2023年度二次検査を解いてみた(適正検査2-2)
適正検査2-1に引き続き、適正検査2-2を解いてみました。
今回も、検査問題の内容の説明と、私見を述べたいと思いますが、先に今回の出題のメインテーマを説明しておくと、メインテーマは『義務』です。複数の文章における、義務に対する考え方や異なる視点が題材となっています。
【適性検査2-1】文系記述問題(ほぼ国語)
問題全体の構成は、大問1の放送問題、大問2と3の読解+大問3の最後の作文、という内容で、昨年とほぼ同様の構成でしたが、少し変わった点もあります。
昨年までは、放送問題をふまえて別の文章も読み、共通点などを回答する問題がありましたが、今年は放送問題と文章問題の設問内容が完全に分離されました。(おそらくテーマは共通なのだと思います)
また、放送問題の内容がわかりませんので、私は時間を計らずに解きましたが、文章の題材としては、小学生にとっても比較的理解しやすい内容がセレクトされた印象で、難易度は例年並みか、少し易化したかもしれません。
大問1.放送問題
最初は、例年どおりの放送問題です。二人が紹介した本の内容にある「今の自分がやるべきこと」と「共通した考え方」を指定された文字数で答え、次に「今後、行うとよいこと」を指定された言葉を使って書く、という問題でした。
大問2.読解問題
設問は、以下の二つの文章を読んで整理し、発表原稿を作る設定で、その原稿の空欄にあてはまる言葉を入れるものでした。
一つ目の文章は、宮本恵理子編・著『大人はどうして働くの?』という、宮本氏が7人の識者にインタビューしたものから、有川浩氏の『自分が楽しいから、好きだからではなく』を一部抜粋したものです。
文章の主旨は、「働く義務を果たせる理由は、誰かのためになっていると思えるからだ」というものでした。これは「利他」の考えのことだと私は思います。
二つ目の文章は、河野節也著『問う方法・考える方法』からの抜粋でした。
文章の主旨は、「他への効力(効果を及ぼす力)を持つ存在になりたいという目的が、人間の学びの動機になる」というものでした。これは「承認欲求や自己実現欲求」の考えのことだと私は思います。
今回の注目点は、もしかしたら受検生が読んだことがある可能性のある本が選ばれた点です。もし読んだことがあっても、特別有利になることは無いと思いますが、小学生でも理解しやすい題材にしたい、という意図があったのかもしれません。
大問3.読解問題&作文
文章は、武田双雲著『丁寧道』からで、始めたことを「義務感」に縛られながら最後までやり抜くよりも、嫌になったら一旦やめて、また気分が上がったら再開する方がいい結果になるという、大問2とは別の切り口の考えを説明したものでした。
設問は、最初は穴埋めで、武田氏の文章をまとめる問題でした。
次は、大問2と3の文章を読み比べて、義務と義務感の違いを答える問題でした。
最後は、例年どおり作文です。大問2と3それぞれの考え方の違いをふまえて、6年生が卒業前に、お世話になった方々へ感謝の気持ちを伝える活動を企画する設定で、決められた条件に従って自分の考えを記述する問題でした。
最後に
検査日当日は、午後に面接もあったため、とても疲れたと思います。しかし、時間をかけて受検の準備をしてきた子供にとっては、その集大成にふさわしい一日だったかもしれません。
そして、私がこの文章を書いている時点では、二次検査の結果はまだ出ていません。
綺麗ごとかもしれませんが、全ての受検生にとって、結果がどうであっても、良い経験になった、得るものがあった、と言える受検であったことを願っております。