理系問題の気になる傾向
受験において過去問対策は必須ですが、理系問題の傾向が変化してきていると感じましたので、その傾向と対策について触れたいと思います。
我が子が受検した2020年の二次検査では、中学で学ぶ内容に関連した問題が2問出題されました。
1問目は、二つの商品の販売個数の関係を示す、いわゆる「つるかめ算」をグラフ化して二つの直線の交点を考える問題です。これはxとyを使った連立方程式の概念です。交点の意味することは何なのか?二つの直線で区切られた領域はどのようなことを意味するのか?を問う問題で、難問だったと思います。
2問目は、高地や圧力鍋の圧力や温度の問題です。これは圧力と体積と温度の関係を示すボイル=シャルルの法則です。高地でお菓子の袋が膨らんだり、無水調理ができる鍋のように圧力鍋の原理に興味を持ち理解していれば解けるかもしれませんが、こちらも比較的難問だったと思います。
過去にも、等速度運動と自由落下の関係を使った放物運動問題が出たことがありましたが、中学で学ぶ内容に関連する問題を一度に2問も出したのは今までになかったことだと思います。
当然ながら、中学の知識が無くても解けるように配慮されていますが、個人的には少し凝りすぎな印象です。
実際に今回の二次検査の平均点は、例年よりかなり低かったのではないでしょうか。
仮に公立高校の入試問題も同様の傾向だとしたら、大学入試改革を意識した問題に変化している可能性もあるように思います。
来年も同様の傾向が続くのかは不明ですが、千葉県立中学の問題作成の思想の中には、小学校で学んだことと中学・高校で学ぶこととの関連を示したり、実生活と学習の関係性をどの程度理解しているのかを試したいという思いがあるのかもしれません。
どこかの私立中学か塾の説明会で聞いた覚えがありますが、中学受験の問題は、学校からのメッセージでありラブレターなのだと言っていました。千葉県立中学に関しても、同様なのかもしれません。
これらの問題の対策は、なかなか難しいと思いますし、中学の領域まで学ぶ必要は無いと思いますが、日常で使っている生活の知恵や自然現象を科学的に説明するような親子の会話が役に立つかもしれません。
例えば、料理の「さしすせそ」の理由を浸透圧を使って説明したり、夏はジメジメして冬は乾燥する理由を飽和水蒸気量と気温の関係を使って説明するなど、大人にとって常識になっている生活の知恵や自然現象の理由を教えてあげると良いと思います。
少し話しはそれますが、東葛の学祭で、中学生の学習成果のプレゼンを見る機会がありました。自分達であるテーマを調査し分析して資料にまとめていましたが、そのような授業が多くなることを見越して検査問題を作っている部分もあると思います。
東葛中以外の私立でも、同様の授業をしているのを見聞きしていますので、東葛中だけが特別だとは思いませんが、企業も個人プレーよりもチームプレーを重視する傾向にありますし、日本の教育自体がチームで調査・研究をしたり、プロジェクトを組んで成果を出していくような方向に向かっているようにも感じました。
今の教育は、会社や研究室で資料を作って会議や学会で報告したりプレゼンするような訓練を、子供のうちから始めているのだという印象を持っています。
私の世代は、パワポを使っプレゼンするようなことを会社で学びましたが、今は学生の頃からそのようなスキルを身に付けていますし、中学生でも普通にパワポでプレゼンする時代です。
千葉県の検査問題では、グラフや表の読み取り問題が良く出ますので、我が家はそこまでできませんでしたが、会社の資料を使ってグラフや表の読み取りをしてみると、東葛中の受検勉強の良い練習になるかもしれません。
算数の勉強方法
我が子に関しては、算数の勉強に最も苦労し、最も時間を割きました。不得意な算数に対して、どのように取り組んできたのかを振り返ります。
偏差値(四谷大塚)の結果だけを見ると、たまに55を超えることもありましたが、3年間で大きな変化はなくほぼ50前後で、どうにかそのレベルを維持したという感想です。
東葛中の偏差値(合格確率80%)は60を超えていますので、算数だけ切り取ると非常に厳しい立場にありました。
しかし、地道な基本問題の繰り返しが偏差値には現れない力となり、受験本番の助けになったと今は実感しています。
ここで簡単に四谷大塚の組分けテストの仕組みを説明しておくと、テストは算数の配点が高く、それぞれ算数200点、国語150点、理科100点、社会100点です。
毎月開催され、四谷大塚以外の塾も参加する重要なテストの位置付けです。ちなみに、6年生の途中からは合不合判定テストに名前が変わり、配点も算数と国語各150点、理科と社会各100点に変わります。
何故算数の配点が高いのかは説明もされていないため謎ですが、中学受験業界では算数が重要とされていて、算数で大きな差が付くと考えられているからのようです。
実際に四谷大塚のテストでは、算数の配点が高いため算数の出来が全体の結果を大きく左右します。
例えば、算数の平均点が110点前後の場合、偏差値60を超えるには150点以上が必要になりますので、仮に他の教科の偏差値が60だとしても、40点差をカバーするには算数の底上げと、他の教科で補うことが必要です。
