は後片付けの日のようです)

有志発表は、部活単位の発表と、有志のグループによる発表があります。部活からは、理科部、フェンシング部、書道部、音楽部が参加し、有志のグループからは、同好会的なグループ(軽音、社会科ハイレベル講座、プログラミング研究会など)や、おそらく今回のために結成されたグループ(音楽系多数、ダンス、車好きの会など)が参加しています。

最終日の総合発表は、2年生の内容しか私は把握していませんが、企業探究活動「QUEST EDUCATION (クエストエデュケーション)」で各自がまとめた内容のプレゼンになります。全員が1日かけてプレゼンするそうですので、結構ヘビーな1日になると思います。(追記:実際はグループに分かれて実質半日だそうです)

我が子の資料をチラ見しましたが、パワポで20ページ程のスライドを作成していました。

文化祭については、昨年はコロナ禍で何もできませんでしたが、今年は内輪での開催ながら、一歩前進したように思います。

以上が東葛中文化祭の概要ですが、参考に有志発表のチラシをアップしておきます。(こちらのチラシもある生徒が作成したものだそうです)

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東葛中の学校説明会動画が初公開

学校説明会の中止の代替えとして、学校紹介や模擬授業などの動画が公開されました。
※詳細は東葛中ホームページにてご視聴ください。

早速、有志の生徒が作った動画などを私も視聴しましたので、今回は私の率直な感想を述べたいと思います。

先ず全体的な感想ですが、動画は全般的になかなか良い出来だと思いますし、東葛中に興味のある小学生やご両親は、必見だと思います。

動画の主な内容は、学校紹介のプレゼンテーション、英数国理社5科目の模擬授業(各15分前後、一部模擬授業ではないものも有り)、パネルディスカッション(現役生と卒業生のセッション)でした。

模擬授業は、我が子にも感想を聞きましたが、実際の授業がよく再現されているそうです。

また、東葛中の授業や教育内容だけでなく、どのような生徒がいるのかを垣間見ることができますので、親目線で子供が東葛中に馴染めそうかどうかの判断材料にもなると思います。

説明会は残念ながら中止でしたが、むしろ動画の方が充実した内容のようにも思いますし、誰もが都合の良い時間に移動不要で視聴できるため、情報としての価値も高いと思います。

私の個人的な意見としては、来年以降も集合形式の説明会は不要だと思いますし、事前の会場準備等の作業が減る分、先生本来の仕事に集中できる時間が創出されると思います。

最近はあまり耳にしなくなった働き方改革も、教育や医療、官公庁の現場ではまだまだ遅れているという話を聞きます。実際に「働き方改革」をキーワードにググると、教育や医療、官公庁のニュースが比較的上位に検索されます。

働き方改革を現場の生産性を上げる手段と考えれば、今回のようにリアルをデジタルに置き換えた事例は、現場の生産性が高まると共に、参加者が受けるメリットも大きく、怪我の功名と言えると思います。

また先生の生産性が高まることは、結果的に生徒が受けるメリットとして帰ってくることになりますので、今後もデジタルの活用は積極的に挑戦して頂きたいと思います。

説明会で実施予定であった質疑についても、学校ホームページで受け付けた質問がFAQとしてまとめられていますので、時間的な制約のある説明会での質疑よりも、利便性が増していると思います。

また、FAQは様々な方からの質問に対して丁寧に答えているため、こちらも参照すると東葛中への理解が深まると思いますので、一読をお勧めします。

最後に、いよいよ夏休みも終わり、受検生の6年生は、本番の東葛中一次検査まで3ヶ月余りとなりましたが、気分転換やモチベーションを高めるために東葛中の動画を視聴しても良いと思います。

コロナ禍により、東葛中で予定されていたイベントや活動の中止や延期が増え、いろいろと残念なことはありますが、一方で昨年度の大学入試では、学校の活動が少なかったために、公立高校の大学合格実績が比較的良かったという説もあります。勉強に集中できる環境を前向きに捉えれば今の状況で良い面もありますので、特に受検生やご家族の皆さまは、心身の健康にだけは留意して、本番に向けて親子一丸となり、全力投球できることを願っております。

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【中止のお知らせ】東葛中学校説明会

残念ながら、緊急事態宣言の発令により、東葛中の学校説明会は中止になりました。学校や生徒もいろいろ準備していたと思いますが、仕方のない判断だと思います。

※詳しくは東葛中ホームページのトップにてご確認ください。

説明会へ参加予定だった方向けには動画が公開されるそうですので、何も無かった昨年よりは、かなり前進したと思います。

一方で、企業活動においては、オンラインのイベントや会議はもはや当たり前です。特に参加人数の多い会議では、質疑が活発になることもほぼありませんので、参加人数が多く、情報共有が中心であれば、オンラインでの開催が最適だというのが共通認識です。

また、大人数が一箇所に集まること自体、コロナ以外の感染症でも感染拡大リスクを高めることは、人類がこの一年余りで学んだことだと思います。今後は、そのリスクとメリットを天秤にかけてイベント開催や参加の判断をすることも必要になると思います。

最後に、この拙いブログから東葛中へのご提案です。1年後にコロナ禍が収束している保証はどこにもありません。来年もコロナ禍が収束していない前提で、今からオンライン説明会開催に向けて準備して欲しいと思います。その準備のためには、例えば保護者会や授業参観などをトライアルでオンライン開催しても良いと思います。仮に失敗しても、身内ですので誰も文句は言わない筈です。是非ご検討ください。

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【追加情報】東葛中学校説明会(期間限定)

8月に開催予定の学校説明会について、4・5年生の親子も参加可能となりました。

定員に達したら締切るそうです。東葛中受検をご検討中の方は、下記の募集期間になりましたら、お早めにお申し込みください。

【4・5年生と保護者の募集期間】
8月2日(月)9時~8月5日(木)22時

東葛中ホームページの追加申込みフォームからお申込みください

尚、東葛中の最新情報はトップページから発信されることが多いため、こまめなチェックをお勧めいたします。

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東葛中学校説明会の情報(期間限定)

8月開催の東葛中学校説明会は事前申し込み制です。授業公開よりは募集人数と応募期間に比較的余裕がありますが、早めに申し込んでおいた方が良いと思います。(私の記憶違いかもしれませんが、当初は事前申し込みではなかったように思います)

東葛中の最新情報はトップページで確認できますので、特に6年生の受検生がいらっしゃる場合はマメにチェックすることをお勧めします。

学校説明会は、東葛中の情報を直接入手できる貴重な機会です。今回は、生徒による学校紹介や模擬授業など初の試みもあり、私も参加したい程の内容です。東葛中受検を検討中の6年生の保護者と受検生は、是非ご参加ください。

