東葛中合格への道

2020年東葛飾中学合格。家族で挑んだ初めての中学受験3年間を父親目線で振り返る。入学後の情報も更新中。

2021年度二次検査を解いてみた

1月24日は、2021年度(令和3年度)の東葛中二次検査でした。そして、父思い?の我が子が、学校に置いてあった二次検査の問題用紙を持ち帰って来ました。「2021年度一次検査を解いてみた」に引き続き、早速2021年度のニ次検査(適性検査2-1と2-2)を解いてみましたので、問題の内容と感想を述べたいと思います。

※感想はあくまで私見ですので、より正確な情報が必要な場合は塾などからの入手をお勧めします。

【適性検査2-1】理系問題

内容は、大問1の球の運動と大問2のタイル割り付けでした。私は持ち時間の45分で全く時間が足りず、一次検査に引き続き惨敗でした。

大問1の球の運動は、いわゆるエネルギー保存の法則です。「多忙だった二次検査対策」で記載しましたが、昨年私が山掛けして我が子に伝授していた等速度運動や自由落下運動と関連のある問題が1年遅れで出題されました。

これは、過去問の傾向からそろそろ出題されそうな分野でしたので、塾でも対策されていたかもしれません。(参考に、昨年山掛けしたもう一つの分野は「滑車とテコの原理」です)

エネルギー保存の法則を知っていれば、大問1の前半はあまり問題を読まずとも解きやすかったように思います。例えば、ジェットコースターの原理や「ニュートンのゆりかご」という、振り子を玉突きさせてカチカチ音を鳴らすおもちゃを知っていれば理解し易かったかもしれません。

但し、大問1の後半はやや曲者で、床に落下した球の弾む高さが徐々に弱まることを問う数列問題でした。その中でも、球が弾む高さの合計値がある数に向かって収束するという、高校数学の微積分の概念を思わせる出題があり、素直に問題の流れに誘導されれば解けるように思いますが、受検生は戸惑ったかもしれません。

大問2は、タイルの割り付けですが、タイルで割り付けできる枚数の算出方法を、最大公約数を面積に置き換えることで説明していました。但し、途中割り切れない3桁の素数が出くるのは少し意地悪だと思いましたし、テトリスのような組み合わせや数列的要素も含まれているため、こちらも特に後半は苦戦したように思います。

適性検査2-1の総合的な難易度は、昨年よりはやや軟化した印象ですが、例年並みだったように思います。

【適性検査2-2】国語+少し道徳

時間は計らず、放送問題と最後の記述を割愛して解きました。設問形式は昨年2020年に変更されたパターンを踏襲していました。

放送問題の内容が推測になりますが、主な内容は以下になります。

最初の放送問題は、東大教授で経済学者の玄田有史氏の「知る→考える」のプロセスを説明する話でした。これは、「知る→考える→行動する」という自己実現プロセスの一部です。

ニつ目の論説文は、発達心理学浜田寿美男氏(苅谷剛彦氏編著『いまこの国で大人になるということ』)の「発達の大原則」についての説明で、私の解釈では「いまある力を最大限使って出した結果に加えて、新しい力を伸ばすことで人は発達する」という趣旨と理解しました。

三つ目の論説文は、演出家の栗山民也氏の『演出家の仕事』から、俳優の研修生を育てる事例の紹介で、「人材育成」がテーマでした。

また、途中に問題文の内容を用いて「クラブ活動で後輩の指導に悩む友人にアドバイスする方法」を問う設問があるなど、最近出題されなくなった道徳問題を無理矢理ねじ込んできた印象も持ちました。

最後の作文は、これら3つの文章を踏まえて、「自分の可能性を広げるために」をテーマに、学級活動用の発表原稿を書くという問題でしたが、全体を通した隠しテーマはSDGsであり、持続可能な成長がキーワードだったように思います。

但し、回答に個人的な意見は求めていないため、文章の趣旨や設問の指示を理解した上で文中のキーワードを押さえて、要約や置き換え、抽象化や具体化をするという、入試論文の基本テクニックが必要だと思いますし、そこから外れると得点にならないのだと思います。(適性検査2-2の採点基準はかなり厳しいと思います)

適性検査2-2の総合的な難易度は、文章の内容や設問の設定方法も含めて、昨年よりはやや軟化したと思います。

少し話題は逸れますが、今回のテーマは、トヨタ生産方式の本質である改善と人財育成の仕組みに通じるものがあると思います。つまり、改善後の結果が次の改善前と考えて改善を継続する、その改善の積み重ねが変革を起こし、その改善プロセスが人財育成にもつながるという普遍的な考え方です。(トヨタ生産方式の生みの親の大野耐一氏や最後の直弟子の林南八氏の受け売りです)

最後に、適性検査2-2に関しては、「これまで勉強してきた努力は無駄にならないので、とにかく今は全力を尽くそう。そして、どのような結果になっても、これからの可能性はあなた次第で広がります。」という、受検生に向けてのメッセージであったようにも感じました。

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