東葛中合格への道

2020年東葛飾中学合格。家族で挑んだ初めての中学受験3年間を父親目線で振り返る。入学後の情報も更新中。

受験勉強のために親ができること

当たり前ですが、親は子供の勉強の肩代わりはできません。親に求められるのは子供の勉強をマネジメントすること(単なる管理ではない)だと今にして思います。

そのマネジメント方法に正解はないと思いますが、反省も込めて我が家の試行錯誤を記しますので、少しでもヒントになればと思います。

先ず、家庭での受験勉強の日々の予定管理は殆ど妻頼りでした。妻のこのサポートがなければ子供の合格はかなり厳しかったと思います。

ここで言う予定管理とは、日々の家庭での受験勉強をしっかり進められるようにいつ何をやるのかを示し、結果を確認することですが、それは試行錯誤と苦労の連続でした。

試行錯誤は受験勉強の終盤まで続きましたが、今振り返ると最も大切なのは本人のモチベーションであり、次に大切なのは基礎をコツコツやり続けること、最後は見切り(完璧にする必要はないこと)です。それらを理解しリードしないと子供も付いて来られないのだと思いますが、それを親が粛々とやることの難しさは今でも感じます。

中学勉強は、大半の小学生にとって初めての受験勉強です。しかも、3年間もかけて受験のためだけの勉強をすることは人生でも特別な取組みになります。

一方、親は受験勉強を複数回経験済みの場合が少なくないと思います。その経験の差が親と子の大きなギャップとなり、そのギャップが受験勉強を苦行に変えてしまう要素の一つだと今にして思います。

子供のモチベーションを保つため、私も「集中しろ」「受験は戦いだ」「必死にやれ」「誰のための勉強か考えろ」などといろいろ鼓舞しましたが、肝心の本人の心にはあまり響いていなかったかもしれません。我が家では子供にとっても親にとっても中学受験は初めての経験であり、浪人も不可能ですので、一発勝負への力みもあったように思います。

4年生の前半は、四谷大塚の進学くらぶで通信のみの勉強でしたが、この頃の予定管理が一番大変でした。

進学くらぶは、通塾と同様に毎週の週テスト(その週の単元の振り返り)と月次の組分けテスト(月の振り返り中心、結果でクラス分けがある)に合わせて映像受験やテキストの予習シリーズを進めていくのですが、週末のテストに向けた勉強がなかなかはかどらず常に後手の状態でした。

一週間で前の週のテストの復習と週末のテストの予習が必要になりますので、しっかり予定を決めて進めることが大切です。更にその予定にはランダムに出る学校の宿題や定期的な習い事も組み込む必要があります。

しかし、特に苦手の算数に時間を取られて他の教科に手が回らないなど、負のスパイラルに陥っていましたので、その状態を打破すべく、4年生の夏から一番手こずっていた算数のみ通塾を始めましたが、劇的な改善には至りませんでした。

決めた時間に勉強する習慣が身に付いていれば良いのですが、実際は予定を守ること自体が大変でした。予定が守れていなければ、家にいる妻がそれを促す役目をしなければなりません。

仮に決められた時間に勉強したとしても、結果を確認すると宿題の漢字書取り(覚えているかどうかは関係ないただの作業)に大きく時間を割いていたり、問題の理解に手間取ったりして、理科や社会が手薄になることもしばしばでした。(得意の国語は漢字や語彙のみ)

また、勉強が終わった後の進捗チェックも妻の役目となることが多く、家事の合間にそれらをこなすことは相当なストレスだったようです。

やらされ感も良くないと思い、子供に予定表を作らせてみても上手くいかず、妻が予定を考えても上手くいかず、子供なりに予定を守れない、集中ができない理由はあったのでしょうが、いわゆるモチベーションを保てなかったことが最大の原因だったと思います。

モチベーションを保つには、はっきりとしたゴールやありたい姿を本人がイメージし、それを実現するための強い意志を持つことが必要だと思いますが、所詮小学生ですので、いくら親がアドバイスしたところで難しいのが現実だと思いますし、それができる子供は一握りだと思いますので、殆どの親子がぶつかる壁なのだと思います。

その壁を乗り越える策は特に示せませんが、そういうものだと理解しておくことが精神衛生上も良いように思います。

もちろん塾もそれらの役割をしたりアドバイスもしてくれますが、全科目通塾になった後もサポートは必要でしたし、塾にお任せだけで上手くいく程、中学受験は楽な道ではないと思うのが、正直な感想です。

受験勉強の3年間の内容は大まかに2つに分かれます。4〜5年生で全ての単元を終えて、6年生はその振り返りと実践的な問題に入ります。

4〜5年生でも応用問題はやりますが、特に苦手科目の場合は、基本問題をコツコツやり続けることが大切だと思います。苦手科目なだけにコツコツやること自体大変ですが、苦手を補う(克服ではない)にはこれしかないように思います。

この段階で大切なのは、完璧にする必要はないということです。何故なら、忘れていることを前提に6年生でまた確認するからです。つまり、4〜5年生の間は理解しきれていなくても深追いしない、つまり見切ることも必要だと思います。

6年生になると、細かい単元の得手不得手もわかってきますので、ポイントを絞って補うことは必要ですし、夏以降はどのような順番やスケジュールで過去問を解くのか、模試の振り返りはいつやるのかなど決めることも多く、そこに特別講習が加わると更に複雑化するため、予定表を作り実行していくことは大変でした。

我が家では妻が試行錯誤しながら週間や月間で予定表を作り、私や我が子とも相談しながら予定を決めていましたが、ある程度予定どおり回り出したのは本人の意識が高まった6年生の夏以降だったと思います。

他にも、過保護だったかもしれませんが、塾でやった演習問題や宿題のプリントは殆ど親が整理していましたし、我が子が受験勉強に集中できるよう注力しました。

受験勉強のマネジメントとは、一緒に目指す方針を決め、時には親が子供のマネージャーとなり、スケジュールを作ったり確認し修正しながら、子供が最大のパフォーマンスを発揮できる環境づくりをして、子供が最後に良い結果を出すことを信じ続けることなのだと思います。

とは言え、一緒に暮らす親子ですので、テストの結果にも一喜一憂してしまいますし、ついつい口出しもしたくなります。私と妻の両方から同時に責めないように配慮して、逃げ場を作ることも意識したつもりですが、実は塾や学校が逃げ場だったのかもしれません。

受験勉強に家族で取組むことはとても大変なことですし、一番大変なのは受験生である子供自身ですが、最後の奇跡はこのような積み重ねで起こせたのかもしれません。

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