2021年度一次検査を解いてみた
12月5日は、2021年度(令和3年度)の東葛中一次検査でした。生憎の雨模様で気温も低かったため、昨年も雨で雪が降りそうな寒さだったことを思い出します(一次検査当日の様子については「東葛中の一次検査と合格発表」を参照)。我が子の受験が終わったにもかかわらず、不思議と東葛中受検のことが気になってしまうのは私だけでしょうか。
一次検査で実際にどのような問題が出たのかも気になっていたのですが、なんと我が子が学校から問題用紙を持ち帰って来ました。学校には余った問題用紙が置いてあり、持ち帰り自由だったそうです。
そこで、早速私も2021年度の一次検査(適性検査1-1と1-2)を解いてみましたので、問題の内容と感想を述べたいと思います。
※感想はあくまで私見ですので、より正確な情報が必要な場合は塾などからの入手をお勧めします。
【適性検査1-1】文系問題(ほぼ社会)
主な内容は、地域の農林水産業の6次産業化と商店街や道の駅を起点とした地域活性化の取り組みをテーマにした問題でした。国語の問題は皆無で、社会に少しだけ計算を加えた問題構成でした。
6次産業とは、1次産業が消費者に直販する業態のことで、2次産業の加工と3次産業の販売まで手掛けるため、1+2+3=6で6次産業なのだそうです。6次産業というワードは知りませんでしたので、勉強になりました。
私は時間内に全問解き終えることはできませんでしたが、大人にとっては比較的理解しやすいテーマで、察しが良ければ本文を熟読しなくても資料の読み取りだけで先へ進められるため、難易度は例年よりもやや軟化した印象です。文系の受検生は、1-1で得点を稼がないと厳しいと感じました。
【適性検査1-2】理系問題
主な内容は、顕微鏡の倍率と見え方、浸透圧に関連した塩分濃度の組み合わせと淡水魚・海水魚の特徴、振動と音に関連した波動及びドップラー効果など、相変わらず凝った問題が多い印象です。
浸透圧は、ナメクジに塩をかけると縮むようなイタズラをした経験や料理の「さしすせそ」の理由を知っていれば理解し易かったかもしれません。浸透圧は以前「理系問題の気になる傾向」でも少し触れたテーマでした。
波動に関しては、高校生でも理解が難しい概念だと思いますので、我が子なら太刀打ちできなかったかもしれません。今回は、ピアノの弦の音階が変化する理由や、ドップラー効果による踏切の音程の変化など、身近な物理現象をテーマに取り上げられましたが、このような出題傾向は今後も引き継がれるように思います。
私は、途中から投げ出したくなる気持ちを抑えながら45分間を耐えて解きました。久々に問題に取り組んだことを言い訳にしたいところですが、時間も全然足らず惨敗でした。
とにかく問題の前提条件を理解するのに時間がかかる問題が多く、先ずはしっかり落ち着いて考えて、設問の意味を理解することが必要だと思いました。見慣れない設定やグラフに戸惑った受検生も少なくなかったと思います。
全問を解く必要はありませんので、解ける問題の見極めと理解した後のスピードが重要だったように思います。難易度は例年並みの印象です。
【全体的な感想】
出題内容は、コロナ禍に関連する問題が出るかもしれないと思いましたが、そのような時事問題は出題されませんでした。
前年と比較して、出題傾向や問題構成はあまり変わらず、ボーダーは例年どおり100点前後が目安になると思いますが、二次通過も視野に入れると100点にどれだけ上乗せできるかの勝負だと感じます。もし、100点に届かずに一次検査を通過した場合は、二次での挽回が必要になると思います。(自己採点になるため推定得点しか出せませんが)
二次検査については、2020年度は問題を難しくし過ぎて点差があまり付かなかっため、2021年度の二次検査は前年よりも軟化すると私は予測しています。
[合格最低点や検査対策についての参考記事]
「得点開示請求からみる合格最低点」
「東葛中の一次検査対策」
「多忙だった二次検査対策」
話題は変わりますが、一次検査の出願者数が前年よりも減り(東葛中826名 対前年39名減、千葉中605名 対前年117名減)、千葉中は大幅減(特に女子は対前年79名減)となりました。千葉中で出願者数大幅減となった要因は、コロナ禍でのオンライン対応の遅れによる公立校への不安、受験校選択の保守化、渋谷幕張の受験日程とのバッティングなど様々な理由が推察されますが、出願者数の減少に伴い、特に千葉中の繰り上げ合格数は減るのではないかと予測しております。一方で、東葛中の出願者は微減にとどまりましたが、仮に最難関私立校志望の上位層が抜けたのだとしたら、繰り上げ合格の数に若干の影響が出るように思います。
[合格者数や繰り上げ合格についての参考記事]
「東葛中の合格者層」
最後に、一年前の自分を振り返るとなんとも落ち着かない日々を過ごしたことを思い出しますが、東葛中受検は長期戦です。今年はインフルエンザに加えてコロナ対策も必要なのが厄介ですが、対策方法はインフルエンザと同様だと思いますので、親子共に心と体の健康に留意して、無事に受験を乗り切ることを願っております。