東葛中合格への道

2020年東葛飾中学合格。家族で挑んだ初めての中学受験3年間を父親目線で振り返る。入学後の情報も更新中。

私立入試説明会の重要性

私立校の合格の鍵を握る行事の一つに、入試説明会があります。今回はこの内容と重要性について触れたいと思います。

入試説明会で最も注目すべきことは、実際の入試問題の内容や採点方針を聞くことができる点です。

どこまで詳しく説明されるかは、学校によりバラツキがありますが、かなり踏み込んだ内容まで説明する学校もあります。

例えば、ある学校では、各設問でどこの単元から問題が出るのか、難易度はどの位なのか、採点基準はどうなっているのか(理科は意味が通っていれば誤字もOK、算数の記述は解答を求めるための方針を書いていれば得点になる等)を教えてくれました。

これは、単なる滑り止めや併願校としてではなく、本当に入学したいと願う家庭の子供に入学して欲しい、という学校からの意思表示でありエールなのだと私は感じました。

採点方針も、どう減点するかではなく、どう加点するかに重きを置いている学校が多かった印象です。例えば、前年の正答率を分析して、正答率が低ければ出題方法や問題数に変更を加えていると説明していた学校もありました。

余談ですが、千葉県立中学の検査では、特に記述の採点基準が厳しく、問題も全問解くことを想定していませんので、どちらかというと減点主義の印象はあります。(私立は解ききれない問題は意味がない、できれば全て解いて欲しいという考え方)

このような説明会が、全ての私立校で開催されるとは限りませんが、通常は入試問題がある程度出来上がった10月から12月に開催されると思います。併願を検討している私立校であれば、是非参加して沢山メモした方が良いと思います。

我が家の場合は、説明会で聞いた内容を学校別や入試日程別にまとめた上で、出題される問題のリストを作成し、重点的に対策しました。この入試前の対策が、併願した私立入試でも良い結果を出すことにつながったと思っています。

最後に、説明会等で販売される過去問も注目です。過去問は業者からも販売されていますが、同じ学校でもコースや日程によっては全ての問題が掲載されていないこともありますので、事前にチェックした方が良いです。

また、学校で売られる過去問は、実際の入試と全く同じ用紙ですので、本番と同じ状態で過去問対策に取り組むことが可能です。

東葛中の一次検査を突破できた場合は、12月と1月に二次対策と私立対策を並行して実施する必要があり、非常に忙しくなります。私立の入試説明会で得た情報を最大限に活用し、限られた時間を効率的に使うことが合格への鍵になると思います。

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東葛中の一次検査と合格発表

東葛中の一次検査と合格発表を振り返ります。

先ず一次検査ですが、検査は12月5日(土)午後の実施で、13:00に集合し15:35終了、検査1-1と1-2がそれぞれ45分でした。

検査当日は、学校周辺での塾等の見送りが禁止ですので、柏駅周辺に校舎のある塾は、それぞれの塾の前で激励や見送りをしています。

ちなみに、千葉中の検査前の様子をSAPIX のHPで見ましたが、千葉中は敷地内で各塾が旗を出して見送りしているようですので、東葛中と千葉中ではかなり雰囲気が違うようです。

柏駅から東葛へ向かう場合、学校の周りを時計回りで進むルールがあり、国道6号側の通用門を通り過ぎ、細い歩道を進んで反対側の正門まで歩く必要があります。

我が子の受検日は生憎の雨で、傘を差しながら受検生の親子がゾロゾロ進みますので、反対側から来る通行人とのすれ違いも気を遣いますし、通常よりも到着に時間がかかりました。

学校の敷地内は校舎の昇降口近くまで見送りできますが、東葛の正門周辺もあまりスペースが無いため、少し落ち着かない雰囲気の中を見送る感じでした。

検査が終わる頃は、正門から少し入ったあたりで子供を待つことができますが、私立のように体育館などで待てる仕組みはありませんので、一度帰るか柏駅周辺で時間を潰す必要があります。

東葛中の場合、検査は高校の教室を使用しますが、検査中は教室内に時計が無いため、試験官の掛け声が開始と終了の合図になります。我が子曰く、終了の際に試験官が発する「やめっ!」の大きな声に毎回とてもびっくりして、心臓が止まりそうになるそうです。

直ぐに結果の出る私立入試と違い、検査終了後は結果が出るまで2週間弱待つ必要があります。

塾によっては採点してくれる場合もあるようですが、我が家の場合は、その日のうちに私と妻で問題を解き、配点も過去問から推測して自己採点しました。

一次検査後間もなく、誤記による一律18点付与問題が発覚しました。可能な限りの公正な判断を願っていましたし、あってはならないことだとは思いますが、私たちが騒いでも仕方のないことです。合格発表までの期間は、二次検査対策をしても無駄になる可能性があるため、自己採点で一次検査突破の目安である100点以上取れているであろうことを心の拠り所に、約2週間は私立の対策に充てる期間として、やれることをしっかりやって過ごしました。

合格発表(正確には二次検査受検候補者の発表)は、12月19日(木)の9:00に学校の掲示とホームページでの公開が同時に行われましたが、我が子の希望により、直接学校へ合格発表を見に行きました。

合格者の番号は、中学校舎の昇降口手前の倉庫のような建物の前に掲示されますが、実際に見に来ている人はあまり多くありません。

発表予定の9時頃に、合格者番号が記載された掲示板が運ばれて来る様子を皆で固唾を飲みながら見守り、発表と同時に我が子の番号を探しました。

番号を探す間は緊張の瞬間でしたが、無事に我が子の番号を確認できた後は、素直に喜べたと伴に、安堵したことを覚えています。

東葛中の検査は、一次検査がスタートして二次検査の結果が出るまで2ヶ月弱かかります。正に長期戦で、この期間は親子共に心身が疲弊します。可能であれば千葉県立中学の検査も他の都道府県のように一発勝負に変更して頂きたいというのが正直な感想です。