我が子の場合、塾の先生には150点以上取れる力はあると言われましたが、かなり厳しい壁でした。我が家としては平均よりも10点プラスした120点を第一目標に設定し、他の教科で不足分をカバーする戦略を立てました。しかし、実際に算数が120点を超えることは簡単ではありませんでした。
我が家にとっては、コンスタントに算数の偏差値が60を超えるような子供は、本当にモンスターのような存在でしたし、そんなモンスター達を相手に戦わなければいけない厳しさも感じていました。
四谷大塚の算数のテストの構成は、大まかには前半の基本問題と後半の応用を含んだ大問に分かれていて、前半の基本問題を取るだけで平均点に達する作りになっています。
我が子の目標の120点超えは、前半の基本問題を確実に取った上で、後半の大問でどれだけ加点できるかで決まりますので、基本問題を確実に解けるようになることが、とても重要になります。
後になって分かりましたが、実際の私立中学の問題も、最難関校以外はこのような問題構成になっていることが多いようです。
我が子も、家庭では基本問題の復習を中心に勉強しましたが、基本問題をしっかりやり続けて、確実な力を身に付けることの大切さに気付き、基本問題を何度も繰り返して勉強できたのは6年生になってからで、それが本番の入試結果にも活きてきたと今は思います。
しかし、特に4〜5年生の間は毎週のように習う単元が変わってきますので、新しいことを学びながら基本の振り返りもすることは、簡単でありません。
もちろん、応用問題にも対応しないと平均以上に得点を伸ばすことは難しく、基本問題の積み重ねだけでは得点としての成果が見えてくることはなかなかありませんが、それを根気強く続けて基礎を固めておけば、過去問などの具体的な対策にしっかり取組む段階で挽回も可能だと思います。
我が家の受験勉強を振り返ると、不得意な教科がある場合は、地道な基礎固めが後々大きな力を発揮する原動力となることを信じて、継続することが大切だと今更ながら気付かされています。
テスト結果の活用法
テストは過去を判定するものであり、未来の判定ではありません。しかし、しっかり振り返りをすることで未来の判定を変える材料にすることはできます。
その意味で、定期テスト(例えば四谷大塚なら公開組分けテストや合不合判定テスト)の振り返りは重要です。
もちろん重要なテストであり、我が家もついついテスト結果に一喜一憂してしまいましたが、本来テストは今後の戦略を立てるためのものです。
そして、親がすべきことは、テスト結果を分析して強み弱みの現状把握をし、狙いどおりできていないことに対して、どんな対策を打つか?、逆に何が狙いどおり上手くいったのか?を考えたり確認することだと思います。
我が家の場合は、解けなかった問題を以下の3つに分類しました。
①正答率40%以上=正解すべき問題
②正答率20〜40%=解説を読んだり先生や親に聞いて理解すべき問題
③正答率20%以下=解けなくて良い問題
(実際は志望校の難易度で分類の基準は変わると思います)
また、問題が不正解だった理由も以下の3つに分類できます。
Aミスや勘違い
B覚えたり確認すれば解ける
Cわからない
我が家の場合は、上記の分類をした上で「たられば」得点を加算し、伸び代を試算しました。
具体的には、①とAを足した得点と、更に②とBを足した得点を算出し、伸び代の偏差値が志望校の偏差値とどのような差になるのかを確認していました。
そうすることで、ミスを無くせば良いのか?、基本的な問題の正答率を上げれば良いのか?、もっと得点源を増やさなければいけないのか?などの対策を打つことができます。
我が家は、特に苦手な算数に関しては、①の正答率40%以上で解けなかった問題の理解と、Aのミスを無くすための対策に力を入れました。
問題別の正答率が出てくるのに一週間弱かかることが難点ですが、これらの分析をすることは、今後の対策だけでなく、仮に結果が悪かった場合も前向きな気持ちに切り替えることにも役立つと思います。
時間の限られる受験勉強の中で、これらの振り返りと対策をしっかりやり続けることは、簡単ではないと思います。
我が家も完全にできていた訳ではありませんが、これらの簡単ではないことをどれだけしっかりできたかどうかが、最後に大きな差となったり、揺るがない力となるのだと今でも思います。
受験勉強のために親ができること
当たり前ですが、親は子供の勉強の肩代わりはできません。親に求められるのは子供の勉強をマネジメントすること(単なる管理ではない)だと今にして思います。
そのマネジメント方法に正解はないと思いますが、反省も込めて我が家の試行錯誤を記しますので、少しでもヒントになればと思います。
先ず、家庭での受験勉強の日々の予定管理は殆ど妻頼りでした。妻のこのサポートがなければ子供の合格はかなり厳しかったと思います。
ここで言う予定管理とは、日々の家庭での受験勉強をしっかり進められるようにいつ何をやるのかを示し、結果を確認することですが、それは試行錯誤と苦労の連続でした。
試行錯誤は受験勉強の終盤まで続きましたが、今振り返ると最も大切なのは本人のモチベーションであり、次に大切なのは基礎をコツコツやり続けること、最後は見切り(完璧にする必要はないこと)です。それらを理解しリードしないと子供も付いて来られないのだと思いますが、それを親が粛々とやることの難しさは今でも感じます。