我が子曰く、学校説明会に協力する生徒を掲示で募集していたそうです。直ぐに必要な人数が集まったようですので、協力する生徒のモチベーションも高いと思います。

以下、案内を東葛中のホームページから抜粋した内容になります。

千葉県立東葛飾中学校学校説明会の御案内

このたび下記のとおり学校説明会を開催します。本校での学習や学校生活の様子などを、生徒が主役となって紹介します。ぜひご来場ください。

  1. 日時
    令和3年8月19日(木)
    第1回 10:30~12:00(開場10:00)
    第2回 14:00~15:30(開場13:30)
    8月20日(金)
    第3回 10:30~12:00(開場10:00)
    第4回 14:00~15:30(開場13:30)
  2. 会場
    柏市民文化会館 大ホール
    (駐車できる台数が非常に少なく、限りがあるため、公共交通機関でお越しください。近隣のコインパーキングも台数に限りがあります。なお、中央体育館の駐車場は利用できません。)
  3. 地区割り
    各回の混雑を解消するために、各回の来場者を以下のように割り当てます。
    柏市我孫子市印西市白井市鎌ヶ谷市に在住の方→第1回,第4回
    松戸市流山市野田市船橋市市川市習志野市に在住の方→第2回,第3回
    ・上記以外の居住地の方→第2回,第4回
    ※御都合がつかない場合は、上記の割り当て回でなくても参加できます。その際、事前に連絡する必要はありません。
  4. 対象
    入学を希望する小学校等の6年生の児童と保護者(※訂正しました)
  5. 内容
    学習、部活動、委員会、行事などの学校の概要や特色を生徒によるプレゼンや模擬授業、パネルディスカッションで紹介します。
  6. 申込み方法
    7月9日(金)9時~8月1日(日)22時に下記申込みフォームからお申込みください。(※時間を追記しました。)
    ※期間中のみ申し込みが可能になります。
    ※申し込みフォームは学校ホームページをご参照ください。
  7. その他
    各回の大ホールの定員はおよそ600名(6月18日現在)です。例年の参加者数を考慮すると、4回分で余裕のある定員(2400名)となっていますが、特定の回に参加者が集中した場合はその回の受付を中止することがあります。その際は申込み可能な回への参加をお願いします。

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抜粋はここまで
 ※緊急事態宣言等の状況により変更がある可能性もあるため、最新の情報はホームページでご確認ください。

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情報発信と中高連携が進む東葛

東葛中からの情報発信量が増えています。また、これまでの課題であった中高連携が少しずつ進んできているように感じています。そこで、今回は東葛中からの情報発信と中高連携について述べたいと思います。

東葛中からの情報発信

我が子が受検生だった2年前は、東葛中から直接情報を得られる機会が東葛祭と説明会しかありませんでしたので、2年間で情報発信量はかなり増えました。

例えば、「東葛中授業公開の新情報」でお知らせした授業公開は、今回が初の試みです。

我が子にどのような内容だったか聞いてみましたが、授業は何か特別なことをした訳ではなく、月曜日の授業を土曜日にそのままスライドしただけだったそうです。参加された方がどのように感じたのかはわかりませんが、普段と同じ内容だからこそユニークな東葛中の授業を体験できると思いますし、実は私も東葛中の生の授業は観たことがありませんので、今回の授業公開は保護者としてもうらやましく感じます。もし、今後の授業公開に参加される場合は、東葛中の授業スタイルを色濃く感じることができる英語と総合の授業の見学が個人的にはお勧めです。

また、授業公開の日は、東葛生が作成したレポートの公開や東葛中を卒業した現役の東葛高校の生徒との質疑も実施されたそうです。質疑は私も体験したことがありませんので、これも貴重な機会になったと思います。

他にも、東葛中のホームページでは8月実施予定の学校説明会の案内が公開されています。内容を確認すると、過去にもあった生徒によるプレゼン(当時は英語劇でした)だけでなく、模擬授業やパネルディスカッションが実施予定だそうで、私立顔負けの内容だと思います。参加できるのは6年生の児童と保護者だけですが、東葛中入学を希望していて、授業公開に参加できなかった方は必見だと思います。(当初は保護者のみ参加可でしたが、児童も参加可に変更されました)

東葛中に関する最新情報は、ホームページを通して積極的に発信・更新されています。授業公開や説明会だけでなく、「中学生による日誌」や「中学校日誌」も是非チェックしてみてください。

東葛中の先生は、モチベーションが高く熱心な方が多い印象です。先生たちも、できるだけ沢山の小学生に東葛中の良さを知って欲しい、興味を持って欲しいという想いがあるようです。学校の宣伝は、本来の教師の仕事ではないと思いますが、自分たちの学校が好きだという気持ちと、好きになって欲しいという気持ちはとても大切だと思います。大変だと思いますが、積極的な情報発信の継続を、今後も期待したいと思います。

企業においても、従業員エンゲージメントという指標が重要視されるようになっています。古い言葉で言えば、愛社精神のようなものですが、エンゲージメントの数値が高い方が働くパフォーマンスが上がり、結果的に企業の業績が向上するという考え方です。このことは、科学的にも統計学的にも証明されています。

東葛中に関しても、先生や生徒のエンゲージメントは高いと思いますので、きっと生徒のパフォーマンスも向上し、将来的に東葛中を開校した成果が現れてくると、私は信じています。

徐々に進む中高連携

東葛中は中高一貫校ですが、教育内容や教育スタイルが中高で一貫しているかというと、まだそうではない、というのが現時点の私の見解です。

公立中高一貫校には、併設型と中等教育学校の2種類あり、東葛中は前者です。わかりやすく言えば、併設型は高校からも入学が可能ですが、中等教育学校は高校の募集がありません。東京都立の小石川や桜修館、茨城県立の並木は後者にあたります。千葉県には中等教育学校はまだありません。(市立稲毛中が2025年より中等教育学校へ移行予定)

東葛中は、英語と数学で中高一貫校向けの教科書を使用していますが、いわゆる先取りはしていませんし、高校進学後のクラスは高入生とごちゃ混ぜで、高入生の方が人数も多数派です。但し、実際には一般の公立中学より少し逸脱した内容や深い内容も授業で教えていますので、授業進度的には高校進学後に重複した内容を学ぶこともあるように思います。

この点に関しては、先取りをして欲しいという需要もあるとは思いますが、「東葛中はどんな学校か?我が子の1年間を振り返る」でも取り上げたとおり、東葛中の授業時間は一般の公立中学とほぼ変わりませんので、先取りをするには平日の授業時間を増やしたり土曜日も登校にすることが必要になります。それを実現するためには、更に教師を増やさなければなりませんし、授業時間が増える分、一般の公立中学とは別の給与や手当も必要になると思われます。これ以外にも様々な問題をクリアする必要があると思いますので、先取りの実現はかなり難しそうです。