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東葛中学校説明会中止について思うこと

2021年度入学希望者向けの東葛中の学校説明会が中止になりました。

また、東葛三大祭と呼ばれているスポーツ祭、合唱祭、文化祭のうち文化祭は中止が決定されていますし、スポーツ祭と合唱祭も時期的に中止と思われます。特に高三の東葛生にとっては本当に残念な結果になってしまったと思います。

これらの件について、私なりの考えを述べたいと思います。

先ず、学校説明会については、本当に中止以外の選択肢が無かったのかは検証が必要だと思います。これは学校の問題ではなく千葉県教育委員会の問題かもしれませんが、文化祭も中止ですので、今年度は東葛中の生の情報を入手する手段が完全に閉ざされました。

一方で、大半の私立中学はオンラインの説明会に移行しています。

ビジネスの世界では、セミナーや商品展示会などのイベントが完全にオンラインへ移行し、私にも毎日のようにオンラインイベントの案内が届きます。これらのオンラインイベントは移動時間などの制約が無くなったことから、これまで以上に参加希望者も増えて、非常に好評だと聞いています。

これらイベントのオンライン化は、主催者側にも沢山のメリットがあります。例えば、会場費は無料もしくは少額で済みますし、会場設営の手間や当日の運営要員もかなり削減され、参加者の人数制限もほぼ不要です。担当者の負担は時間も費用も劇的に減る筈です。

私も、仕事柄比較的多めの人数が参加する会議を開催する機会がよくありますが、3月からオンライン会議に移行し、会議運営が非常に楽になりましたので、もう集合方式の会議は開催しないと思います。

授業のオンライン化については、東葛中はオンライン授業が実現しませんでしたので、オンライン化を試行する最大のチャンスを逸してしまったと感じています。

今回の説明会中止やオンライン授業への対応については、個人的にも残念だと思いますし、東葛中を検討していて私立と迷っている方にはマイナスの判断要素になってしまったのではないかと危惧しています。

そもそも、東葛中や千葉中が中高一貫校になった理由の一つは、私立校の台頭を意識しての施策だと私は解釈していますので、今後の挽回を期待したいところです。

各種イベントも早々に中止や延期となっていますが、今の状況がこの先良くなる保証はどこにもありません。新しい教育スタイルへの転換期を迎えたことを認識し、安心安全の確保を前提条件に、今やれる方法を考えてトライし、前に進むことが教育現場にも必要だと思います。

実現するには、テクノロジーの力を借りたり工夫が必要ですが、子供たちにとってもそれを考えたり体験する良い機会になる筈です。

文科省も重い腰を上げて、小中学生への一人一台PC配備を当初の2023年度から前倒しして、今年度中に実現することになったことは朗報です。但し、道具だけ与えて使い方を教えないような事態や、宝の持ち腐れにならないことを切に願いますし、マスクの配布ですらあのような状況でしたので、迅速な対応と伴に、是非道具を使い倒すことを子供達に教えて頂きたいと思います。

我が子も重いリュックを背負って毎日通学していますが、大量の紙の教科書がこれからも本当に必要なのか、本気で考える必要があると思います。

東葛三大祭の中止についても、実際の生徒達の意見を聞いた訳ではありませんし、一番尊重すべきは当事者の生徒達がどうしたいかだと思いますが、私の勝手な意見としては、先生や生徒の知恵と知識を集結して、今やれる方法を小規模でも試行して良いのではないかと思います。

新しいことを始めることは大変ですが、今ある伝統は昔の先輩方が挑戦し、それを継続した結果です。

最近でも、東葛高校の生徒がJR我孫子駅発車メロディーを地元ゆかりの曲に変更する署名活動を実施し、7月からの変更を実現した事例がありました。これは東葛中学や高校にとっても明るいニュースだと思います。

自分達で新しい伝統を創ったり更新するチャンスを今の生徒達にも与えることが教育の一環だと思いますし、そもそも東葛高校に制服が無い理由や経緯を考え、先生や先輩達が校是の自主自律を体現する姿を、後輩の中学一年生が見られることを願っております。

東葛中は制服もありますし自主自律が校是ではありません)

【追加投稿】

中高一貫校ではありませんが、都立日比谷高校ではオンライン授業を開始し今でも継続しているそうです。

style.nikkei.com

また、灘中学と高校はオンライン文化祭を開催するそうです。

https://twitter.com/nada_festival

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東葛中の一次検査対策

東葛中の一次検査に向けた対策について、具体的にいつ頃から何をしたのかを振り返ります。

東葛中対策で考えるべき最初のことは、一次検査の突破です。当たり前ですが、一次が通らなければそこでお終いですので、12月上旬の一次検査に向けて全力で取り組む必要があります。

東葛中の一次検査を突破できるのは受検生の約4割です。ボーダーは200点満点で100点が一次合格の一般的な目安となりますが、最終的には一次と二次の合計点の勝負になりますので、一次突破の目安となる100点に上乗せできれば、二次を有利な状態で迎えられます。

[東葛中の合格最低点についての参考記事]
「得点開示請求からみる合格最低点」

我が子の場合、模試の判定では一次検査の判定結果の方が二次検査よりも低い傾向にあり、一次に向けた危機感もありましたので、一次対策はとても重要視しました。

具体的な検査対策を始めた時期は9月です。公立中高一貫校向けの模試を受けた以外、6年生の夏休みが終わるまでは、私立向けの勉強しかしていませんでしたし、実際に夏休みが終わるまでは普段の受験勉強で手一杯でしたので、東葛中対策に取り組む余力はありませんでした。