中学勉強は、大半の小学生にとって初めての受験勉強です。しかも、3年間もかけて受験のためだけの勉強をすることは人生でも特別な取組みになります。
一方、親は受験勉強を複数回経験済みの場合が少なくないと思います。その経験の差が親と子の大きなギャップとなり、そのギャップが受験勉強を苦行に変えてしまう要素の一つだと今にして思います。
子供のモチベーションを保つため、私も「集中しろ」「受験は戦いだ」「必死にやれ」「誰のための勉強か考えろ」などといろいろ鼓舞しましたが、肝心の本人の心にはあまり響いていなかったかもしれません。我が家では子供にとっても親にとっても中学受験は初めての経験であり、浪人も不可能ですので、一発勝負への力みもあったように思います。
4年生の前半は、四谷大塚の進学くらぶで通信のみの勉強でしたが、この頃の予定管理が一番大変でした。
進学くらぶは、通塾と同様に毎週の週テスト(その週の単元の振り返り)と月次の組分けテスト(月の振り返り中心、結果でクラス分けがある)に合わせて映像受験やテキストの予習シリーズを進めていくのですが、週末のテストに向けた勉強がなかなかはかどらず常に後手の状態でした。
一週間で前の週のテストの復習と週末のテストの予習が必要になりますので、しっかり予定を決めて進めることが大切です。更にその予定にはランダムに出る学校の宿題や定期的な習い事も組み込む必要があります。
しかし、特に苦手の算数に時間を取られて他の教科に手が回らないなど、負のスパイラルに陥っていましたので、その状態を打破すべく、4年生の夏から一番手こずっていた算数のみ通塾を始めましたが、劇的な改善には至りませんでした。
決めた時間に勉強する習慣が身に付いていれば良いのですが、実際は予定を守ること自体が大変でした。予定が守れていなければ、家にいる妻がそれを促す役目をしなければなりません。
仮に決められた時間に勉強したとしても、結果を確認すると宿題の漢字書取り(覚えているかどうかは関係ないただの作業)に大きく時間を割いていたり、問題の理解に手間取ったりして、理科や社会が手薄になることもしばしばでした。(得意の国語は漢字や語彙のみ)
また、勉強が終わった後の進捗チェックも妻の役目となることが多く、家事の合間にそれらをこなすことは相当なストレスだったようです。
やらされ感も良くないと思い、子供に予定表を作らせてみても上手くいかず、妻が予定を考えても上手くいかず、子供なりに予定を守れない、集中ができない理由はあったのでしょうが、いわゆるモチベーションを保てなかったことが最大の原因だったと思います。
モチベーションを保つには、はっきりとしたゴールやありたい姿を本人がイメージし、それを実現するための強い意志を持つことが必要だと思いますが、所詮小学生ですので、いくら親がアドバイスしたところで難しいのが現実だと思いますし、それができる子供は一握りだと思いますので、殆どの親子がぶつかる壁なのだと思います。
その壁を乗り越える策は特に示せませんが、そういうものだと理解しておくことが精神衛生上も良いように思います。
もちろん塾もそれらの役割をしたりアドバイスもしてくれますが、全科目通塾になった後もサポートは必要でしたし、塾にお任せだけで上手くいく程、中学受験は楽な道ではないと思うのが、正直な感想です。
受験勉強の3年間の内容は大まかに2つに分かれます。4〜5年生で全ての単元を終えて、6年生はその振り返りと実践的な問題に入ります。
4〜5年生でも応用問題はやりますが、特に苦手科目の場合は、基本問題をコツコツやり続けることが大切だと思います。苦手科目なだけにコツコツやること自体大変ですが、苦手を補う(克服ではない)にはこれしかないように思います。
この段階で大切なのは、完璧にする必要はないということです。何故なら、忘れていることを前提に6年生でまた確認するからです。つまり、4〜5年生の間は理解しきれていなくても深追いしない、つまり見切ることも必要だと思います。
6年生になると、細かい単元の得手不得手もわかってきますので、ポイントを絞って補うことは必要ですし、夏以降はどのような順番やスケジュールで過去問を解くのか、模試の振り返りはいつやるのかなど決めることも多く、そこに特別講習が加わると更に複雑化するため、予定表を作り実行していくことは大変でした。
我が家では妻が試行錯誤しながら週間や月間で予定表を作り、私や我が子とも相談しながら予定を決めていましたが、ある程度予定どおり回り出したのは本人の意識が高まった6年生の夏以降だったと思います。
他にも、過保護だったかもしれませんが、塾でやった演習問題や宿題のプリントは殆ど親が整理していましたし、我が子が受験勉強に集中できるよう注力しました。
受験勉強のマネジメントとは、一緒に目指す方針を決め、時には親が子供のマネージャーとなり、スケジュールを作ったり確認し修正しながら、子供が最大のパフォーマンスを発揮できる環境づくりをして、子供が最後に良い結果を出すことを信じ続けることなのだと思います。
とは言え、一緒に暮らす親子ですので、テストの結果にも一喜一憂してしまいますし、ついつい口出しもしたくなります。私と妻の両方から同時に責めないように配慮して、逃げ場を作ることも意識したつもりですが、実は塾や学校が逃げ場だったのかもしれません。