高入生とのギャップを埋めるには、高校から習熟度別のクラス編成をすることが良いように思いますが、そのような体制を構築して維持するノウハウも今はありませんので、ハードルは高いと思います。(最近まで受験勉強をしていた高入生の方が優秀だという説もありますが)

また、東葛中開校以来、東葛高校の授業や教育方法に変化があったのかも重要な要素だと思いますが、今のところは私もその情報を持っていません。

もちろん、中高で全く交流が無い訳ではなく、高校の先生が中学の授業を受け持っている場合もありますし、部活ではフェンシング部のみ高校生と一緒に練習しています。コロナ禍で我が子が入学して以来は殆ど開催されていませんが、中学生と高校生の希望者が参加する東葛リベラルアーツ講座というものもあります。しかし、同じ敷地にいる割には、中高の交流機会はまだまだ少ないのが現状ですし、コロナ禍が本来あったはずの交流機会を奪ってしまったことも事実だと思います。

ここまでは、中高連携の現状と難しさを述べましたが、開校当初と比べれば、徐々にその垣根が低くなっていることも感じています。

例えば、東葛祭に関しては、当初はおまけのような感じで、東葛中の生徒が学習の成果をプレゼンしたり、音楽部が発表するだけの感じでしたが、今年度は高校生と中学生が一緒にプロジェクトを組み、東葛祭に向けての準備を始めているそうです。

この動きが始まった大きな要因は、東葛中のフロンティアである1期生がようやく高3になり、東葛高校の生徒全員にとって、東葛中があの場所にあり、東葛中の生徒がいることが当たり前になったこと、そして全く先輩がいない状態から始まった1期生は、おそらくいろいろ苦労して今の状態を築いてきたので、後輩には同じ苦労や疎外感を味合わせたくない、という想いがあるのではないかと推察しています。

一方で、中学生から高校生に対して積極的に交流を促すことはハードルが高いと思いますので、今回のように高校生の先輩から後輩に手を差し伸べてくれることは、とてもありがたいことです。我が子に代わり、私からも先輩の高校生に感謝を申し上げたいと思います。

中高連携にコロナ禍が水を刺していることも事実だと思いますが、この先コロナ禍が収束する保証はどこにもありません。これからは、コロナ禍から生まれた新しい生活スタイルや手法に適応しながら、東葛三大祭のようなイベントをきっかけに、新しい取り組みに積極的に挑戦することを期待しています。そして、中高共に連携しながら、新しい東葛の歴史を築いていくことを切に願いますし、それを実現できるのが、真の東葛生なのだと私は思います。

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東葛中授業公開の新情報(期間限定)

※募集終了しましたが、8月に学校説明会を開催予定です。

東葛中が、6年生を対象に授業公開の参加者を募集しています。

応募期間が短く、募集人数にも制限がありますが、東葛中のユニークな授業を体験できる貴重な機会です。来年度の東葛中入学をご希望の方は、是非ご応募ください。

以下、募集要項をホームページから抜粋した内容になります。

小学校6年生対象授業公開

  • 対象
    東葛中に関心のある小学校6年生とその保護者1名

  • 日時
    1日目:6月19日(土)
    ①前半(8:50~10:40)
    ②後半(10:50~12:40)
    2日目:7月10日(土)
    ③前半(8:50~10:40)
    ④後半(10:50~12:40)

  • 応募方法
    東葛中ホームページに掲載のフォームから応募

  • 応募期間
    5月21日(金)9時~5月26日(水)18時

  • 参加人数
    ①~④の各回30組(小学生とその保護者1名を1組とする)
    ※応募者から抽選で決定
    ※双子は一緒に参加できるようです

  • 抽選結果
    5月31日(月)、6月1日(火)にメールにて抽選結果を連絡

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抜粋はここまで

※緊急事態宣言等の状況により変更がある可能性もあるため、最新の情報はホームページでご確認ください。

東葛中は、年々と情報発信量が増えてきている印象で、今回のような授業公開も初の試みです。ホームページからも様々な情報が発信されていますし、我が子の受検時よりも情報が充実していて、正直うらやましい程です。

例えば、昨年生徒が作成した学校紹介動画も必見ですし、特に今年3月までいらした前副校長先生の給食紹介もシュールなコメントが秀逸でした。(現副校長先生も頑張っています)

学校が東葛中ファンを増やすことに積極的なことは良い傾向だと思います。在校生の親としても応援しますし、このような取り組みを今後も期待しています。

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東大合格者数から思うこと

今回は、中学受験の6年後の話ですが、東葛中学から東葛高校へ進学した後の大学受験について考えてみます。

以前書いた記事(東葛中に関する相談)では、いわゆる難関大学に進学することを目的に、東葛中受検を検討することはお勧めしないこと、東葛中で学ぶことはむしろ大学入学後や社会人になってから役に立つことを書きました。しかし、親が中学受験を考える際に、大学進学を意識しないことはあまり無いと思いますし、私も意識はしています。

そこで今回は、2021年の高校別大学合格者数のデータを元に、大学受験について考えてみます。
東葛中卒業生の結果が出るのは、東葛中1期生が大学受験する2022年以降です。

参考にするデータは、東京大学京都大学の現役合格者数です。この2大学を選ぶ理由は、重複合格が無い点と、高校の進学力を表す指標として、最もポピュラーで分かりやすいからです。また、東大だけでなく京大も含める理由は、私の個人的な経験と偏見もありますが、特に関東圏においては、東大合格が難しいから京大を選ぶケースは稀で、京大の自由でアカデミックなイメージに惹かれて敢えて京大を選ぶ場合が殆どのため、東大と京大を同等と捉えることが妥当と思うからです。

※以下はサンデー毎日4月11日号から引用した集計結果です。尚、実際の高校発表とは異なる場合がありますし、高校は私の勝手なチョイスです。

2021年度入学 東大・京大現役合格者数
見方:◎公立中高一貫校、◯公立高入のみ、☆私立

【千葉県】

◎県千葉(東大15、京大3、計18)
◯県船橋(東大8、京大6、計14)
東葛飾(東大3、京大6、計9)
渋谷幕張(東大46、京大7、計53)
☆市川(東大22、京大3、計25)
東邦大東邦(東大2、京大3、計5)

【埼玉県】

◯県浦和(東大25、京大5、計30)
◯大宮(東大12、京大2、計14)
浦和一女(東大4、京大2、計6)
☆栄東(東大11、京大1、計12)
☆開智(東大8、京大0、計8)
浦和明の星(東大3、京大0、計3)
☆開智未来(東大2、京大1、計3)