9月からは一次検査まで3ヶ月余りしかありませんので、事前にスケジュールを立てて計画的に進めることが重要になります。塾からは過去問対策は夏休みが終わってからで良いと言われていましたが、それは1月から始まる私立受験を前提としている部分もありますので、余力があるのであれば、夏休みの下旬から対策を始めても良いかもしれません。

我が家が先ず始めたのは、塾の公立中高一貫校対策の特別講座の受講です。特別講座はほぼ隔週で週末に開催されました。

特別講座の内容は、過去問や類似問題を中心にひたすら演習をやったようです。

特に、自習用に配布された公立中高一貫校対策用のグラフテキストは、グラフ対策をどうしようか考えていたところでしたので、とても良かったと思います。

グラフは自分で作図できるようになることが基本だと思いますが、自分で様々なタイプのグラフを作図するテキストでしたので、グラフに対する理解が深まったと思います。

私からも、表とグラフの読み取り方について補足説明をしました。特に、グラフは数値の偏り・変化・傾向を視覚的に捉えるためのツールですので、それらに注目してグラフを読み取ることがポイントとなる点と、いろいろなグラフの使い分けを教えました。

大人にとってグラフはポピュラーなツールだと思いますが、子供は案外慣れておらず、小学校でもしっかり教えていないようです。適正検査I-Iでは、表とグラフは必出問題ですので対策が必須です。

また、適正検査I-IIの理系問題に関しては、過去問から出題された算数と理科の問題を洗い出し、該当する単元と特に苦手な単元の基本問題を中心に、演習問題を繰り返し解きました。

特に算数については、私立対策も見据えて基本問題をひたすら繰り返し解かせましたが、これにより苦手だった算数の自力が付き、東葛中の検査対策だけでなく実際の私立入試でも威力を発揮したと思います。

過去問については、一次検査までの日程を逆算して、5年分の一次検査を解く予定を立てて、解く際もきちんと時間を計って本番のような状況で実施しました。

もちろん解いた過去問の振り返りも必要です。間違ったり解けなかった問題の復習をした上で、解けなくても良い問題(我が子には難しいため飛ばして良い問題)や解かなくても良い問題(本番では後回しにして良い問題)の選定もして、問題に取り掛かる順番などの作戦も立てました。

[過去問についての参考記事]
「東葛中の過去問選び」

9月からの3ヶ月余りを有意義にするためには親として最大限のサポートが必要ですし、子供の緊張感も高まってきますので、精神的なフォローも大切です。

我が子も特に12月と1月は精神的にも不安定だったと思います。12歳程の子供が初めて経験する緊張感、焦り、プレッシャーです。適正な危機感を持つことも大切だと思いますが、親として口出ししたくなる気持ちをグッと抑えて、信じ続けることと我慢も必要です。私もこれを実践することは正直大変でしたが、これから受検されるお子さんがいる方には、頑張って頂きたいと思います。

最後に、東葛中一次検査の一週間前に、例年どおりであれば土浦日大のCSATという千葉県立中学の受検生向けの入試があります。

我が子も受験して、特に対策はしませんでしたが合格を頂くことができました。俗にそっくり入試とも言われていましたが、我が子曰く実際の一次検査よりも問題の難易度は高くなかったようです。

試験会場は取手で、2020年度の入試は259名が受けて163名が合格したそうです。合格率は6割程ですが、この入試を受けた全員が東葛中を受検したと仮定すると、東葛中一次検査の合格率が約4割ですので、この合否が一次検査突破の目安にもなると思います。

東葛中が第一志望の場合、初めての入試が第一志望というのはリスクも高く、先に土浦日大を受験してみることは良い経験になると思います。数日で結果も出るため、合格できれば一次検査に向けて大きな自信と励みになると思います。

仮にその後の東葛中受検で良い結果が出なかったとしても、どこかの学校に合格した経験は子供にとってもプラスになると思います。

実際に土浦日大に入学したとしても、6年間学年上位を維持できれば東葛高校に引けを取らない大学に合格することも可能ですし、過去に東葛高校から日大に進学した生徒も沢山いる筈です。また、特待合格もありますので、学費の心配が無くなる可能性もありますし、入学金も東葛中の結果が出るまで待ってくれますので、家計にも優しいです。

親として、このような選択肢や経験を子供に与えることは、意味があると私は思います。

ちなみに、合格証明書も立派で、我が子も合格できたことは素直に嬉しかったし自信につながったと言っています。

[私立併願校についての参考記事]
「私立併願校の選び方」
「私立入試説明会の重要性」
「私立校の気になる動向」

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東葛中の過去問選び

東葛中(千葉県立中学)の過去問は3つの業者から出版されています。

私は勢い余って3つ全部購入してしまいましたので、それぞれの特徴と所見を述べたいと思います。

【声の教育社 声教の中学過去問シリーズ】

オレンジ色が目印の通称、声教です。過去問7年分で定価2,100円+税でした。

塾からはこちらを勧められました。その理由は解説が一番詳しいからだそうです。(問題と解答は公開されているため基本的にどこも一緒です)

実際の解説はやや詳しい印象がありますが、小問別ではなく大問を一つの流れとして解説しているため、ちゃんと読まないとどれがどの解説か分からなくなることがあり、注意が必要です。

