東葛中合格への道

2020年東葛飾中学合格。家族で挑んだ初めての中学受験3年間を父親目線で振り返る。入学後の情報も更新中。

東葛中の過去問選び

東葛中(千葉県立中学)の過去問は3つの業者から出版されています。

私は勢い余って3つ全部購入してしまいましたので、それぞれの特徴と所見を述べたいと思います。

【声の教育社 声教の中学過去問シリーズ】

オレンジ色が目印の通称、声教です。過去問7年分で定価2,100円+税でした。

塾からはこちらを勧められました。その理由は解説が一番詳しいからだそうです。(問題と解答は公開されているため基本的にどこも一緒です)

実際の解説はやや詳しい印象がありますが、小問別ではなく大問を一つの流れとして解説しているため、ちゃんと読まないとどれがどの解説か分からなくなることがあり、注意が必要です。

我が家は利用しませんでしたが、解説動画も販売しているようです。

細かいことですが、欠点を述べると図や表がぼんやりしています。実際の問題をコピーしているのだと思いますが、印刷品質が少し気になりました。

我が子の答え合わせと復習用に利用しました。

【東京学参 中学別入試過去問シリーズ】

赤色が目印の通称、学参です。過去問9年分で定価1,850円+税でした。

確かにこちらの解説は声教よりも若干淡白かもしれませんが、遜色ないと思います。解答は小問別に分かれていますので、学参の方が見やすいと思います。

特徴は、印刷がクリアで一番見やすいと思います。回答用紙のダウンロードも可能です。

こちらは私が過去問を解いたり分析するのに使用しました。

【教英出版 入学試験問題集】

6年分の過去問が掲載され、定価2,800円+税で一番高額でした。

検査の年度毎に用紙が分かれていて、特徴のある製本方法です。バラバラにすれば、いちいちコピーしなくてもそのまま本番に近い状態で問題用紙と回答用紙が使えます。

最大の利点は、二次検査の聞き取り問題をダウンロードすることで、本番さながらのリスニングを再現できることです。

但し欠点もあり、二次検査の一部の問題の著作権を買い取れなかったようで、掲載されていない問題がありました。

他の出版社の問題からコピーして貼り付けて対応しましたが、過去問を解く前は事前確認が必要です。(他の業者でも同じことはあるようです)

過去問を解くだけなら最適だと思いますが、一部の問題が欠けている点と、解説も上記2冊と比べて淡白ですので、声教か学参との併用がお勧めです。

我が子が本番を想定して過去問を解く際はこちらを利用しました。

過去問への取り組み方

過去問の取り組み方法について、塾からは問題傾向が変わることもあるため、5年分で良いと言われました。我が子も5年分しかやりませんでしたがこれで充分だと思います。

上記以外にも、公立中高一貫校 適性検査問題集 全国版(通称、銀本)が有名なようですが、私立の勉強もあるため、我が子はそこまで時間は取れませんでした。

但し、今年から特に二次検査の傾向が変わりましたので、都立の中高一貫校などの問題に取り組むことは有効かもしれません。

また、最難関と言われる私立校の問題は記述も多いため、千葉県立中高一貫校の検査問題とも親和性が高いと思います。これは塾の先生も言っていました。これが東葛中や千葉中が最難関私立校の押さえ校として使われてしまう一因だと思います。

確かに、塾で武蔵中学の国語の過去問を我が子が解いた時は、かなり良い点数が取れたそうです。

過去問を解くのは6年生の9月からで良いと思いますが、塾や模試などの合間に過去問を解いて復習する時間を作ることは、結構大変です。

我が家は妻がスケジュール管理をして、私が採点や解説と、解くべき問題と解けなくて良い問題の指南をしました。

記述の採点が難しいのですが、千葉県の採点基準はかなり厳しいようです。我が子の場合も、特に二次検査の記述の採点がかなり渋かった印象です。

実際の採点の際も明確な基準は作っている筈ですので、千葉県からは今後解答だけでなく採点基準も公開してもらうことを期待します。

過去問の得点からの合否判断については、概ね50%の得点で合格と判定して良いと思いますが、年度により合否ボーダーのバラツキはありますので、以前書いた「得点開示請求からみる最低合格点」を参考にしてみてください。