【東京都】

筑波大駒場(東大70、京大0、計70)
◯日比谷(東大48、京大5、計53)
◯西(東大11、京大10、計21)
◯国立(東大15、京大6、計21)
◎小石川(東大18、京大5、計23)
◎桜修館(東大3、京大2、計5)
☆開成(東大106、京大0、計106)
☆麻布(東大49、京大5、計54)
☆武蔵(東大23、京大5、計28)
桜蔭(東大61、京大4、計65)
☆女子学院(東大21、京大4、計25)
☆雙葉(東大8、京大1、計9)
☆渋谷渋谷(東大28、京大5、計33)
広尾学園(東大3、京大2、計5)

【神奈川県】

横浜翠嵐(東大44、京大6、計50)
◯湘南(東大8、京大3、計11)
◯柏陽(東大3、京大0、計3)
聖光学院(東大69、京大4、計73)
☆浅野(東大37、京大6、計43)
栄光学園(東大34、京大2、計36)

上記のような結果になりました。単年度の東大・京大の現役合格者数だけ比較してもあまり意味は無いかもしれませんが、中学受験で最難関と言われる学校の威力が際立つ一方で、中高一貫ではない公立高校の日比谷・横浜翠嵐・県立浦和の健闘も目立ちます。

しかし、ここで私が注目したのは、京大の現役合格者数です。名だたる進学校の中にあって、東葛飾高校の6名は比較的上位であり、立派な結果だと思います。過去の合格実績を見ても京大の比率は比較的高く、東葛生にとって魅力を感じさせる大学なのかもしれません。

更に注目した記事

実は、このサンデー毎日の特集には別の記事があり、こちらの方が私の目を引きました。それは、東大合格者への実名アンケートです。この中には浪人生も含まれていると思いますし、合格者全員の結果でないことも考慮が必要ですが、私が更に注目したのは「大学受験で利用した予備校、塾などの名前」という設問です。

以下がその集計結果です。

 2021年度入学 東大合格者の予備校・塾利用状況(浪人生含む)
見方:予備校・塾利用有りの数/アンケートに回答した合格者数=予備校・塾利用率
Z会は通信か教室か不明のため塾無しとしてカウント

【千葉県】

◎県千葉(9/9=100%)
◯県船橋(9/9=100%)
東葛飾(未掲載)
渋谷幕張(24/24=100%)
☆市川(4/4=100%)
東邦大東邦(1/1=100%)

【埼玉県】

◯県浦和(15/16=94%)※無しの1名はZ会と進研ゼミ利用
◯大宮(2/2=100%)
浦和一女(1/1=100%)
☆栄東(4/11=36%)※無しのうち3名はZ会利用
☆開智(4/8=50%)
浦和明の星(1/1=100%)
☆開智未来(0/2=0%)

【東京都】

筑波大駒場(21/21=100%)
◯日比谷(11/13=85%)※無しのうち1名はZ会利用
◯西(5/5=100%)
◯国立(4/5=80%)※無しの1名はZ会利用
◎小石川(7/7=100%)
◎桜修館(2/2=100%)
☆開成(32/32=100%)
☆麻布(18/18=100%)
☆武蔵(11/11=100%)
桜蔭(11/11=100%)
☆女子学院(8/8=100%)
☆雙葉(1/1=100%)
☆渋谷渋谷(6/6=100%)
広尾学園(未掲載)

【神奈川県】

横浜翠嵐(16/16=100%)
◯湘南(3/3=100%)
◯柏陽(1/1=100%)
聖光学院(15/15=100%)
☆浅野(16/16=100%)
栄光学園(10/10=100%)

上記を見ると分かりますが、殆どの生徒が予備校や塾のお世話になっているのが実態です。特に最難関と言われる進学校では、予備校や塾に通っていない生徒が一人もいませんでした。

これは東大合格者の一部を抽出した内容ですので、この結果を全てとして捉えることはできませんし、どの位の期間や頻度の通塾だったのかも不明です。しかし、敢えてこのアンケート結果のみで判断すると、ドラゴン桜のように学校の指導力だけで東大合格に導けていると思われる面倒見の良い学校は、通塾率が50%以下の栄東・開智・開智未来だけ、と言える結果でした。もちろん、医学部や早慶上智GMARCHなどの合格数の指標でみれば、別の考え方もあることは承知していています。

※追記

サンデー毎日の合格者インタビューは、予備校の協力を得ている場合もあり、予備校に通った生徒の比率が高くなりがちなようです。また、成績優秀な生徒を予備校がほぼ無料で囲い込む特待制度もあるため、予備校を上手に利用して東大・京大に現役合格している生徒が多数いることは事実だと思いますが、予備校に通う=東大・京大に現役合格する、という図式が成り立つ訳ではないことを追記いたします。

学校に求めるべきことは?

ここからは私見ですが、結局はどんな進学校に通っていても、学校の勉強や指導だけで東大のような最難関大学に合格しているのは、本当に一握りだということです。また、最難関と言われる中学に入学しても、鉄緑会のような東大受験専門塾に通う生徒が多数いることも周知の事実です。これらをふまえると、学校の偏差値や東大合格者数で中学や高校を序列化し、中学受験や大学受験を論じること自体、無意味にも思えてしまいます。

このように考えると、東葛高校からの大学進学について、数十年前の大学進学実績と比較して凋落している、東葛高校の自由で面倒見の悪い校風が大学進学に悪影響を及ぼしている、という意見をネットで目にしたことがありますが、それは東葛高校の教育システムの課題が主要因ではなく、真因はもっと別のところにあるように思えます。

これは極論かもしれませんし、逆に当たり前かもしれませんが、中学や高校の学校選びに関しては、学校の大学進学実績は参考程度に考えて、単純にその学校で何を学びどのようなことを身に付けたいのか、どのような環境でどう学びたいかという観点で学校を選ぶことが正解のように思います。そして、大学受験のペーパーテスト対策に関しては、一部の面倒見の良い学校を除いては、予備校や通信教育等の別の機関の力を借りることを前提に考えるのが、現実的のようにも思えます。(私は予備校等の回し者ではありませんので、予備校の力に関心はしますが賛美するつもりもありません)

念のため誤解の無いように補足すると、面倒見の良い学校を否定する気はありません。むしろ、それらの学校は学校教育と予備校の機能を両立させるという、難易度の高いことに挑戦しているのだと思いますし、それを実現するためにそれなりの時間と労力を割いているのだと思います。

もちろん、学校の生徒の進学意識が全体的に高く、必要であれば猛烈に勉強することが当たり前の環境に身を置くことで、躊躇なく高い目標にチャレンジする気持ちを自然に醸成できる効果を期待できることも否定しませんし、特に伝統校と言われる進学校にそのような雰囲気が備わっていることは、よく言われていることです。

また、実際に私の知る限りでは、単に学校の勉強だけで東大や京大に合格した例は聞いたことがなく、それぞれの受験生がそれぞれの方法で猛勉強して東大や京大に合格しています。それは、最難関と呼ばれる私立高校や、地元で名門と呼ばれる公立高校いづれの出身でも同様です。

つまり、中学や高校で学ぶべきことは、どのようにして大学へ行くかではなく、なぜ大学へ行きそこで何を学ぶか、物事に対してどのように考えてどう行動すべきかであり、その意味では、東葛中のように自分達で考えて行動することを主とした教育方法は理にかなっているのではないかと、今更ながらに思えてきました。

更に言えば、中高の学校生活を通して、本当に目指したい職業やそのために学びたい大学を探し、その大学に行く手段として入試の得点力を高めることが必要であれば、塾などの力を借りてでも勉強しようとするのが、正しい姿のように思います。

学校の役割とは?