我が家は利用しませんでしたが、解説動画も販売しているようです。

細かいことですが、欠点を述べると図や表がぼんやりしています。実際の問題をコピーしているのだと思いますが、印刷品質が少し気になりました。

我が子の答え合わせと復習用に利用しました。

【東京学参 中学別入試過去問シリーズ】

赤色が目印の通称、学参です。過去問9年分で定価1,850円+税でした。

確かにこちらの解説は声教よりも若干淡白かもしれませんが、遜色ないと思います。解答は小問別に分かれていますので、学参の方が見やすいと思います。

特徴は、印刷がクリアで一番見やすいと思います。回答用紙のダウンロードも可能です。

こちらは私が過去問を解いたり分析するのに使用しました。

【教英出版 入学試験問題集】

6年分の過去問が掲載され、定価2,800円+税で一番高額でした。

検査の年度毎に用紙が分かれていて、特徴のある製本方法です。バラバラにすれば、いちいちコピーしなくてもそのまま本番に近い状態で問題用紙と回答用紙が使えます。

最大の利点は、二次検査の聞き取り問題をダウンロードすることで、本番さながらのリスニングを再現できることです。

但し欠点もあり、二次検査の一部の問題の著作権を買い取れなかったようで、掲載されていない問題がありました。

他の出版社の問題からコピーして貼り付けて対応しましたが、過去問を解く前は事前確認が必要です。(他の業者でも同じことはあるようです)

過去問を解くだけなら最適だと思いますが、一部の問題が欠けている点と、解説も上記2冊と比べて淡白ですので、声教か学参との併用がお勧めです。

我が子が本番を想定して過去問を解く際はこちらを利用しました。

過去問への取り組み方

過去問の取り組み方法について、塾からは問題傾向が変わることもあるため、5年分で良いと言われました。我が子も5年分しかやりませんでしたがこれで充分だと思います。

上記以外にも、公立中高一貫校 適性検査問題集 全国版(通称、銀本)が有名なようですが、私立の勉強もあるため、我が子はそこまで時間は取れませんでした。

但し、今年から特に二次検査の傾向が変わりましたので、都立の中高一貫校などの問題に取り組むことは有効かもしれません。

また、最難関と言われる私立校の問題は記述も多いため、千葉県立中高一貫校の検査問題とも親和性が高いと思います。これは塾の先生も言っていました。これが東葛中や千葉中が最難関私立校の押さえ校として使われてしまう一因だと思います。

確かに、塾で武蔵中学の国語の過去問を我が子が解いた時は、かなり良い点数が取れたそうです。

過去問を解くのは6年生の9月からで良いと思いますが、塾や模試などの合間に過去問を解いて復習する時間を作ることは、結構大変です。

我が家は妻がスケジュール管理をして、私が採点や解説と、解くべき問題と解けなくて良い問題の指南をしました。

記述の採点が難しいのですが、千葉県の採点基準はかなり厳しいようです。我が子の場合も、特に二次検査の記述の採点がかなり渋かった印象です。

実際の採点の際も明確な基準は作っている筈ですので、千葉県からは今後解答だけでなく採点基準も公開してもらうことを期待します。

過去問の得点からの合否判断については、概ね50%の得点で合格と判定して良いと思いますが、年度により合否ボーダーのバラツキはありますので、以前書いた「得点開示請求からみる最低合格点」を参考にしてみてください。

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公立中高一貫校模試について

東葛中受検のために受けた公立中高一貫校向けの模試について、その内容と参考データとして我が子の結果も入れて、それぞれを振り返りたいと思います。

【市進学院 公立中高一貫校チャレンジ模試】

東葛中合格者数トップの塾が開催する模試のため受けておくべきと思い、6月の第2回を受けました。

問題内容は、理数社系の適正検査Iと記述系の適正検査IIの2種類のテストでした。

受験者数が非公開で、全体の平均点は116.6/200点、我が子は約140点の評価B(上位21〜40%)でした。東葛中志望者全体の何となくの位置はわかるのですが、受験者数や東葛中志望者の平均点などのデータもなく、合否判定もありませんでした。

市進生には詳しいデータが公開されているのかもしれませんが、問題の難易度も低い印象で、期待していただけに少し残念でした。

早稲田アカデミー 千葉中オープン模試】

東葛中が対象ではありませんが、本番の問題は東葛中も千葉中も一緒ですし、千葉中の判定は良い目安になるだろうと判断して、6月と9月に2回受けました。

問題内容は、放送問題と記述中心の適正Iと社会の適正IIと理数系の適正Ⅲの3種類のテストで、問題の難易度は比較的本番に近い印象ですが完全に再現はできていません。但し二次検査を想定した放送問題があるのはメリットだと思います。

受験者数と平均点は、6月が62名で126.6/300点、9月が91名で132.1/298点でした。

我が子は2回共に約150点で、合格可能性は両方共70%、判定は合格でした。

適正Iの記述は、千葉県の過去の出題方法と少し違っていて都立の中高一貫校の出題方法に近い印象でしたが、2020年から変わった千葉県の二次検査の記述には、逆に近付いた気がします。

【公立中高一貫校対策センター 公立中高一貫校模試】

10月の第4回を受けました。

問題内容は、理数系の適正検査Iと社会の適正検査IIと記述系の適正検査Ⅲの3種類のテストでした。

東葛中志望の受験者数と平均点は、60名で305.3/700点でした。

我が子は約410点で合格可能性はB判定(60%以上)でした。

余談ですが、塾の勧めもあり一度だけ10月に首都圏模試を受けました。(公立中高一貫校向けではありません)

東葛中志望者64名で、志望者の平均点は不明です。合格可能性80%でした。

中堅校向けの模試と言われていますが、見たこともない好成績になってしまいましたので、東葛中の判定にはあまり向いていない印象です。

全ての公立中高一貫校向け模試を受けた訳ではありませんが、受けた模試の受験者数や問題内容などを総合的に評価すると、東葛中受検に関しては完全に納得のいく模試はない、というのが正直な感想です。一次と二次で分けて、問題量や難易度を近づけた模試が理想ですが、大半が無料ですしそこまでやる必要性はないのかもしれません。