受験勉強に家族で取組むことはとても大変なことですし、一番大変なのは受験生である子供自身ですが、最後の奇跡はこのような積み重ねで起こせたのかもしれません。
親子の会話のすすめ
東葛中の対策だけでなく、私立の対策としても親子の会話をおすすめします。
会話と言っても、単なる日常会話ではありません。ニュースで取り上げられている社会問題や政治問題、特に父親や母親の仕事の話をしてあげてください。
私の場合は、特に6年生になってから意識的にこれらの内容を会話していましたが、これは、もっと早くから話していれば良かったと後から気付いた反省も込めています。
仕事の話は、仕事の細かい内容よりも、ご自身の務め先や働く業界でどのような課題を抱えていて、それについてどのような議論がされているのか、具体的にどのような取組みがされているのか、もしくは取組もうとしているのかを、それらの背景も含めて説明することが良いと思います。
これは、社会の時事問題対策に役立ちますし、国語の論説文対策にも役立ちます。特に論説文に関しては、子供たちが初めて知るようなテーマもよく出ますので、大人しかあまり知らないテーマに普段から接しておくことで、本番で動揺しないための訓練にもなります。
例えば、今回我が子が受けた2020年度の一次検査では運輸業界の課題やSDGsに絡めた問題が出題されました。特にSDGsについては、必ず出ると子供に何度も話していたテーマでした。
2020年度からは道徳問題が姿を消してしまったため、今後道徳問題は出ないかもしれませんが、SDGsに関連する多様性と相互理解の大切さについては、東葛中の授業にも必要な要素だと思いますので、意識的に話していました。
以前はファーストペンギンが取り上げられたこともありましたので、ビジネス書で人気となっているテーマも良いと思います。AIやIoT、MaaS(Mobility as a Service)などのテクノロジーの進化の可能性や課題については、今後も注目テーマだと思います。
受験勉強期間中は、どうしても勉強に関する会話が多くなりがちですので、息抜きになるかもしれませんし、副産物として親の仕事の理解にもつながると思います。
これらの会話を子供とする際は、そもそも何故それが課題になっているのか?の背景や理由を丁寧に説明することで、子供の理解も深まると思いますし、そもそもどうして?という疑問や視点を持たせることは大切だと思います。
もちろん、できるだけ子供が興味を引くような工夫は必要ですので、例えば、子供の生活の中のわかりやすい例に置き換えて話すと効果的だと思います。
東葛中の攻略法は?
東葛中の攻略法について考えてみます。
検査問題を攻略するには、検査問題と子供の特性の両方を知ることが必要です。
そして、検査問題の特性を知るには過去問を解いてみることが一番です。但し、子供にいきなり過去問を解かせてはいけません。塾からは6年生の夏休みの後から過去問を解き始めるように指導されました。先ずは受検生の親ご自身が解いてみてください。
例えば、私自身が解いた際に感じたのは問題量の多さです。45分で解き終えるのは無理でした。私が全問をしっかり解くには倍の90分位必要な印象です。
そもそも、検査はボーダーが5割程ですし、満点を求めていないのだと思われます。公立校の「検査」という建前上、様々なタイプの子供が受けても解ける問題を幅広く用意することを意識し、解ける問題を選べるようにしているのだと推察します。
そこで考えられる対策は2つです。解くスピードを上げて時間をかけずに解ける問題の得点を積み上げるか、得意な分野でしっかり得点するかです。我が家は前者を選択し、私立向けの勉強でスピードを鍛えました。もちろん私立併願を考慮した戦略でもあります。得意科目でない場合は苦行のような地味な努力の積み重ねになりますが、受験勉強終盤にはボディーブローのように効果が出てくる筈です。
次に現状把握、つまり受検する子供の強み弱みを知ることが大切です。子供の強み弱みを把握する一番良い方法は模試です。できれば、東葛中よりも難易度が高い学校(いわゆる難関校・最難関校)を目指す層もたくさん受ける模試の結果で現状把握することが良いと思います。
そして、ざっくりと文系なのか理系なのかを把握します。
仮に文系理系で強み弱みがはっきりしている場合、強みを伸ばすことと弱みを補うことの両面が必要になりますが、メリハリも必要です。科学的には強みを伸ばす方が効率的なことが証明されていますが、テストは満点以上取れません。仮に同じ10点上げるにも80点と50点では難易度が異なります。どちらに注力するかは、よく検討が必要です。仮に得意な科目に注力するとしても、分野を細分化すればバラツキも見えてきますので、そこは補うことが必要です。
我が家の場合は私立受験も考慮しての対策ですが、我が子は文系が強みの一方で理系、特に算数が弱みでした。そして、弱みの理系を補う戦略を選択しました。但し、弱みを補うのであって弱みの克服ではありません。先ずは安定的に算数で平均点を上回ること、上手くいけば偏差値55前後(参考に東葛中の偏差値は四谷大塚で62程で合格者層の算数平均偏差値は60以上です)を目指しました。