学校の役割は、それらのきっかけを与える触媒のような存在なのだと思います。例えば、進路指導も理系だとか文系だとか、このくらいの成績ならこの大学に入れるという指導ではなく、いろいろな体験や気付きを与えながら将来目指す職業を先に考えさせて、その通過点である大学はどこを選択すべきか、その大学に行くためにはどの位の努力が必要なのか、仮に目指したい職業を決められないのであれば、中高の期間で出来る限り学力を高めて、将来の選択肢を広げておくことが得策なことを指導すべきだと思います。

もし、東葛高校に課題があるとするのであれば、大学進学のための補習を増やすとかいうことではなく、大学の先の進路を生徒にはっきりと意識させることが課題なのかもしれません。

参考に、東葛高校の進路指導の理念には、「東葛飾高校では、進路指導を広義にとらえ、生徒が将来どのような職業に就いてどのように社会に貢献していくのかについて真剣に思考し、模索してもらうことを通して、悔いのない進路選択ができるようにサポートすることを最も重視しています。入試に合格する学力をつけることはもちろん、これからの生き方を考えさせるような進路指導を行うことを目標としています。」と明記されていますので、この理念をしっかり実践できてきるかどうかが重要なのですが、実際のところ実践できているのかは、私も確認できていません。

東葛中においては、職業体験や東葛リベラルアーツ講座があります。特に中2からは、Quest Education という探求学習とキャリアデザインを目的としたプログラムが導入されますので、これらの体験を通して、将来の方向性がある程度意識付けされることを期待しています。

もちろん、東葛中のようなアクティブラーニング中心の教育スタイルは、どこの学校でも簡単に実践できるものではなく、生徒の向き・不向き、先生の質や努力などの条件が揃わななければ成立しませんので、その理想の教育スタイルを成立させるための適性検査なのだとも感じています。

いわゆる最難関の学校の教育方法を調べても、学校で受験勉強を指導していない例はよく聞きます。例えば、40%以上の東大現役合格率を誇る筑駒では、教科書を全然使わない、授業内容では先生が好きな分野のマニアックな内容ばかり教えている、生徒も学校のイベントばかり一生懸命やっている、という話が出てきます。この点で言えば、筑駒ほど極端ではないにしても、東葛も似たような学校だと思います。おそらく、筑駒の生徒にとっても、学校は知見を広げたり様々な交流や経験をする場であり、受験勉強は別の場であると割り切っているのかもしれません。

そうは言っても、親であれば子供の学校の成績が気になるのは当然ですし、ついつい口出ししてしまうのも親心だと思います。大学進学を含めた進路も心配だと思います。正直なところ、私自身も子供の成績に一喜一憂してしまいますし、いろいろ口出ししたくなる親の一人ではありますが、できるだけ学校教育の場と受験勉強の場は別のものだと考えた方が、精神衛生上も良いように思えてきました。

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父親を上手に巻き込む方法

「二月の勝者 絶対合格の教室」(週刊ビッグコミックスピリッツ連載)という中学受験の漫画をご存じでしょうか?この作品の主人公の塾講師が放つセリフに「君たちが合格できたのは、父親の『経済力』そして、母親の『狂気』」というフレーズがあります。

確かに、一般的に中学受験にお金はかかります。しかも受験日が近付くにつれて課金額が増える仕組みにもなっています。ちなみに、過去の課金を無駄にしたくないと思って課金し続けてしまう心理をサンクコスト効果と言いますが、価格戦略的にも上手い手法だと感心してしまいます。

先述の「二月の勝者」にも、受験を『課金ゲーム』に例える描写があります。漫画ですので少し誇張していますが、中学受験と塾の関係性を上手く表現していると思います。

我が家は、4年生の春から通塾よりも比較的安価な通信教育からスタートして、4年生の夏からは通信教育と算数のみの通塾を併用した後、6年生の春からは通塾一本に絞りましたが、3年間の塾費用はそれなりにかかりました。

[通信教育や通塾の参考記事]
「塾なしスタートの中学受験」
「塾なしは自分と孤独との闘い」
「塾選びの前に決めるべきこと」
「塾と通塾のダブルスクール」
「塾のメリットとデメリット」

しかし、父親の役割がお金だけで良いとも思いません。一方で、ドラマ化もされた「下剋上受験」のように父親が全面的に関与する方法も簡単ではありません。

今回は、私自身の反省も込めていますが、我が子の中学受験に対して、私の参画意識を上手く高めるために、妻が講じた策について述べたいと思います。

先ず、我が子の中学受験そのものに対しては、私も妻も最初から肯定的な意見でした。しかし、具体的な勉強方法の検討や塾(通信教育)の選定は、都度打合せはしたもののほぼ妻任せでした。塾以外の日々の小学校の勉強についても、私の帰宅が遅いという理由もありましたが、私が子供の勉強を見たり内容を知ることは滅多にありませんでしたし、そもそも小学校の宿題の具体的な内容も把握していませんでした。今時の小学校の宿題は、音読を聞くとか丸付けをするなど、親の出番が結構あることも、恥ずかしながら私はあまり知りませんでした。

我が子が小学4年生になり、通信教育である四谷大塚の「リトルくらぶ」を受講し始めましたが、日々のスケジュール管理はほぼ妻任せで、私は算数や理科の分からない内容をたまに教えるだけでした。

塾に通うようになってからは、塾の成績などの基本的なことは把握していましたが、我が子が今どのようにして日々の受験勉強を計画していて、実際にどの位勉強を実行できているのか、どのような課題を抱えていて今何をすべきか、分かっているつもりで、しっかりとは分かっていなかったように思います。

そこで、我が子の中学受験に対して、私を更に巻き込むために妻が講じた策は、塾の保護者会や受験候補校の入試説明会に私を積極参加させることです。もちろん私しか参加しませんので、私自身が情報収集担当となり、内容をしっかり把握した上で、妻や子供に情報共有する必要があります。