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公立中高一貫校模試について

東葛中受検のために受けた公立中高一貫校向けの模試について、その内容と参考データとして我が子の結果も入れて、それぞれを振り返りたいと思います。

【市進学院 公立中高一貫校チャレンジ模試】

東葛中合格者数トップの塾が開催する模試のため受けておくべきと思い、6月の第2回を受けました。

問題内容は、理数社系の適正検査Iと記述系の適正検査IIの2種類のテストでした。

受験者数が非公開で、全体の平均点は116.6/200点、我が子は約140点の評価B(上位21〜40%)でした。東葛中志望者全体の何となくの位置はわかるのですが、受験者数や東葛中志望者の平均点などのデータもなく、合否判定もありませんでした。

市進生には詳しいデータが公開されているのかもしれませんが、問題の難易度も低い印象で、期待していただけに少し残念でした。

早稲田アカデミー 千葉中オープン模試】

東葛中が対象ではありませんが、本番の問題は東葛中も千葉中も一緒ですし、千葉中の判定は良い目安になるだろうと判断して、6月と9月に2回受けました。

問題内容は、放送問題と記述中心の適正Iと社会の適正IIと理数系の適正Ⅲの3種類のテストで、問題の難易度は比較的本番に近い印象ですが完全に再現はできていません。但し二次検査を想定した放送問題があるのはメリットだと思います。

受験者数と平均点は、6月が62名で126.6/300点、9月が91名で132.1/298点でした。

我が子は2回共に約150点で、合格可能性は両方共70%、判定は合格でした。

適正Iの記述は、千葉県の過去の出題方法と少し違っていて都立の中高一貫校の出題方法に近い印象でしたが、2020年から変わった千葉県の二次検査の記述には、逆に近付いた気がします。

【公立中高一貫校対策センター 公立中高一貫校模試】

10月の第4回を受けました。

問題内容は、理数系の適正検査Iと社会の適正検査IIと記述系の適正検査Ⅲの3種類のテストでした。

東葛中志望の受験者数と平均点は、60名で305.3/700点でした。

我が子は約410点で合格可能性はB判定(60%以上)でした。

余談ですが、塾の勧めもあり一度だけ10月に首都圏模試を受けました。(公立中高一貫校向けではありません)

東葛中志望者64名で、志望者の平均点は不明です。合格可能性80%でした。

中堅校向けの模試と言われていますが、見たこともない好成績になってしまいましたので、東葛中の判定にはあまり向いていない印象です。

全ての公立中高一貫校向け模試を受けた訳ではありませんが、受けた模試の受験者数や問題内容などを総合的に評価すると、東葛中受検に関しては完全に納得のいく模試はない、というのが正直な感想です。一次と二次で分けて、問題量や難易度を近づけた模試が理想ですが、大半が無料ですしそこまでやる必要性はないのかもしれません。

せめて東葛中志望者の大半が受ける模試があれば良いのですが、今のところはそれも無いようです。

特に夏を過ぎてからは、12月の一次検査に向けてスケジュール調整が大変ですが、様々な模試の中から必要な模試を選び、効率的に受けることは必要だと思います。

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東葛中の休校中の過ごし方

中学受験のテーマから少し離れて、東葛中の新1年生となった我が子が日々どのように過ごしているかについて、触れたいと思います。

もちろん、簡易的な入学式に参加して以来一度も登校していません。

勉強に関しては、オンライン授業の体制が確立していないため、学校のホームページから発信される課題に日々取り組んでいる状態であり、先生と何度か電話で話した程度でクラスメイトとの交流は皆無です。

当初はランダムに各教科の課題が降ってくる状態でしたが、途中からは1週間の課題がまとめて出てくるようになり、勉強の計画も立てやすくなり効率化されました。

先生もいろいろ試行錯誤と工夫をされているようですし、課題の量も増えたようで、少し忙しくなったようです。

教科も技術・家庭や体育などが増え、一部YouTubeの配信もあり、先生の動画を見ながら我が子と一緒に運動したりもしました。

市立中学よりは工夫しているように感じますが、オンライン対応が確立している私立の対応に比べると物足りなさは正直感じます。

学校側も本音はオンライン化を進めたいようですが、各家庭のリモート環境にバラツキがあり、導入を躊躇しているように感じます。公立校の対応力や柔軟性、スピード感の限界を露呈している印象はあります。