具体的な問題への対策は、早い時期から取組む必要はありません。問題傾向が変わる可能性もありますので、6年生になるまでは地道な基礎固めが大切だと思います。
細かい過去問への対策は後で述べようと思います。
得点開示請求からみる合格最低点
東葛中の得点開示請求をしました。千葉県では直接学校に得点と内申書の内容を確認に行くことができます。
我が子の得点は、一次と二次の合計で約190点でした。
一般的には200点程がボーダー(合格最低点)と言われているのですが、一次検査の誤記による18点一律付与問題がありましたので、我が家は合否のボーダーを210点程と想定し、二次検査以降は絶望感が漂っていたのですが、想定外にボーダーが低かったようです。
特に過去問を解く際はボーダーを知っておくことは非常に重要です。満点を取る必要はありませんので、ボーダーに届くために必要な勉強は何か?どんな順番で解くべきか?など戦略が立てられます。
残念ながら千葉県立中高一貫校は情報公開されていませんので、受検生が個々に得た得点開示情報は非常に貴重です。もちろん塾も生徒からの情報収集に必死です。
ネット上では東葛中の情報が無いため、千葉中の情報を調べてみました。2020年は男子約180点と194点、女子173点で繰り上げ合格したという情報があります。ちなみに2019年は男子200点ちょっと、女子205点で繰り上げ合格したという情報があります。これらの情報から、2020年のボーダーが170点余りで2019年が200点余りとすると、ボーダーが30点近く下がった可能性があります。しかも、東葛中よりも千葉中の方が偏差値(四谷大塚)で1〜2ポイント高いことから、東葛中のボーダーは更に5〜10点位低いと仮定すると、2020年の東葛中のボーダーは160点台の可能性もあると思います。
通説では、一次と二次のボーダーがそれぞれ100点で合計200点程でしたが、今年から二次検査の問題傾向を大きく変えた影響で苦戦した子供が多く、2-1(理数系)と2-2(国語)共に二次検査の平均点が下がり、ボーダーが30点も下がったのではないかと推察します。
但し、某塾の自己採点ですが一次検査を80点前半で通過したというネット情報もありますので、一次と二次共に難化してボーダーが下がった可能性はあります。
実際には、小学校の内申点と面接点が加算されますが、合格者層はあまり差が付かないと塾からは聞いています。
個人的には、200点満点で合格者が3〜4割しか得点できないテストよりも、合格者が6〜7割得点できるテストの方が、子供の才能をしっかり見極められると思いますが、千葉県の意図は少し違うようです。
東葛中と千葉中共に入学者数が少なく、個人特定につながる可能性もあることから、具体的な得点情報や受検に取り組んだ情報がなかなか出てきませんが、貴重な情報ですので今回の得点も実数ではありませんが敢えて掲載しています。
千葉県立の中高一貫校は、12月上旬の一次検査から1月末の二次検査の合格発表に繰り上げまでの日数を加えると約2ヶ月間の非常に長い検査期間になります。その間に受検する親子が受けるストレスもかなり多いと思います。実際に我が家はそうでした。
今後はこれらの情報がもっと公開されるようになると、いろいろ予測や検討もしやすくなり、親子の受けるストレス軽減につながると思いますので、情報開示がもっと進むことを期待します。
東葛中の合格者層
東葛中にはどのような受験勉強をしてきた層が合格しているのでしょうか?
結論から言うと、東葛中を押さえ校(第一志望ではない)として受検し合格している層がかなりいることが、塾別の合格者数の推移から推察できます。
東葛中だけでなく千葉中も同様で、一説には定員80名に対して実際はその1.5倍の120名程が合格していると言われています。(最終合格者数は公式発表されていません)
2020年1月31日の二次検査の合格発表から入学確約書提出の締切日に発表された塾別合格者数が最初の80名に含まれる合格者であることは間違いありませんので、最終的に何名の合格者まで増えたのかを調べれば繰り上げ数(希望の私立に合格した辞退者数)がある程度推察できます。
【2月3日夕方時点、入学確約書締切日】
市進学院や栄光ゼミナール等は未発表
【2月26日時点】
市進学院 東葛飾58名 千葉27名
栄光ゼミナール 東葛飾11名 千葉6名
誉田進学塾 東葛飾0名 千葉8名
2月3日時点で発表のあったSAPIX、早稲田アカデミー、日能研の合計で比較すると東葛飾は19名→31名で1.63倍、千葉は40名→79名で1.98倍にもなります。上記の8つの塾の最終合計は東葛飾117名、千葉120名です。それぞれの塾に通う重複もあるとは思いますが、少なくとも定員の1.5倍以上の合格者がいる可能性は高いように思います。
これらの結果から推察されることは、東葛中や千葉中で合格を掴んでいるのは我が子のように私立向けの受験勉強をしてきた層がかなり含まれている、私立組が有利だということです。
これは、私が塾で聞いた情報やネットで収集した情報とも一致しますので、ほぼ間違いないと思っています。