こうすることによって、妻の思惑どおり、妻だけにお任せになりがちだった塾の状況把握や中学受験への取り組み方の理解も深まりましたし、今後の対策を妻と一緒に考えることにも役立ちましたので、上手く巻き込んでくれて良かったと思っています。実際に、それらに参加するようになって以降は、私も主体的に関与することが増えたように感じます。

夫婦の役割分担は、各家庭の状況も様々ですので、我が家の方法がどの家庭にも適合するとは思いませんが、特に父親の関与や理解が足りないと感じている場合は、私の妻が講じた策を試して頂きたいと思います。

この方法は、中学受験だけでなく、一般の公立中学に進学して高校受験する場合も、父親の関与や理解が足りない場合に有効な策だと思います。

以降の話は脱線気味になりますが、実際に自分で情報収集するようになって気付いたことは、自分自身が受験生だった頃と今とでは社会環境が一変していることです。

例えば、日本人が高校を卒業して大学進学する18歳人口は、1992年の205万人がピークですが、我が子が高3になる2025年は109万人(2020年では117万人)となる見込みで、1992年の53%(2020年では57%)しか18歳がいません。(文部科学省「学校基本統計」より)

参考に、東京大学の募集人数(一般入試)は、1992年の3,586名に対して2020年が3,060名ですから、1992年の85%です。単純に18歳人口の57%と東大募集人数の85%で比較すると、東大の合格難易度は85÷57=1.5倍軟化している計算になります。(東京大学「東京大学の概要 平成4年度」 「東京大学の概要 2020資料編」より)

また、私立大学を代表して早稲田大学を調べてみると、入学者数(内部進学・推薦・二部・帰国生含む、外国学生・9月入学除く)は1992年の10,033名に対して2020年が8,614名ですから、1992年の86%です。二部の学部が一部に変わるなど当時と今で条件が違いますが、内部進学や推薦も含めた早稲田大学入学の難易度も86÷57=1.5倍軟化している計算になります。ちなみに、内部進学や推薦を除いた一般入試だけで比較すると、1992年の7,421名の入学者に対して、2020年入学の募集人数は4,730名(1992年の64%)で64÷57=1.1倍の軟化ですから、一般入試以外の進学方法の比率が増えていることも分かります。(早稲田大学「1990~2010年度 学部入学者数(一般入試)」 「入学者数の推移(2012~2020年度)」 「2020年度一般入学試験および大学入試センター試験利用入学試験結果」より)
慶應義塾大学も調べましたが1992年のデータを探せませんでした。

早稲田大学だけでなく、私立大学への入学方法は、最近は45%程が推薦(内部進学含む)やAO入試なのだそうで、大学への入学方法も多様化していることがデータから読み取れます。(文部科学省「平成30年度国公私立大学入学者選抜実施状況」より)

これらの数字からも、約30年前の昔と今とでは、子供達が大学生や社会人になる過程の社会環境が全く異なることが分かります。

大学入試だけでなく、国家公務員総合職(旧Ⅰ種)試験の合格者数は、1992年入学の大学生が4年生になる1995年(平成7年)の1,683名に対して2020年が1,897名で1.1倍となっていますので、仮に人口が60%に減少とすると110÷60=1.8倍軟化している計算になります。他にも、司法試験の合格者数は、1992年入学の大学生が大学卒業後4年(27歳程)で合格すると仮定すると2000年(平成12年)の994名に対して2020年は1,450名で1.5倍ですので、こちらも仮に人口が60%に減少とすると150÷60=2.5倍軟化している計算になります。(厳密には端数等の誤差がありますが分かりやすい数字で計算しています)

いづれも国策で試験方法が変わり合格者数を増やしている背景はありますが、最難関と言われる国家試験でさえも、少子化で30年前からほぼ半減した人口を考えれば、かなりハードルは下がっていると言えます。(人事院「平成7年度年次報告書」  「2020年度国家公務員採用試験状況」法務省「旧司法試験第二次試験出願者数・合格者数等の推移」 「令和2年司法試験法科大学院等別合格者数等」より)

もちろん、上記に挙げた大学入試や国家試験は今も昔も難関であることに変わりないですし、多少軟化しても必要な努力レベルに大きな差は無いと思います。

ここで私が言いたいことは、昔よりも競争が少ないから努力する必要がないのではなく、正しい情報に基づいて正しく努力すれば、特に試験を伴う分野においては、その努力が報われる可能性が昔よりも高まっているということです。つまり、大学進学や国家試験だけにフォーカスすれば、教育に対するカネと時間の投資回収リスクが昔よりも相当低くなっているのです。

話を戻しますが、子供の教育への父親の参画は、企業における人材育成やチームマネジメントに置き換えて考えても良いと思います。

例えば、子供が中学生の場合、子供の学習に対する父親にありがちな傾向として、「中学生なのだから干渉せずに好きにやらせれば良い」「自分が中学生だった頃は親からあれこれ言われなかった」と言って、子供への関与に消極的な意見を言うことがあるかもしれません。

もしそのような場合は、子供が自分の部下や後輩だと思って考えた方が分かりやすいと思います。例えば、自分の部下や後輩の成績がうまく上がらなかったり伸び悩んでいた時に、そのまま放置するでしょうか?大抵の方は、何かしらのアドバイスやサポートをして、より良い結果が出せるように促すと思います。このように、社会人同士では当たり前の行為を自分の子供にしないというのも、合理的ではないと思います。

そして、父親が合理的な判断をするためには、今の受験や大学進学がどのような環境や仕組みになっているのかをデータに基づいて現状把握し、今の子供にとってどのようなサポートが適切なのかを、父親自身も調査研究することが必要だと思います。

私自身も我が子の中学受験を通して気付いたことですが、上記のように自分が受験生だった頃と今とでは前提条件が違うため、当時の正解や成功体験を今にそのまま適用することは正しくないのです。

一番難しいのは、子供に勉強することの有効性をきちんと理解させて、具体的な実行に移すように導くことだと思います。この点に関しては、我が子もまだしっかり理解できているとは言えない状態ですので、我が家の課題でもあり、親子の永遠のテーマだとも思いますが、結局は子供と根気強く対話を続けて理解を得るしか解決方法はないように思います。

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東葛中はどんな学校か?我が子の1年間を振り返る

6期生の新入生とご家族の皆さん、ご入学おめでとうございます。

少し前ですが、4月7日は東葛中の入学式でした。コロナ対策のため、昨年同様に制約のある入学式だったと思いますが、1年前と決定的に違うのは、休校期間がないため、直ぐに学校生活が始まることです。歴史的な変革が起きている今を前向きに捉えて、楽しい東葛中ライフが送れることを願っております。