個人的な意見としては、多少金銭的に家庭の負担を強いることになっても今回を機に思い切ってオンライン化を進めて、どうしても対応できない家庭にだけ個別に支援する策が良いように思いますが、公立のジレンマなのかもしれません。

今のうちに、いつでもオンラインで授業できる体制を構築すれば、台風や積雪などの自然災害時も休校にする必要はなくなりますし、コロナだけでなくインフルエンザなどの流行に兆しがあればオンラインに切り替えて、先生も生徒も安心して授業を継続できるメリットもあります。

ビジネスの世界でも、アフターコロナやニューノーマルという言葉が出てきています。これまでとは違う働き方やビジネスに変わる転換期を迎えたと言われており、いろいろな企業がこれからどうすべきかを議論し準備を始めています。

学校も、コロナが終息したら何も無かったかのように全て元通りにするのは、違うと思います。

但しオンライン授業は注意も必要です。私自身もオンラインの会議は通常よりも疲労するように思いますし単調になりがちですので、例えば時間を短く区切るなど工夫が必要だと思います。

一方で、受験候補であったり実際に受験した私立校の対応を調べてみると、どの学校もオンライン体制を確立しているようで、親として焦りは感じてしまいます。

但しネットからの情報では、オンライン体制のある私立校の親もいろいろと不満を抱えているようですので、お互い無い物ねだりなのかもしれませんし、授業料を払っている分だけ、要求もシビアなのかもしれません。

いずれにしても、今の状態を前向きに考えてチャレンジし、後戻りさせないことで、大人たちが子供たちに新しいスタイルを早く示すことが必要だと思います。

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私立併願校の選び方

我が子の第一志望校は一貫して東葛中でしたが、併願する私立校について、どのように選んだのかを振り返りたいと思います。

受験勉強の開始当初から、東葛中が駄目だった場合は私立に行くことを決めていましたが、行きたい、もしくは行かせたいという私立校は決まっていませんでした。

私立併願校選びのゴールは、行きたい、行かせたいと思える学校を見つけられるかどうかだと思います。

もちろん試験を受けるからには、その学校に6年間通う可能性があることを、親子共に納得した状態で受験しないと後悔することになりかねませんので、併願校もしっかり検討が必要でしたが、そもそも東葛中付近の私立校も少なく、具体的な併願校をどこにするのかで悩みました。

実際は、校風や教育スタイルとの相性、共学か男女別学か、進学状況、立地、試験日程や問題傾向、学費などの様々な要素を踏まえて決定することが原則ですが、先ずは単純に偏差値による合格の可能性で考えました。

2020年の入試結果では、東葛中の四谷大塚80偏差値が男子62(女子62)です。

千葉県の私立校で考える場合(実際はコースや入試日程等で偏差値の違いあり)、東葛中の偏差値を上回るのは渋谷幕張69(71)と市川64(66)の2校ですが、東葛中が第一志望でこの2校を第二志望にすることはあまりないと思います。

第二志望を東葛中と同等の偏差値で選ぼうとすると東邦大東邦60(62)のみになり、偏差値60未満に昭和秀英57(59)芝浦工大柏53(55)専修大松戸50(52)と、県外の江戸川取手50(50)が続きますが、東葛中付近は芝浦工大柏と専修大松戸と江戸川取手の3校のみです。

我が家の場合は、我が子の求める教育内容や校風、通学などを考慮すると、残念ながらどの学校も受験候補の対象外になってしまいました。

こうなると、東京、埼玉、茨城へ足を伸ばすしかありませんが、共学校に行きたいという我が子の希望もあり、更に選択肢が少ない状況でした。

ちなみに、共学校の方が人気が高い傾向にあるため、本当は男女別学も候補に含めた方が学校数が増えて偏差値もやや下がる傾向にあり、受験校の選択肢は広がります。

求める教育スタイルなどの我が家の希望と一致して通学可能であることを条件に、塾からの情報や自分達で受験校を調べた結果、主な候補に上がったのは、東京の渋谷渋谷66(69)と広尾学園59(61)、埼玉の開智 先端56(58)、茨城の茗溪学園50(52)の4校でした。渋谷渋谷は都内共学校の偏差値トップ校であり第二志望とはならないと思いますが、いづれの学校も東葛中同様のアクティブラーニング系の教育スタイルで、親子共に納得できる学校でした。