私立組が有利になっている理由はいくつか考えられますが、大きくは2つだと思います。1つ目の理由は、一般的に公立組は一年遅れで通塾する場合が多いのですが、その一年間の勉強量の差を結局埋められていないのだと考えています。積み重ねた勉強量の差は嘘をつかないということです。2つ目の理由は、千葉県の検査の問題量の多さです。この問題量に対応するには、問題を解くスピードが必要になります。問題を解くスピードについては、才能もあると思いますが日々積み重ねた勉強量に比例すると私は思っています。例えば、我が子は算数が得意な方ではありませんが、問題を解くスピードは3年間でかなり早くなったと思います。東葛中の過去問も私は時間内で解くことができませんが、我が子は最後までたどり着くスピードを身に付けていました。しかも、最近は問題傾向がかなり私立寄りになってきましたので、私立組有利の傾向は今後もっと強まるように感じています。
我が家の場合は、その傾向を最初から感じていたこともあり新4年生から私立向けの受験勉強を始めました。
もちろん公立中高一貫校に絞って新5年生から受験勉強を開始しても勝ち目が無い訳ではありませんし、それで合格している子供は少なからずいます。対策は、全問正解の必要はありませんので、解ける問題を全て解き終えられるだけのスピードを身に付けることだと思います。例えば、算数であれば日々の基本問題の繰り返しであり、国語であれば読書をすることになると思います。
塾のメリットとデメリット
通塾して感じた最大のメリットは嫌でも勉強が進行していくことと、孤独な戦いではなくなったことです。
算数だけの通塾でしたが、家庭で毎週のテストに合わせて予習復習のサイクルを回すことが悩みの種でしたので、塾にテストの予習を任せて、家庭では定期テストに向けた復習に専念し、以前よりは予習復習のサイクルが回るようになったと思います。(塾でも復習しますが、授業時間以外での復習は必要で、復習をやり切れない部分は最後まで課題に残りました)
妻のストレスが劇的に減った訳ではありませんが、少なくとも塾に行っている時間のストレスは減りましたし、日々の勉強への関与も通信だけの頃よりは減ったと思います。
算数1科目だけの通塾スタートでしたが、一緒に切磋琢磨できる仲間と信頼できる先生にめぐりあえたことは良かったと思います。(最初の頃は?な先生もいましたが、いつの間にかいなくなりました・・・)また、勉強方法について相談できる先生がいることや、勉強以外の情報(例えば、併願私立校の選定方法や過去問への取り組み方など)を得られることも良かったと思います。テストを塾で受けるようになったため、場慣れすることもできたでしょうし、定期テスト後のクラス分けをリアルに体感するため、成績の良し悪しの実感にもつながったと思います。
通塾のデメリットは、費用が増えることはもちろんですが、往復に時間を奪われることです。帰りが遅くなるため迎えに行くことも必要になりますし、子供の睡眠時間も減ったように思います。また、余程しっかりした子供以外は復習などの家庭のサポートは必要になると思いますので、塾に過剰な期待はしない方が良いと思います。
東葛中二次検査まで約2年半通塾しましたが、算数の偏差値だけを切り取ると、劇的な成果は得られませんでした。そのため、本当に通塾を続けるべきかどうかはよく妻とも議論しましたが、100%通信のフォロー体制を家庭で維持することは難しいという結論で通塾は継続し、徐々に科目を増やして新6年生の春からは全科目通塾に切り替えました。
算数については、通塾せずに通信一本でその成績を維持できたのかどうかは今でもわかりませんが、通塾することで継続的に勉強するペースが作れましたし、通信だけでやるよりも勉強量は増えたように思います。また、通信だけでは得られなかった情報や環境はあったと感じていますし、家庭内のストレスや負担が限界に達しそうでしたので、そこは評価すべきと考えています。
東葛中に我が子が合格して感じたことは、勉強量は裏切らないということです。塾によって勉強量は違いますが、同じ小学校で東葛に受かった子供と受からなかった子供の差は、地頭というよりも勉強量の差のように感じます。
印象的なのは、我が子の同級生に聞いた話です。他の塾に通い東葛中を目指している他の同級生が塾のない日は遊んでいたりするのを知っていたため、うちの子供がいつも勉強していることが不思議だったのだそうです。結局それらの同級生は一次検査だけ通った子供もいましたが、二次検査の壁は突破できなかったようです。受験勉強は地道な努力の継続が力の差として表れるように感じます。そして、その努力を継続できる環境作りが親にできることなのだと思います。
塾と通信のダブルスクール
我が家は、通信教育一本から、教科を分けて通塾と通信教育のダブルスクールに途中から切り替えました。その選択に至った経緯を振り返ります。
通信の進学くらぶの内容には比較的満足していましたし、あのカリキュラムを全てやり切ることができればかなりの学力が付くと思いますが、親のサポートや子供の自主性がないと全てをやり切るのは難しいことに加え、我が子の最大の課題は算数でした。我が子は典型的な文系タイプで、特に国語は放っておいても比較的良い点数が取れていましたが、算数は苦戦し勉強も集中が持続しないようで、それが妻のストレスの原因になっていました。