今回は、我が子が東葛中で過ごした1年間を振り返り、東葛中がどのような学校なのか、私なりの考えを述べたいと思います。

先に感想を言うと、東葛中の授業全体を通して言えることは、アウトプットの比率が多いことです。以下で、授業内容などの詳細を深掘りしてみます。

英語

20名ずつの少人数制で、英語に力を入れている印象です。授業は、英語の歌を歌うことから始まります。中学3年間で英語を話せるようになることが目標で、英会話中心の授業です。授業でのインプットは、英文法よりもチャンク(文節や文章単位のかたまり)で発音して覚えていくスタイルで、2人で組になって発音し合う場面も多いそうです。

教科書は、中高一貫校向けのNEW TREASUREと一般的なNEW CROWNを併用していますが、常に使う訳ではないそうです。授業の進度は、コロナ禍による休校期間の取り戻しを図っていた前期はかなり早いペースで進行しましたが、英文法の範囲だけで捉えれば、最終的には一般の公立中学と同等の進度でした。これは、予定されていたシラバス通りの進行ですが、1年生終了時にNEW TREASUREの全単元は終えないカリキュラムです。2年生になったら新しい教科書に移ってしまうため、英文法目線では、NEW TREASUREのカリキュラムに沿った進行ではありません。また、授業で英文法をしっかりとは教えませんので、インプットである英文法と英単語は自習で知識を定着させないと、定期テストなどのペーパーテストの点数は取れません。

定期テストは、1年生では基本的にリスニング・英作文・長文読解の構成でした。長文読解は、オジリナルの文章かコラム等からの引用で、教科書から問題が出ることはありません。長文には、習っていない文法や単語(熟語)が含まれる場合もあります。

課題は、MYP(Make You Powerful )ノートと称する自習ノートに、毎日2ページ以上の自習を求められます。学校からはMYPだけでなく副教材等の自習指示があるため、もしそれら全てを完璧にこなし続ければ、相当な英語力が付くと思います。但し、自主性が重んじられるため、実際にやるかどうかは本人次第です。

数学

英語同様に、20名ずつの少人数制で、数学も力を入れている印象です。授業では、小さなグループを作って生徒同士が教え合う場面も多く、授業中によく移動するそうです。我が子は、誰かに教えられることの方が多かったかもしれませんが、数学が得意な場合は、我が子のような生徒にどんどん教えることで、自分の理解を深めることに役立つと思います。

教科書は、中高一貫校向けの体系数学を使用しています。一般的な教科書もあるのですが一度も使っていません。進度は、1年間でほぼ体系数学の1年生の内容を終えていますので、私立校と同等です。但し、私立校よりも授業時間が少ないため、実質的にはかなり早いスピードで授業が進行していると思われます。詳しい授業時間については後で述べますが、授業だけでは知識が定着しませんので、インプットとなる自習が必要です。

課題も出されていますが、自主性に任されている部分もあるため、自習量はバラツキがあるようです。

定期テストは、平均点に満たないと追試や補習があります。また、不定期のようですが、放課後の補習も希望者向けに実施されていますので、それなりのフォロー体制はあります。

国語

授業はクラス毎です。教科書を使っていますが、プリントも多く脱線しがちのようです。特徴は、ディベートやビブリオがあることです。ビブリオは、読書が好きでないと少々辛いかもしれませんが、これもプレゼンの一種ですので、将来的には役立つ体験になると思います。

定期テストの現代文は、基本的に教科書からは出題されませんので、この点も特徴的だと思います。インプットとなる漢字や語彙は、漢検目線での自習が求められます。

理科

授業はクラス毎です。教科書を使っていますが、こちらもプリントが多く脱線しがちのようです。休校期間が長かったにも関わらず、1年生の範囲は早めに終了し、3月は範囲を大幅に脱線した、原子力を学んでいました。一般の公立中学の授業内容を聞いた限りでは、実験や観察も多い印象です。

課題は、パワポで資料作りをする姿をたまに見かけました。

定期テストは、特に中学生の理科は知識を問われる面も多いため、インプットとなる知識の定着には地道な自習が必要だと思います。

社会

授業はクラス毎です。理科同様に教科書を使っていますが、こちらもプリントが多く脱線しがちのようです。休校期間の内容は、家で自習していた前提で、その範囲のフォローは特にありませんでした(これは理科も同様)。

課題は、理科同様に家で資料を作っている姿をたまに見かけました。

定期テストは、実際の高校入試やセンター試験から出題されたことが印象的でした。こちらも理科同様に、知識面の地道な自習が必要になります。

総合

授業は2クラス合同です。あるテーマについてグループワークする、ほぼアウトプットの授業です。最も東葛中らしい授業と言えると私は思いますし、我が子も一番好きだと言っています。本来は実際に外に出て情報収集する場合もあるようですが、コロナ禍で実施できなかったことは残念です。

こちらも、家で資料作りをする光景をよく目にしました。コロナ禍のため実際に行けるかはわかりませんが、2年生の春に行く予定の奈良と京都について、グループで作成した動画を視聴する機会がありました。クオリティは様々でしたが、いろいろ演出に工夫があり、どのグループの動画も楽しく観ることができました。

定期テスト

2021年度の予定では、年2回の期末テストがあります。昨年度は中間テストもあったのですが、今年度は中間テストを廃止し、単元毎の確認テストに変えるそうです。テストは平均点のみ発表されますが、順位は出ません。全教科共通ですが、しっかり自習できているかどうかで点数に差が出ると思います。また、テストの内容は、全般的に実際の入試問題に近い印象です。(入試問題そのもののが出題されたこともあります)

また、年3回程の業者テスト(ベネッセ学力推移調査)も受けます。このテストは、主に中堅私立校や公立中高一貫校が受けているらしいのですが、結果が出るのに2ヶ月近くかかるのが難点です。全国順位と偏差値が出ますが、校内順位は出ません。1年生の結果から推測すると、東葛中の平均点で偏差値60前半位のようです。

まとめ

東葛中の年間授業時間(1コマ1時間として計算)は1,085時間です。一般の公立中学の年間1,050時間よりはやや多いのですが、英数国の授業時間は同じです。一方で、私立中学は年間1,200〜1,400時間程のようです。

参考に、私立校と同等の進度と思われる数学と数学同様に力を入れている英語のみ、我が子の私立併願候補校であった学校(開智と広尾学園)と授業時間を比較してみます。東葛中の一週間の時間割では、英数それぞれ4時間ずつです。一方で、開智は英語7時間と数学6時間(中1)で、広尾学園は英語6時間と数学5時間(中1)です。それぞれカリキュラムや教科書の違いはあると思いますが、数学に関しては、仮に1年間で進む範囲が同じだとした場合、私立よりも週1〜2時間少ない授業時間を考慮すると、東葛中の数学の授業1コマの進行はかなり早いかもしれません。一方で、英語は私立と週2〜3時間の差がありますので、現状の週4時間の授業で私立並みの進度を求めることは無理のようで、英文法的には一般の公立中学と同等の進度です。