せめて東葛中志望者の大半が受ける模試があれば良いのですが、今のところはそれも無いようです。

特に夏を過ぎてからは、12月の一次検査に向けてスケジュール調整が大変ですが、様々な模試の中から必要な模試を選び、効率的に受けることは必要だと思います。

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東葛中の休校中の過ごし方

中学受験のテーマから少し離れて、東葛中の新1年生となった我が子が日々どのように過ごしているかについて、触れたいと思います。

もちろん、簡易的な入学式に参加して以来一度も登校していません。

勉強に関しては、オンライン授業の体制が確立していないため、学校のホームページから発信される課題に日々取り組んでいる状態であり、先生と何度か電話で話した程度でクラスメイトとの交流は皆無です。

当初はランダムに各教科の課題が降ってくる状態でしたが、途中からは1週間の課題がまとめて出てくるようになり、勉強の計画も立てやすくなり効率化されました。

先生もいろいろ試行錯誤と工夫をされているようですし、課題の量も増えたようで、少し忙しくなったようです。

教科も技術・家庭や体育などが増え、一部YouTubeの配信もあり、先生の動画を見ながら我が子と一緒に運動したりもしました。

市立中学よりは工夫しているように感じますが、オンライン対応が確立している私立の対応に比べると物足りなさは正直感じます。

学校側も本音はオンライン化を進めたいようですが、各家庭のリモート環境にバラツキがあり、導入を躊躇しているように感じます。公立校の対応力や柔軟性、スピード感の限界を露呈している印象はあります。

個人的な意見としては、多少金銭的に家庭の負担を強いることになっても今回を機に思い切ってオンライン化を進めて、どうしても対応できない家庭にだけ個別に支援する策が良いように思いますが、公立のジレンマなのかもしれません。

今のうちに、いつでもオンラインで授業できる体制を構築すれば、台風や積雪などの自然災害時も休校にする必要はなくなりますし、コロナだけでなくインフルエンザなどの流行に兆しがあればオンラインに切り替えて、先生も生徒も安心して授業を継続できるメリットもあります。

ビジネスの世界でも、アフターコロナやニューノーマルという言葉が出てきています。これまでとは違う働き方やビジネスに変わる転換期を迎えたと言われており、いろいろな企業がこれからどうすべきかを議論し準備を始めています。

学校も、コロナが終息したら何も無かったかのように全て元通りにするのは、違うと思います。

但しオンライン授業は注意も必要です。私自身もオンラインの会議は通常よりも疲労するように思いますし単調になりがちですので、例えば時間を短く区切るなど工夫が必要だと思います。

一方で、受験候補であったり実際に受験した私立校の対応を調べてみると、どの学校もオンライン体制を確立しているようで、親として焦りは感じてしまいます。

但しネットからの情報では、オンライン体制のある私立校の親もいろいろと不満を抱えているようですので、お互い無い物ねだりなのかもしれませんし、授業料を払っている分だけ、要求もシビアなのかもしれません。

いずれにしても、今の状態を前向きに考えてチャレンジし、後戻りさせないことで、大人たちが子供たちに新しいスタイルを早く示すことが必要だと思います。

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私立併願校の選び方

我が子の第一志望校は一貫して東葛中でしたが、併願する私立校について、どのように選んだのかを振り返りたいと思います。

受験勉強の開始当初から、東葛中が駄目だった場合は私立に行くことを決めていましたが、行きたい、もしくは行かせたいという私立校は決まっていませんでした。

私立併願校選びのゴールは、行きたい、行かせたいと思える学校を見つけられるかどうかだと思います。

もちろん試験を受けるからには、その学校に6年間通う可能性があることを、親子共に納得した状態で受験しないと後悔することになりかねませんので、併願校もしっかり検討が必要でしたが、そもそも東葛中付近の私立校も少なく、具体的な併願校をどこにするのかで悩みました。

実際は、校風や教育スタイルとの相性、共学か男女別学か、進学状況、立地、試験日程や問題傾向、学費などの様々な要素を踏まえて決定することが原則ですが、先ずは単純に偏差値による合格の可能性で考えました。

2020年の入試結果では、東葛中の四谷大塚80偏差値が男子62(女子62)です。

千葉県の私立校で考える場合(実際はコースや入試日程等で偏差値の違いあり)、東葛中の偏差値を上回るのは渋谷幕張69(71)と市川64(66)の2校ですが、東葛中が第一志望でこの2校を第二志望にすることはあまりないと思います。

第二志望を東葛中と同等の偏差値で選ぼうとすると東邦大東邦60(62)のみになり、偏差値60未満に昭和秀英57(59)芝浦工大柏53(55)専修大松戸50(52)と、県外の江戸川取手50(50)が続きますが、東葛中付近は芝浦工大柏と専修大松戸と江戸川取手の3校のみです。

我が家の場合は、我が子の求める教育内容や校風、通学などを考慮すると、残念ながらどの学校も受験候補の対象外になってしまいました。

こうなると、東京、埼玉、茨城へ足を伸ばすしかありませんが、共学校に行きたいという我が子の希望もあり、更に選択肢が少ない状況でした。

ちなみに、共学校の方が人気が高い傾向にあるため、本当は男女別学も候補に含めた方が学校数が増えて偏差値もやや下がる傾向にあり、受験校の選択肢は広がります。

求める教育スタイルなどの我が家の希望と一致して通学可能であることを条件に、塾からの情報や自分達で受験校を調べた結果、主な候補に上がったのは、東京の渋谷渋谷66(69)と広尾学園59(61)、埼玉の開智 先端56(58)、茨城の茗溪学園50(52)の4校でした。渋谷渋谷は都内共学校の偏差値トップ校であり第二志望とはならないと思いますが、いづれの学校も東葛中同様のアクティブラーニング系の教育スタイルで、親子共に納得できる学校でした。