父親の私は典型的な理系タイプですので、理系は私、文系は妻がフォローするように役割分担していたのですが、私が算数のわからない内容を教えることはできても、日々の進捗状況までフォローできず、結局はいつも妻に進捗管理を頼ってしまい、妻と子が負のスパイラルに陥っていたのです。そして、算数だけは家庭での管理に限界があると判断し、算数のみ通塾することを検討し始めました。
通信は継続しますので、通信のカリキュラムと平行しても違和感のない塾の候補をあげて、その中から選択することにしました。我が子も体験受業を受けたりして、その体験もふまえて決定したのがA塾です。塾にはそれぞれ個性がありますし、クラスの人数規模など違いがあります。A塾は一番我が家の方針や我が子とのフィーリングも合っていたようです。結果として合格することができましたので、当時の選択は間違いではなかったと信じています。
そして、4年生の夏頃から塾と通信のダブスルクールがスタートしました。忘れていましたが、その際に「進学くらぶ」から「予習なび」に切り替えしています。二つの主な違いは、週テストがあるかないかです。今思えば、毎週末の週テストへの対応に苦労していましたので、最初から月1回の組分けテストと予習なびでも良かったかもしれません。
また、進学くらぶや予習なびのメリットは、同じテキストやテストを利用している塾が多数あることもあり、我が家のような通信とのダブルスクールや通塾への切り替えが比較的容易なことです。
このようにして、塾と通信のダブルスクールが始まりました。
塾選びの前に決めるべきこと
塾選びはどの親も悩む問題だと思います。年間100万円前後の費用がかかることもありますし悩むのは当然です。
但し、塾と子供との相性が大切と言われますが、それだけで選ぶのは早計だと思います。先ず考えるべきは、何のために中学受験をするのか?その目的を達成するために必要なことは何か?を夫婦や子供とで話し合って方針を決めることが大切だと思います。
中学受験は長期戦ですし様々な困難が待ち構えていますので、目指す方向がしっかり定まっていれば途中で戦略が変わってもぶれずに進むことができますし、塾も志望校合格も目的ではなく手段ですので、情報収集と子供の特性分析ができていれば選択しやすいと思います。
我が家の場合は、子供が描いている目標を達成するために東葛中第一志望を決めましたが、万が一受からなかった場合も想定して、東葛でなくても目標を達成できる私立校という選択肢も残せる戦略を立て、その戦略に基づいて塾選びをしました。
また、東葛中受検を検討する場合は、是非ご自身で最新の過去問を解くことをお勧めします。解けばわかりますが、問題の難易度の高さはもちろん、問題量の多さに気付くと思います。そして子供がどのような環境でどのような勉強をすれば、これらの問題への対応力が身につくか、注力すべき分野は何なのかが見えてくると思います。全てを塾任せでも良いかもしれませんが、そこを親が理解しているかどうかで塾の選択や家庭のサポート方法が変わると思います。
塾選びは情報戦です。ネットだけでは分からないこともありますし、単純な合格者数だけで判断できません。塾のどんな層が合格しているのか(公立コースを用意していても結局は私立コースのトップ層が合格していることもある)、東葛向けの対策授業はあるのかなど、塾の先生や周りで通塾している方の話を聞くことでいろいろ見えてくることがあります。理由が不明ですが、かたくなに情報を開示しない塾もありますので注意が必要です。
そして、我が家のように公立中高一貫校が第一志望で私立併願を選択する場合は覚悟が必要です。公立と私立では問題傾向が異なるため、それぞれには不要な勉強も必要となり、勉強の難易度が上がります。例えば、私立向けに必要な語彙力や歴史は公立には不要ですし、東葛向けに必要な長文記述は大半の私立には不要です。
一方で、2020年から千葉県の問題傾向が大きく変化しました。2019年からその兆候はありましたが私立組有利が強まった印象があります。二次検査で最初の合格者の約半数が辞退している事実からも、結局は難関私立志望組との戦いになることが推測されます。また、公立志望の受験生を狙った試験を設ける私立も増加傾向にありますし、特待合格の可能性も僅かにあります。特待であれば実質的な学費が公立とあまり変わらない学校もあります。東葛中単願も効率が良いように思いますが、リスクが伴いますので、受験がどのような結果になっても様々な選択肢を残しておくことは意味があると思います。
塾の先生にお聞きした話しですが、仮に東葛中受検が残念な結果になり通常の公立中学に進学することになっても、選択肢がある状態で公立中を選ぶのと選択肢が無い状態で行くのでは、同じ結果でも本人の気持ちやその後のモチベーションが違ってくる、とおっしゃっていたのが印象に残っています。
塾なしは自分と孤独との闘い
塾なしの通信教育の選択は、自主性が必要となり孤独との闘いになります。
先ず、映像の通信教育の進学くらぶを受講して感じたのは、四谷大塚のテキストやシステムの完成度の高さです。大手塾はみな同様かもしれませんが、他の塾でもテキストやテストを利用しているのがうなずける内容だと思います。
テキストの予習シリーズもよくできていると思いますし、週テストの結果も通塾よりは遅くなりますが、発送して数日で発表になるスピードには感心しました。
