東葛中合格への道

2020年東葛飾中学合格。家族で挑んだ初めての中学受験3年間を父親目線で振り返る。入学後の情報も更新中。

東葛中合格のための塾選び2021年版

東葛中受検を検討するにあたり、どの塾を選ぶかは、誰もが悩むテーマだと思います。今回は客観的なデータをベースに、どの塾をどのような基準で選ぶべきかを考えてみます。

但し、先に結論を書くと、この塾に行けば東葛中に合格できる、というものはありません。塾との相性や指導力等の要素はありますが、結局は本人次第ですので、あくまでも参考情報としてお考えください。

先ずは、客観的なデータとして、同じ問題で受検する東葛中と千葉中の、塾別合格者数を調べてみます。
※参考にZ会も調査しました

【2021年合格者数】
※塾発表の最新実績で再集計
※( )内は占有率=塾別/塾合計

  • 市進学院 東葛飾72名(53%) 千葉42名(29%) 計114名(41%)
  • SAPIX 東葛飾18名(13%) 千葉27名(19%) 計45名(16%)
    ※SS受講者重複の可能性有り
  • 早稲田アカデミー 東葛飾8名(6%) 千葉15名(10%) 計23名(8%)
    ※NN受講者重複の可能性有り
  • 京葉学院 東葛飾3名(2%) 千葉20名(14%) 計23名(8%)
  • 東葛進学プラザ 東葛飾17名(13%) 千葉0名(0%) 計17名(6%)
  • 日能研 東葛飾5名(4%) 千葉11名(8%)  計16名(6%)
  • 誉田進学塾 東葛飾0名(0%) 千葉13名(9%) 計13名(5%)
  • 栄光ゼミナール 東葛飾2名(1%) 千葉2名(1%) 計4名(1%)
  • クセジュ 東葛飾2名(1%) 千葉0名 計2名(1%)
  • Z会 東葛飾9名(7%) 千葉13名(9%) 計22名(8%)

参考:四谷大塚 東葛飾30名 千葉40名 計70名
※提携塾の早稲田アカデミー東葛進学プラザ、京葉学院、誉田進学塾の合格者合計との整合性が取れないため四谷大塚の実績は除外

塾合計 東葛飾136名 千葉143名 計279名
四谷大塚除外、Z会含む
※合格者定員(入学者数)各80名

【2021年受検者数】

東葛飾819名 千葉596名 計1,415名

塾合計の結果からわかることは、多少は塾の重複があるとしても、定員80名に対して、東葛中136名 千葉中143名の合格者がいるので、単純計算で東葛中56名 千葉中63名の辞退者(=繰り上げ合格者)がいる計算になります。つまり、机上の計算では一発合格で入学したのが東葛中24名 千葉中17名という結果になります。
※繰り上げ合格の辞退者もいますので、最初の合格発表で合格したメンバーのうち、実際に辞退した人数と上記の計算結果は異なります。

次に、塾別の結果を見ると、東葛中と千葉中の合計で4割超の市進の存在感が大きいことがわかります。特に東葛中では5割超の結果ですし、千葉中も前年までの合格者数2位から大きく伸ばし、1位(おそらく初)となりました。

そこで、市進には意地悪な計算をすると、仮に塾別の合格率を一律とみなし、受検者数に合格者数を割り合てて塾別の受検者数を算出した場合、最大の合格者数を誇る市進は、東葛中362/434名 千葉中133/175名の不合格者/受検者がいる計算になり、最大の不合格者を生み出している塾ということになります。更に、合格者が多いということは、裏を返せば多くの辞退者を塾自らが生み出しているとも解釈できます。しかし、最も多くの合否サンプルデータを持っている塾であることに変わりはありませんので、東葛中を目指す上で無視できない存在だとは思います。実際に我が子も、東葛中では市進生が多数派で、入学前から大半が知り合いで驚いたと言っていました。