実際に受験校を決めるために学校見学は欠かせませんが、どの学校も研究熱心で生徒の学習意欲も高い印象を受けました。

最終的にこれらの学校全てを受験した訳ではありません。しかし、受験勉強の開始当初は、東京や埼玉の学校は考えていませんでしたので、幅広く調べることの必要性を感じます。

併願校選びにおいては、後悔したこともあります。それは、5年生までに候補となり得る学校をもっと広く調べて、目ぼしい学校をもっと多く見ておくべきだったということです。

その理由は、6年生になると模試や受験勉強に忙しくなるため、子供が学校見学に行く時間を作ることが大変だからです。

東葛中に関しては、東葛祭くらいしか学校見学の機会がありませんが、私立に関しては学祭だけでなく体験授業を受けられるような説明会もありますので、候補となる学校は学祭と説明会の両方行くことが理想だと思います。

学祭では生徒達の素の姿が見られる機会になりますが、普段と違うテンションになっていますので、平常時の姿を見たり感じることができるのは、体験授業などもある説明会です。

説明会に行って驚いたのは、休日にも関わらず、手伝いをしている生徒がいることです。ある私立校の生徒に質問したところ、自主的に参加していると言っていました。学校説明会というある意味商業的な行為に生徒が協力するということは、自分の学校が好きでなければできないと思いますし、素直に立派だと思いました。

受験校選びに関しては、公立中高一貫校の受検生を意識した試験を実施する私立校も増加傾向ですし、塾からの指導もあるとは思いますが、特に6年生になると模試で志望校を登録して合否の可能性を判定していくことになりますので、5年生のうちにある程度候補となる学校を絞り込んでおいて、遅くとも6年生の秋までに最終決定するように考えておくと良いと思います。

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休校中の先生からのメッセージ

東葛中は最低でもゴールデンウィーク明けまで休校が決まっていますが、先生からのメッセージと共に英数国理社の5教科で課題が出ています。

本来はアクティブラーニングを主とした探究型やグループでの参加型授業が売りですが、私立のようなオンライン体制もありませんので、課題は専用ホームページからの一方通行の発信になります。

しかし、そこから発信されているメッセージからは、東葛中の授業スタイルや先生方の思いを読み取ることができます。

入学希望の方の参考になると思いますので、私なりの解釈を以下に記します。

発信されているキーワードは2つで、「自分で理由を考える」と「自分で判断して進める」です。

単に与えられた課題をこなすのではなく、自主的に調べたり学んで理解した上で、自分なりの答えを出す。興味があれば範囲は気にせず深掘りしたり先にどんどん進んで良い学校なんだよ。但し強制はしません。というメッセージだと思いました。

逆に言えば、受け身でぼーっと過ごしていると、どんどん置いていかれるのだと感じました。

我が子がこのメッセージをどのように受け取ったかは敢えて確認していませんが、受験生の頃のようにガミガミ言わず、これから約1ヶ月は何も言わずに見守ってみようと思います。

まだ中学1年生は始まったばかりで、授業すら受けていません。仮に1ヶ月サボって泣きを見ても、メッセージを理解して頑張っても、どちらでも得るものがあるように思うからです。

これから東葛中を目指す受検生は、休んでいる暇はないと思いますが、常に物事の理由と自分なりの正解を考える癖を付けておくことと、特に自主的に勉強する姿勢を身に付けておくと、受検はもちろんですが、入学後もスムーズに東葛中に馴染めるのではないかと思います。

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東葛中入学式を終えて思うこと

昨日4月7日は東葛中5期生の入学式でした。父兄は1名のみで在校生や来賓の参加も無く、式も短時間で最低限の内容でした。

例年なら高校の新入生と一緒の入学式で、在校生の答辞も良いらしく、我が子がそれを体験できなかったことは残念ですが、これはこれで貴重な体験だったと思いたいところです。

しかし、また翌日からは1ヶ月近くの長期休みが確定しています。

今思うことは、受験生だけでなく小中高生にとって、これまでの1ヶ月をどう過ごしたか、これからの1ヶ月をどう過ごすかで、休みが明けてからの学力に大きな差が生まれる可能性が高いということです。

その理由は、今の時期に家でしっかり勉強に取組めるということは、本人の精神力と自主性がしっかり身に付いている証拠で、その差を後から埋めることが困難だからです。

特に受験生は、受験の天王山と言われる夏休みが無いことを想定し、今が夏休みと考えて受験勉強に取組むことが必要だと思います。もし我が家に受験生がいればそうさせます。

それでは、受験生はこの長期休みをどう過ごすべきか、私の考えを記したいと思います。

時間はまだ沢山ありますので、第一は不得意な分野を補うことです。そのためには、基本問題を繰り返し解いて、基本問題を完璧に近付けることが必要です。

次に、もし余力があれば、得意分野の応用問題に取組んでも良いと思います。

もちろん、学校や塾からも課題が出ていると思いますので、それらをこなすことは大前提ですが、先に記した「6年生の長期休みを合格の力に」にもあるように、1日10時間の受験勉強を目指して良い時期だと思います。

これらにしっかり取組めば、気を抜く時間は殆どないと思いますし、相当な基礎体力が付くと思います。

しかし、塾の特別講習もなく、自習が中心になりますので、親のスケジュール管理と、子供のモチベーションを高い位置に引き上げて保つサポートが非常に重要になると思いますし、それが一番の課題であり親の気苦労も増えますので、親も覚悟が必要だと思います。

このあたりの課題は、以前記した「通信は自分と孤独との闘い」が参考になると思います。

通常時よりも早い時期からの長期戦になりますので、飛ばし過ぎには注意が必要だと思いますが、おそらく受験勉強に費やせる合計時間は例年と変わりませんので、今からのロングスパートになることを想定して対応することが、合格へ近づく方法だと思います。