進学くらぶの映像授業もよくできていて、本来であればトップ層の子供しか受けられない人気講師の授業を誰もが受けることができるため、コスパも高いと感じました。
しかし、塾なしで最も必要なのは受験生本人の自主性と根気強くやり続ける力です。所詮小学4年生ですので仕方ないのですが、一人で集中して計画的にやり切ることに非常に苦労しました。
日々のカリキュラムである予習なびに加えて、毎週末の週テストの対策と振り返りを日々しっかりやる必要がありますし、毎月の組分けテストも同様の対策と振り返りが必要になります。(今年からカリキュラムに変更があるようですので詳しくはサイトでご確認ください)そこに学校の宿題や習い事まで入ることを考えると、計画的に続けることの難易度が上がります。
勉強の計画や進捗管理は殆ど妻に任せてしまっていたのですが、我が子が集中できず予定が遅れる→妻が怒る→子供が嫌々やる(時にはやったふりをする)ため予定が遅れる→妻が怒る、という負のスパイラルに陥り、家庭の雰囲気も悪化して、子供だけでなく妻の精神状態も非常にまずい状況になってしまいました。単に量を書かせることを目的とした時代遅れの学校の漢字宿題などは、今でも恨めしく思えます。
あまりにも大変でしたので、思い切って干渉せず放置したり、逆にガチガチに管理したり、勉強場所を妻の目の届く場所にしたり、自分の部屋にしたり、試行錯誤しましたが結果はなかなかうまくいかず、組分けのクラスも上と下を行ったり来たりしていました。
進学くらぶは通塾と比べると費用も魅力的だったのですが、我が家には合わないのではないかと考えるようになり、夏頃には通塾を検討するようになりました。
塾なしスタートの中学受験
中学受験は、どのように受験勉強を始めるのかを考えることから始まりますが、我が家は通塾せずに通信教育から始めることを選択しました。
我が家が中学受験を意識したきっかけは、2016年の東葛飾中学開校でした。
当時は我が子もまだ小学2年生。「行けたらいいね」程度の認識でしたが、中学受験は一般的に小学3年生の2月頃(新4年生春)から通塾することを知り、東葛中を目指すにはどのような方法があるのか調べたり、夫婦で中学受験について話し合うようになり、中学受験の意識も高まってきました。
子供にも中学校の進学先の選択肢を説明し、地元の公立中学以外に公立や私立の中高一貫校で学ぶ選択があること、受験するなら受験勉強が必要になることは理解したようで、特に東葛中の授業スタイルに興味を示していて東葛中受検には前向きでした。
公立中高一貫校の受験勉強を始める前に決めるべきことは、公立一本に絞るか、私立併願も選択肢に含めるかです。それによって受験勉強の開始時期や勉強方法が変わります。
開始時期は、公立中高一貫校に絞るのであれば新5年生の春からでも遅くないが、私立併願も視野に入れるなら新4年生の春から開始しないと後からでは追い付くことが困難になってしまうと一般的に言われています。
勉強方法は、一般的な通塾か、自宅での通信教育もしくはいわゆる親塾。
目指す東葛中は、倍率が10倍以上で合格難易度が高く、受験勉強に費やした時間と労力が全て無駄になることもリスクが高過ぎると考え、私立併願の方針で新4年生からの受験勉強開始を決定しました。
勉強方法は、通塾するか塾なしにするか悩みましたが、最初から通塾するのではなく「塾なし」を中心に検討を始めました。
塾なしの選択肢に考えたのは2つ。Z会のような自習と添削中心の通信教育か、四谷大塚の映像授業を中心にした進学くらぶでした。
我が家が選択したのは四谷大塚の進学くらぶ。その理由は、映像授業ではトップクラスの塾講師の授業を受けられる点と週テストや組分けテストを通塾と同様のカリキュラムで受けられる点でした。
そして、4年生の4月から進学くらぶを始めましたが、それが我が家の約3年間の苦行と苦難の始まりでもありました。
あきらめムードの合格発表から歓喜の東葛中合格
東葛中の二次検査(特に理数系)の出来が壊滅的で、試験からの約一週間は憂鬱な日々を過ごした我が家。
運命の合格発表を迎える1月31日は、一次検査同様にネットではなく直接自分の目で確かめたいという子供の意思を尊重し、朝9時の合格発表に合わせて東葛へ出発。
足取りは重く、合格発表時間よりも少し遅れて柏駅から東葛に向かう。
既に発表を見たのであろう親子数組とすれ違い「受かったのかなー?」とか思いながら東葛に到着。
このご時世、朝から合格発表を見に行く人は少ない。着いた時は殆ど人もいなく、一次検査と比べても明らかに番号の密度が少ない紙が張り出されているのが目に入る。わかっていても「これだけ?」という少なさ。
期待半分で番号を探していると、子供から「あった!」の声。
「えっ?どれ?」と半信半疑で番号を探すと「ここだよ」と教えられた先には何度も反復して覚えた番号が確かにある。
「やった、奇跡だ!」親子3人で、しばらく喜びを分かち合いました。
子供の3年間の努力と家族の苦悩(苦行)が報われた瞬間でした。
最後に子供の入学意思を確認した後、学校で入学手続きの説明を受け、諦めムードだった行きとは一転して軽い足取りで帰路に着きました。
長かった合格までの道のりを記録するためと、今後中学受験に挑む誰かのために役立つかもしれないという思いを込めて、これまでの取り組みや考察をブログでつづろうと思います。