東葛中合格への道

2020年東葛飾中学合格。家族で挑んだ初めての中学受験3年間を父親目線で振り返る。入学後の情報も更新中。

ChatGPTに適正検査2-2の作文を解答させてみた

今話題のChatGPTをご存知でしょうか。

ChatGPTは、あのイーロン・マスク氏も出資していたOpenAIという団体が作り出したAIチャットで、数年で検索エンジンGoogleを駆逐するかもしれないとも噂され、世界を席巻しているGAFAなどのビッグテックや様々な業種、職種にとって破壊的ともなり得る新技術と言われています。

現時点では、日本語がまだ得意でないということもあるのか、質問内容によっては、間違った情報を自信満々に答えてくる場合があるのが難点ですが、注目すべき技術であることは間違いないようです。

今回は、ChatGPTに試験問題を解かせるとどのような解答を出してくるのか、2023年度適正検査2-2の最後の作文問題で試してみました。

なお、設問は、AIが理解しやすいように、一部私が要約や修正を加えております。また、文字数は15行以上20行以内という条件でしたので、一行20文字として、300文字から400文字以内としました。

【設問(入力した文章)】
※「 」内は私が書き加えた要約文です
※実際は余計な文字を削除して入力しています。

私の小学校で、六年生が卒業式前に、お世話になった方々へ感謝の気持ちを伝える活動を行うことになり、学級ごとにその内容を考えることになりました。そして、その活動の実行委員として活動を進めるための考えを、問題2「自分のための楽しみではなく、誰かのために時間や労力を使って一生懸命働く義務を果たすことがカッコいいのだ」と問題3「他への効力(効果を及ぼす力)を持つ存在になりたいという目的が、人間の学びの動機になる」という文章をふまえて、以下の条件に従って、書いてください。

以下の条件に従い、三つの段落に分けて書くこと。

一段落目の条件は、自分の学級が、誰に向けてどのような方法で伝えるのかを具体的に書き、その方法を説明すること。ただし、伝える相手は自分の学校の先生や子どもたち以外とする。

ニ段落目の条件は、問題2「自分のための楽しみではなく、誰かのために時間や労力を使って一生懸命働く義務を果たすことがカッコいいのだ」、という考え方を使って、どういうことを大切にして活動しようと考えるべきかを具体的に書くこと。

三段落目の条件は、実行委員として学級の活動を進めていく中で、問題3「始めたことを、渋々最後まで終わらせるよりも、嫌になったところで一旦やめて、また気分が上がったときに再開した方が良い結果になる」、という考え方を、どのように取り入れるかを書くこと。

文字数は、300文字から400文字以内で書くこと。

【ChatGPTの解答】

一段落目: 私たちの学級は、卒業式前に、保護者や地域の方々への感謝の気持ちを伝えることになりました。このために、学級一同で手作りのグリーティングカードを作り、地域のショッピングモールで展示することを計画しています。これによって、地域の皆さんに、学級一同からの感謝の気持ちを直接伝えることができます。

二段落目: 「自分のための楽しみではなく、誰かのために時間や労力を使って一生懸命働く義務を果たすことがカッコいいのだ」という考え方を大切にして、学級の活動を進めます。このために、グリーティングカードの作り方や展示の計画にあたっては、他人のために尽力することが大切だと考え、一人ひとりが最善を尽くすことを心がけます。

三段落目: 学級の活動を進める上で、「始めたことを、渋々最後まで終わらせるよりも、嫌になったところで一旦やめて、また気分が上がったときに再開した方が良い結果になる」という考え方を取り入れます。このために、グリーティングカード作りや展示の計画にあたっては、適切な休憩をとり、適宜休憩をとって、気分が上がったときに再開することが大切だと考えます。また、仲間と協力して仕事を進めることで、より良い結果を期待することができます。

【考察】

いかがでしょうか。

私は、なかなかの模範解答が出てきたように感じます。海外の学校で使用禁止になっている理由が理解できますし、段落や文字数制限の条件をしっかりクリアしている点も感心します。

また、題材となる文章は、私が要約したものですので、その文章自体もAIに読み込ませれば、更に精度が上がると思います。(私の要約力は自信ないので)

しかし、このAIの脅威は、テストや生徒に悪影響を与えるということではなく、文章の要約や論文を書く能力が、将来全く無意味になる可能性を示している気がします。(このAIが脅威となり得る理由は他にもたくさんありますが、今回は割愛します)

受験界では、要約の能力が重要視されていますが、その能力が将来を担う人材の「適正を検査」する判断基準となり得るのか、そのような能力はこれからも必要なのか、AIには取って代わることができない能力とは何なのか、考える時期なのかもしれません。

いずれにしても、もしこの解答を採点してそれなりの点数になるとしたら、次代のリーダーの育成を目指す教育機関として、AIにはない視点や発想を持っていたり引き出す力が必要なのか、それとも先ずはAIに負けない能力が必要なのかを考え、今後も同様の問題形式を千葉県は継続すべきか、違う方法があるのか、議論が必要だと私は思います。

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