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6年生の長期休みを合格の力に

新型コロナウィルスの影響の深刻化、長期化が予測されます。

世間はまだ予断を許さない状況ですが、新6年生にとっては、期せずして長期休みとなった春休みを最大活用することは、とても大切だと思います。

そこで、6年生だった我が子の長期休みの過ごし方を振り返ろうと思います。

6年生のゴールデンウィークと夏休みは、特に苦手な単元やこれまで手が回らなかった分野の補強や基礎固めの時間にあてました。

勉強時間の長さにもこだわって集中的に勉強したことは、我が子が東葛中や他の私立中学にも合格できる力を付けられた要因として大きかったと思います。

ゴールデンウィーク、夏休み、冬休みの3つの長期休みは、以下のように取組みました。

ゴールデンウィークは、例年よりも長い10連休になったため塾の特別講習も開催されましたが、講習は受けずに自宅で苦手な単元の補習にあてました。具体的には、手薄になっていた理科について、過去のテストから理解ができていない単元を洗い出し、その中から重点的に取組む単元を絞った上で、その内容を私から教えてしっかり理解させ、問題を解き直して理解度の確認をしました。

普段は塾や学校の勉強で忙しく、このような対策の時間が確保できていませんでしたので、貴重な期間だったと思います。

夏休みは、塾からも400時間以上受験勉強することを目標に与えられましたので、塾での特別講習も含めて、1日10時間を目標に勉強をしました。

結果は、目標の400時間超を達成し、本人も大きな自信につながったと思います。

夏休みは特別講習もあり、講習の時間やその復習時間も考えると、意外と自由に勉強できる時間は限られますので、計画性が必要です。

我が子の場合は、主に算数の基本問題を繰り返し解き、全ての単元の基本問題が完璧にできるようになることを目指しました。これは夏休み以降も継続しましたが、この取組みは算数の底上げに役立ったと実感しています。

もちろん算数以外の教科も、基本問題を中心に抜け漏れを無くすことに取組みました。

冬休みは、塾の特別講習も受けながら、スケジュールを組んで過去問対策にしっかり取組みました。

6年生の受験勉強は、もちろん波はありましたが、盆も正月もクリスマスも休むことなく、受験勉強に明け暮れた1年間だったと思います。

今年の受験生は本当に大変だと思いますし、不安もあると思います。しかし、3月から4月にこれだけの時間を確保できることは通常はあり得ませんので、前向きに捉えることが必要だと思います。

子供のモチベーションを保つことは大変だと思いますが、最も安心して過ごせる自宅での時間を有意義な受験勉強の時間に変えて、受験が終わってから「あの時期の勉強が力になった」言えるようになることをお祈りいたします。

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テストの意外な活用方法

塾のテストでは、試験会場に私立中学の校舎を選べる(希望を出せる)場合があります。

その際に受験候補の学校を選ぶと、受験本番のシミュレーションになるだけでなく学校見学も兼ねられるのでお勧めです。

もちろん私立中学を受験する場合になりますが、塾で受ける試験とは別の緊張感を体験する意味では、東葛中の検査対策になるかもしれません。

東葛中の場合、学校見学の機会は文化祭以外にほぼありませんし、文化祭でも中学の教室は見学できないと思いますので、実際の教室は入学するまで見ることができません。

但し、実際の検査は高校の教室を使いますので、そのような視点で文化祭を見学しても良いと思います。

その点で、私立中学は学校説明会や文化祭などの公開も積極的な学校が大半ですし、見学に協力的な生徒も多い印象です。

私立と公立の違いと言えばそれまでですが、市立の公立中学でも6年生の体験会や交流会のようなものはやっていますので、今後は東葛中も入学希望者に対してもっとオープンにして、学校の魅力を発信していっても良いのではないかと思います。

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本番1年前の貴重な体験

受験1年前の実際の試験日は、同じ時間に受験会場まで足を運んでみても良いと思います。

もちろん本当の受験生の邪魔にならないような配慮は必要ですが、実際の起床時間や移動時間、電車や学校までの混み具合、本番の雰囲気などを体感できる絶好の機会です。

東葛中の検査の場合、学校周辺での塾の見送りが禁止されていますので、テレビでよく見るような激励やのぼりを立てるような光景とは趣きが違います。

校門も6号側が封鎖されるため、駅反対の正門からしか入れませんので、柏駅からも結構歩きますし、一次検査はそれなりに受検者数がいて途中から歩道も狭いため、受検生で少し混みます。

もっと受験者数が多い学校になると、駅から受験者渋滞が発生して、想定以上に学校まで時間がかかる場合もあるそうです。

我が家は東葛中の一次検査だけですが、実際に東葛まで足を運びました。

東葛中の検査日は基本的に土曜日ですので、小学校を欠席する必要もありませんし、我が子も実際の検査の緊張感を体験できて良かった、という感想でした。

最難関の私立中学を目指す場合は、同じ時間に模試が開催されることもあるようですが、第一志望がある程度決まっている場合は、このような体験をしても良いと思います。

5年生の冬だと、まだ子供の意識も高い状態ではないと思いますので、本人のモチベーションを高める効果も期待できるかもしれません。

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理科の勉強での気付き

理科の受験勉強を進める中で気付いた、今の小学校の授業の問題点とその対策、理系の思考方法の特徴の2点について触れたいと思います。

理科は学校の授業や実験でしっかり覚えれば大丈夫だと考えていましたが、それは違いました。

今の小学校の理科の授業は、私が子供の頃と比べると実験がかなり少ないのです。

例えば、気体発生の実験も殆どやらず、特に危険な物質を扱う実験は皆無のようで、二酸化マンガン過酸化水素水を混ぜて酸素を発生させるようなメジャーな実験を体験していないことは驚きでした。