そして、上記内容はあくまでも塾別の合格率が一律で重複合格がない前提での計算ですので、本来は塾別やコース別の合格率が重要なのですが、その数字を公式に発表する塾はまずありません。(実際は、聞けば答えてくれる塾と、明確に答えない塾が存在します)

これらの結果から言えることは、東葛中を第一志望として目指すことを前提に塾選びをする場合、合格者数だけでなく、①東葛中に進学したのは何名なのか?②何人受検したのか?③どのコースの生徒が何名ずつ合格したのか?の3点を事前に確認する必要があります。その上で私立併願有無の受験方針を事前に決めてから、塾の指導方針や相性等をふまえて、子供及び家族にとって最適な塾やコースを選定することがお勧めです。(そもそも入塾テストの結果で好きな塾やコースを選べるとは限らないのですが・・・)

また、ネットから得ている情報にはなりますが、東葛中や千葉中の合格者を出しているある塾の合格パターンは、最難関私立クラスが全員合格でほぼ全員辞退、その下の難関私立クラスで合格辞退と進学が混在、更にその下の中堅私立クラスで僅かに合格、公立中高一貫コースはほぼ全滅、という結果だと書かれています。

実際に我が子が通っていた塾でも、最難関私立を目指していたある生徒は、対策無しでも初見の千葉県立中学の過去問でかなりの高得点を出していたそうです。我が子は必死に過去問を解いて合格ボーダーに届くかどうか、という結果でしたので、最難関私立組との差を思い知らされたことを思い出します。

同様に私が実際に得ている情報でも、公立中高一貫コースから東葛中や千葉中に合格しているのはどの塾もごく少数だと聞いています。その意味では、東葛中向けの受験コースしか存在しない東葛進学プラザは、各塾の公立中高一貫コースだけで比較するとトップクラスの合格者数かもしれません。(合格率ではありません)

このように、特に公立中高一貫コースの結果が振るわない理由については、以前「東葛中の合格者層」でも書きましたが、公立中高一貫校コースがダメなのではなく、それまでに費やした勉強量の差が主要因だと私は考えています。各コース別の合格率の差は、地頭と呼ばれる要素もあることは否定しませんが、ほぼ塾や塾以外での勉強量の差がそのまま結果に表れている、と考えるべきだと思います。

誤解の無いように補足すると、公立中高一貫コースの存在意義を否定するつもりはありません。但し、ただ単に塾で与えられた勉強を最低限こなすだけでは、勉強量という見えない壁を突破することは困難ですので、難関私立校コースに負けないような+αの勉強を自主的に積み重ねることも必要なように思います。

また、少し話題は変わりますが、中学受験において、公立中高一貫校の一校だけに的を絞って受験勉強をすることは、費やす時間とコストを考えた場合にハイリスクだと、私は考えています。その理由から、我が子の場合は東葛中一択にはせず私立校併願でしたが、最近は適性検査型入試を実施する私立校も増加傾向です。今後は、公立中高一貫校コースのリスクが低減されるかもしれませんので、適性検査型入試の件も、また別の機会に調べてみようと思います。

一方で、Z会を含む通信教育や塾無しで東葛中に合格している子供も、実際に僅かながら存在します。それらの子供は、自主的に勉強する癖がついているため、ある意味面倒見が悪い東葛中に入学して以降も、一定以上の成績を維持できる可能性が高いように思います。

最後に、東葛中を目指すにあたり、塾選びに悩む方は少なくないと思います。我が家の場合は、私立校併願の方針を事前に決めた上で、手始めにオンラインの通信教育(四谷大塚リトルくらぶ)から受験勉強を始めて、塾のクラスの人数規模、勉強スタイル、立地、費用、子供との相性等の様々な要素を総合的に判断した後、徐々に通塾へ移行しました。

これから東葛中受検を目的に塾選びをする場合は、お互いに信頼関係を築けそうな塾が見つかるかどうかが重要だと思います。その際は、塾の合格者数だけでなく、様々な情報を入手した上で、意思決定されることをお勧めします。

f:id:hikayojuken:20211008182820j:image