冒頭で述べたとおり、東葛中はアウトプットが多めな学校で、参加型で趣向を凝らした授業が特徴です。テストの得点力を付けさせるのではなく、時に脱線しながら知識の幅を広げたり深めることに重きを置いているのだと思います。同じ席に座って話を聞き続けるような座学はほぼなく、授業中に移動したり対話の時間が多い印象で、いわゆるアクティブラーニングを体現できていると思います。一方で、限られた時間内に全てを理解したり知識を定着させることは難しいため、ペーパーテスト対策のためには、授業以外にしっかりインプットする時間、即ち自習の時間を意識的に設けることが必要です。つまり、授業で足りない分は、課題も含めた自習によって補うことが大前提のカリキュラムになっていると思います。もちろん、どこの学校に行っても、自習の重要性に変わりはないのですが、生徒の尻を叩くような学校でもありませんので、本人のモチベーションを高めて維持できるかどうかが成長の鍵になります。

東葛中は、決して面倒見の良い学校ではありませんし、いろいろな課題やプレゼン準備などもあり、単に勉強だけしていれば良い訳ではありません。はっきり言ってとても面倒臭い学校です。東葛中は、その面倒臭さを楽しむことと、自主自律の精神が求められる学校なのだと、我が子の1年間を振り返って再認識しています。

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基礎知識:東葛中の合否判定方法

今回は、東葛中の合否判定がどのように実施されるのか、これから東葛中受検を検討される方に向けて、検査の基礎知識を説明したいと思います。

先ず、東葛中及び県千葉中に合格するには、12月と1月の2度の適性検査(入学試験ではない)を受検(受験ではない)し、それぞれを突破する必要があります。検査の具体的な判定方法は公表されていませんが、令和3年度(2021年度)の募集要項には以下のように明記されています。

一次検査の内容

小学校で学習した内容をもとにして、県立中学校で行われる学習活動への適性をみます。

<適性検査1-1>
与えられた文章や図・表等の資料を読み取り、課題をとらえ、解決に向けて筋道立てて考え、表現する力をみます。
<適性検査1-2>
自然科学的・数理的な分野において、課題をとらえ、解決に向けて筋道立てて考え、表現する力をみます。

一次検査の決定方法

一次検査の結果を資料とし、各中学校の校長があらかじめ定めた方法により二次検査受検候補者を決定します。

二次検査の内容

小学校で学習した内容をもとにし、経験から身に付けたことを踏まえて、県立中学校で行われる教育活動への適性をみます。

<適性検査2-1>
課題を設定する力、資料等を活用する力、解決のために計画・実行する力、自分の考えや意見を筋道立てて表現する力をみます。
<適性検査2-2>
聞き取った内容及び読み取った内容から、課題を明確にし、経験に基づき、自分の考えや意見を筋道立てて表現する力をみます。

二次検査の決定方法

小学校の校長が作成した報告書、志願者から提出された志願理由書等の書類の審査並びに一次検査及び二次検査の結果を資料とし、各中学校の校長があらかじめ定めた方法により、各中学校で行う学習活動への適性等を総合的に判定して、入学許可候補者を内定します。

以上が募集要項の文章になりますが、上記の内容だとよく分からないと思いますので、もう少し分かりやすく説明すると以下のようになります。

一次検査(筆記 200点満点)

  • 適性検査1-1(主に国語・社会の複合問題、45分)100点満点
  • 適性検査1-2(主に算数・理科の複合問題、45分)100点満点

二次検査(筆記と聞き取り問題 200点満点+面接+報告書)

  • 適性検査2-1(主に算数・理科の複合問題、45分)100点満点
  • 適性検査2-2(主に国語・社会の複合問題、聞き取り問題有り、45分)100点満点
  • 集団面接(東葛中はプレゼンテーション的内容を含む、約15分)20点程? ※点数非公開
  • 報告書(小学校5・6年生の通知表の評定点)54点満点 ※係数や学業以外の加点の有無は不明
  • 志望理由書(指定フォーマットを事前提出)点数換算されないというのが通説

まとめ

一次検査は、適性検査1-1(100点)+適性検査1-2(100点)=200点満点で合否判定されます。

二次検査は、一次検査(200点満点)に加えて、適性検査2-1(100点)+適性検査2-2(100点)=200点満点に、面接点+報告書(内申点)の合計点で合否判定される、と考えるのが一般的です。仮に面接20点、報告書54点とすると、一次検査200+二次検査200+面接20+報告書54=合計474点満点になります。
※はっきりとは明記されていませんが、塾でもこのように説明されています。

但し、面接点と報告書(内申点)は大きな差が付かず、一次検査と二次検査の得点でほぼ決まると考えるのが良いと思います。

[報告書、志望理由書、面接に関する参考記事]
「内申点の考察」
「志望理由書の書き方」
「二次検査面接の内容」

一次検査と二次検査の筆記試験に関しては、それぞれの合否ボーダーが100点前後、合計200点前後と言われていますので、合格者ボーダーで50%程しか得点できない、全国的にもトップレベルの難易度の検査問題になっています。問題の質は違いますが、塾からも問題の難易度は東京の御三家中レベルだと説明されました。参考に、一般的な私立中学の合否ボーダーは70〜80%程の得点率です。

[合否ボーダー、検査問題に関する参考記事]
「得点開示請求からみる合格最低点」
「2021年度一次検査を解いてみた」

「2021年度二次検査を解いてみた」

上記をふまえると、検査問題の特殊性もありますので、抜きん出て優秀な子供以外は、しっかりとした事前対策が合否を分けると言えます。これから東葛中受検をご検討される場合は、検査方法や問題の特殊性を理解した上で、塾や勉強方法の検討が必要です。

もし入塾する場合も、その塾や校舎のどのようなコースやクラスで勉強した子供が、具体的に何人受検して何人合格したのか、実際に何人東葛中に進学したのか、東葛中向けの特別講習や模試は実施されるのか等、よく説明を聞くことが大切だと思います。我が子の通塾を検討した際に、各塾で同様の質問をぶつけましたが、はっきりした解答を得られない塾もありました。他にも、塾の中には、既に志望順位が上位の私立校に合格していて、東葛中に100%進学しないことが確定しているにも関わらず、東葛中受検を勧める塾もあるようです。是非、受検の合格者数だけでなく、その内訳も確認してみてください。

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