我が子は、理科の中でもとりわけ得意だったのが生物でしたが、力学や化学反応(水溶液や気体の発生)などはやや苦手でした。

当初は、力学や化学反応は計算を伴うため苦手なのかと思っていましたが、それだけではないことに後から気付きました。

得意分野と苦手な分野をよくよく考えてみると、実際に見たり体験した分野が得意で、それらをできていない分野が苦手なのです。

我が子に聞いてみても、体験していないことやテキストの説明だけでは、動いている状態をうまくイメージできていないようでした。

更に深掘りして考えてみると、体験していなくても頭で映像化してシミュレーションできるタイプとそれが苦手なタイプと、2タイプいるのではないかと思うようになりました。もちろん、大人と子供の経験値の差もあると思います。

調べてみると、これはメンタルローテーション(心的回転)という能力で、図形や規則性の問題とも関連があるようです。

例えば、地図を読むことが苦手であったり方向音痴の場合は、メンタルローテーション能力がないタイプなのだそうです。

物体の運動の場合、私であればその物体が動く様子を頭の中に映像化して物体を動かしてシミュレーションするのですが、我が子の場合は頭でシミュレーションする発想自体あまりないようです。

苦手な算数も同じで、流水算のように流れる川で船が行き来する問題も、私であれば船が動く様子を頭の中でシミュレーションして問題を考えますが、我が子はそれができていないようです。

その対策として、理科で苦手な分野は、YouTubeなどの実験映像を見せたり、実験に模型を作ったりして、言葉ではなく具体的に体験させて説明しました。

他にも、実際に夕立があった時の風や気温の変化と理由を説明したり、月の満ち欠けや星座の動きを実際に月や星座を見ながら何度も説明しました。

物体の運動やテコの問題も、きちんと絵を描いたり矢印を書き加えることを教えました。

実際の東葛中の一次検査でも、南半球から見た月の満ち欠け問題が出ましたが、そこは良くできたようです。

苦手な算数も、流水算や速さと比の問題であれば、線分図などの絵をちゃんと書いて、問題文を実際の絵に変換してイメージしやすくする作業を徹底させました。

これらの対策によって、少しは理解度が増したり、知識としての定着も進んだように思います。

話は少しそれますが、数学の天才タイプには、計算式だけで自然や宇宙の摂理まで想像できてしまう人たちがいます。

一方で、我が子は読書が好きで、文章を感情に変換するのは得意なようです。

もしかしたら、理系と文系の違いはそんなところにあるのかもしれません。

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算数底上げのアドバイス

算数の基本的な勉強は塾にお任せでしたが、不得意な算数の底上げのために私からアドバイスしたことを2点あげます。

1点目は計算過程をきれいに書くこと、2点目は「=」の正しい考え方です。

1点目の計算過程をきれいに書くことの目的はミスの防止で、理想の書き方はテキストなどの解答の解説です。これについては、何度も指導しました。

我が子のテスト結果を分析すると、計算をあちこちに書いたり汚く書くことで起こる計算ミスが結構ありました。算数は基本問題をしっかり取る作戦でしたので、計算ミスは致命傷になりかねません。

そろばんや公文をやっていた訳でもありませんので、暗算が得意でもありませんし、計算が早い訳でもありませんが、多少手間がかかっても、一つひとつの計算を丁寧に時系列で書くことでミスを防ぐことを教えました。

計算過程をきれいに書くことは、後からの見直しにも役立ちます。本番の入試では見直しの時間はほぼ無いと思いますが、尚更きれいに書いて一発で正しい解答を導き出すことは大切になります。

我が子には「数学は芸術だ」と教えました。数学(算数)は、計算過程をきれい書くことが大切で、特に数学が得意な人の解答は、とてもきれいで芸術的だと思います。計算過程をきれいに書くこととは少し違うかもしれませんが、数学は同じ問題に対して様々なアプローチの仕方があり、素晴らしい解答方法や公式は、シンプルかつ美しく芸術的なのです。

きれいに計算過程を書くことは、中学に入ってから学ぶ証明問題にも役立ちます。

それでも、我が子はちょっとした計算ミスを撲滅することはできませんでしたので、小さい頃に百ます計算などをしっかりやっておくことで計算の勘違いを無くすことができれば、後々自分を助けることになったのではないかと、今にして思います。

本番の東葛の検査でもあり得ないような計算ミスをしていましたので、あれで良く受かったな、というのが正直な感想です。

一つ残念なのは、東葛中の実際の検査問題は余白があまりなく、計算用紙も配布されませんので、きれいに計算過程を書くことに難があります。

数学に理解のある私立中学は、余白がたくさんあったり、計算用紙もありますので、千葉県の教育委員会には、子供達のためにもこの点を改善して頂くことを願います。

2点目の「=」の正しい考え方は、当たり前ですが「=」は左右の式が「等しい」という意味だということです。

1+1=2(1たす1は2)と小学校で習いますが、本当の意味は「1+1と2は等しい」つまり「=」は「は」ではなく「イコール」であり、正に等号なのです。

天秤に例えると、左右の式は吊り合った状態です。

このことをわかっておくと、比の計算や移項の理屈なども理解しやすいように思います。

移項については、中学で習う内容のため注意が必要ですが、「=」で左右の式が吊り合っていると理解すれば、左右の式に同じ数を足したり引いたり掛けたり割っても変わらない、という原理は特に私立向けに役立つと思いますので、個人的にはお勧めです。

但し、移項はマイナスの式の概念の理解も必要なため、温度計を使ってマイナスの世界を説明するなど工夫も必要です。

私は移項のテクニックも教えてしまいましたが、敢えて教えない塾もあるようですので、子供を混乱させないためにも、子供の理解力や教える時期の見極めと丁寧な説明が必要なことをご理解ください。

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