東葛中合格への道

2020年東葛飾中学合格。家族で挑んだ初めての中学受験3年間を父親目線で振り返る。入学後の情報も更新中。

情報発信と中高連携が進む東葛

東葛中からの情報発信量が増えています。また、これまでの課題であった中高連携が少しずつ進んできているように感じています。そこで、今回は東葛中からの情報発信と中高連携について述べたいと思います。

東葛中からの情報発信

我が子が受検生だった2年前は、東葛中から直接情報を得られる機会が東葛祭と説明会しかありませんでしたので、2年間で情報発信量はかなり増えました。

例えば、「東葛中授業公開の新情報」でお知らせした授業公開は、今回が初の試みです。

我が子にどのような内容だったか聞いてみましたが、授業は何か特別なことをした訳ではなく、月曜日の授業を土曜日にそのままスライドしただけだったそうです。参加された方がどのように感じたのかはわかりませんが、普段と同じ内容だからこそユニークな東葛中の授業を体験できると思いますし、実は私も東葛中の生の授業は観たことがありませんので、今回の授業公開は保護者としてもうらやましく感じます。もし、今後の授業公開に参加される場合は、東葛中の授業スタイルを色濃く感じることができる英語と総合の授業の見学が個人的にはお勧めです。

また、授業公開の日は、東葛生が作成したレポートの公開や東葛中を卒業した現役の東葛高校の生徒との質疑も実施されたそうです。質疑は私も体験したことがありませんので、これも貴重な機会になったと思います。

他にも、東葛中のホームページでは8月実施予定の学校説明会の案内が公開されています。内容を確認すると、過去にもあった生徒によるプレゼン(当時は英語劇でした)だけでなく、模擬授業やパネルディスカッションが実施予定だそうで、私立顔負けの内容だと思います。参加できるのは6年生の児童と保護者だけですが、東葛中入学を希望していて、授業公開に参加できなかった方は必見だと思います。(当初は保護者のみ参加可でしたが、児童も参加可に変更されました)

東葛中に関する最新情報は、ホームページを通して積極的に発信・更新されています。授業公開や説明会だけでなく、「中学生による日誌」や「中学校日誌」も是非チェックしてみてください。

東葛中の先生は、モチベーションが高く熱心な方が多い印象です。先生たちも、できるだけ沢山の小学生に東葛中の良さを知って欲しい、興味を持って欲しいという想いがあるようです。学校の宣伝は、本来の教師の仕事ではないと思いますが、自分たちの学校が好きだという気持ちと、好きになって欲しいという気持ちはとても大切だと思います。大変だと思いますが、積極的な情報発信の継続を、今後も期待したいと思います。

企業においても、従業員エンゲージメントという指標が重要視されるようになっています。古い言葉で言えば、愛社精神のようなものですが、エンゲージメントの数値が高い方が働くパフォーマンスが上がり、結果的に企業の業績が向上するという考え方です。このことは、科学的にも統計学的にも証明されています。

東葛中に関しても、先生や生徒のエンゲージメントは高いと思いますので、きっと生徒のパフォーマンスも向上し、将来的に東葛中を開校した成果が現れてくると、私は信じています。

徐々に進む中高連携

東葛中は中高一貫校ですが、教育内容や教育スタイルが中高で一貫しているかというと、まだそうではない、というのが現時点の私の見解です。

公立中高一貫校には、併設型と中等教育学校の2種類あり、東葛中は前者です。わかりやすく言えば、併設型は高校からも入学が可能ですが、中等教育学校は高校の募集がありません。東京都立の小石川や桜修館、茨城県立の並木は後者にあたります。千葉県には中等教育学校はまだありません。(市立稲毛中が2025年より中等教育学校へ移行予定)

東葛中は、英語と数学で中高一貫校向けの教科書を使用していますが、いわゆる先取りはしていませんし、高校進学後のクラスは高入生とごちゃ混ぜで、高入生の方が人数も多数派です。但し、実際には一般の公立中学より少し逸脱した内容や深い内容も授業で教えていますので、授業進度的には高校進学後に重複した内容を学ぶこともあるように思います。

この点に関しては、先取りをして欲しいという需要もあるとは思いますが、「東葛中はどんな学校か?我が子の1年間を振り返る」でも取り上げたとおり、東葛中の授業時間は一般の公立中学とほぼ変わりませんので、先取りをするには平日の授業時間を増やしたり土曜日も登校にすることが必要になります。それを実現するためには、更に教師を増やさなければなりませんし、授業時間が増える分、一般の公立中学とは別の給与や手当も必要になると思われます。これ以外にも様々な問題をクリアする必要があると思いますので、先取りの実現はかなり難しそうです。

高入生とのギャップを埋めるには、高校から習熟度別のクラス編成をすることが良いように思いますが、そのような体制を構築して維持するノウハウも今はありませんので、ハードルは高いと思います。(最近まで受験勉強をしていた高入生の方が優秀だという説もありますが)

また、東葛中開校以来、東葛高校の授業や教育方法に変化があったのかも重要な要素だと思いますが、今のところは私もその情報を持っていません。

もちろん、中高で全く交流が無い訳ではなく、高校の先生が中学の授業を受け持っている場合もありますし、部活ではフェンシング部のみ高校生と一緒に練習しています。コロナ禍で我が子が入学して以来は殆ど開催されていませんが、中学生と高校生の希望者が参加する東葛リベラルアーツ講座というものもあります。しかし、同じ敷地にいる割には、中高の交流機会はまだまだ少ないのが現状ですし、コロナ禍が本来あったはずの交流機会を奪ってしまったことも事実だと思います。

ここまでは、中高連携の現状と難しさを述べましたが、開校当初と比べれば、徐々にその垣根が低くなっていることも感じています。

例えば、東葛祭に関しては、当初はおまけのような感じで、東葛中の生徒が学習の成果をプレゼンしたり、音楽部が発表するだけの感じでしたが、今年度は高校生と中学生が一緒にプロジェクトを組み、東葛祭に向けての準備を始めているそうです。

この動きが始まった大きな要因は、東葛中のフロンティアである1期生がようやく高3になり、東葛高校の生徒全員にとって、東葛中があの場所にあり、東葛中の生徒がいることが当たり前になったこと、そして全く先輩がいない状態から始まった1期生は、おそらくいろいろ苦労して今の状態を築いてきたので、後輩には同じ苦労や疎外感を味合わせたくない、という想いがあるのではないかと推察しています。

一方で、中学生から高校生に対して積極的に交流を促すことはハードルが高いと思いますので、今回のように高校生の先輩から後輩に手を差し伸べてくれることは、とてもありがたいことです。我が子に代わり、私からも先輩の高校生に感謝を申し上げたいと思います。

中高連携にコロナ禍が水を刺していることも事実だと思いますが、この先コロナ禍が収束する保証はどこにもありません。これからは、コロナ禍から生まれた新しい生活スタイルや手法に適応しながら、東葛三大祭のようなイベントをきっかけに、新しい取り組みに積極的に挑戦することを期待しています。そして、中高共に連携しながら、新しい東葛の歴史を築いていくことを切に願いますし、それを実現できるのが、真の東葛生なのだと私は思います。

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