実際に受験校を決めるために学校見学は欠かせませんが、どの学校も研究熱心で生徒の学習意欲も高い印象を受けました。

最終的にこれらの学校全てを受験した訳ではありません。しかし、受験勉強の開始当初は、東京や埼玉の学校は考えていませんでしたので、幅広く調べることの必要性を感じます。

併願校選びにおいては、後悔したこともあります。それは、5年生までに候補となり得る学校をもっと広く調べて、目ぼしい学校をもっと多く見ておくべきだったということです。

その理由は、6年生になると模試や受験勉強に忙しくなるため、子供が学校見学に行く時間を作ることが大変だからです。

東葛中に関しては、東葛祭くらいしか学校見学の機会がありませんが、私立に関しては学祭だけでなく体験授業を受けられるような説明会もありますので、候補となる学校は学祭と説明会の両方行くことが理想だと思います。

学祭では生徒達の素の姿が見られる機会になりますが、普段と違うテンションになっていますので、平常時の姿を見たり感じることができるのは、体験授業などもある説明会です。

説明会に行って驚いたのは、休日にも関わらず、手伝いをしている生徒がいることです。ある私立校の生徒に質問したところ、自主的に参加していると言っていました。学校説明会というある意味商業的な行為に生徒が協力するということは、自分の学校が好きでなければできないと思いますし、素直に立派だと思いました。

受験校選びに関しては、公立中高一貫校の受検生を意識した試験を実施する私立校も増加傾向ですし、塾からの指導もあるとは思いますが、特に6年生になると模試で志望校を登録して合否の可能性を判定していくことになりますので、5年生のうちにある程度候補となる学校を絞り込んでおいて、遅くとも6年生の秋までに最終決定するように考えておくと良いと思います。

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休校中の先生からのメッセージ

東葛中は最低でもゴールデンウィーク明けまで休校が決まっていますが、先生からのメッセージと共に英数国理社の5教科で課題が出ています。

本来はアクティブラーニングを主とした探究型やグループでの参加型授業が売りですが、私立のようなオンライン体制もありませんので、課題は専用ホームページからの一方通行の発信になります。

しかし、そこから発信されているメッセージからは、東葛中の授業スタイルや先生方の思いを読み取ることができます。

入学希望の方の参考になると思いますので、私なりの解釈を以下に記します。

発信されているキーワードは2つで、「自分で理由を考える」と「自分で判断して進める」です。

単に与えられた課題をこなすのではなく、自主的に調べたり学んで理解した上で、自分なりの答えを出す。興味があれば範囲は気にせず深掘りしたり先にどんどん進んで良い学校なんだよ。但し強制はしません。というメッセージだと思いました。

逆に言えば、受け身でぼーっと過ごしていると、どんどん置いていかれるのだと感じました。

我が子がこのメッセージをどのように受け取ったかは敢えて確認していませんが、受験生の頃のようにガミガミ言わず、これから約1ヶ月は何も言わずに見守ってみようと思います。

まだ中学1年生は始まったばかりで、授業すら受けていません。仮に1ヶ月サボって泣きを見ても、メッセージを理解して頑張っても、どちらでも得るものがあるように思うからです。

これから東葛中を目指す受検生は、休んでいる暇はないと思いますが、常に物事の理由と自分なりの正解を考える癖を付けておくことと、特に自主的に勉強する姿勢を身に付けておくと、受検はもちろんですが、入学後もスムーズに東葛中に馴染めるのではないかと思います。

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東葛中入学式を終えて思うこと

昨日4月7日は東葛中5期生の入学式でした。父兄は1名のみで在校生や来賓の参加も無く、式も短時間で最低限の内容でした。

例年なら高校の新入生と一緒の入学式で、在校生の答辞も良いらしく、我が子がそれを体験できなかったことは残念ですが、これはこれで貴重な体験だったと思いたいところです。

しかし、また翌日からは1ヶ月近くの長期休みが確定しています。

今思うことは、受験生だけでなく小中高生にとって、これまでの1ヶ月をどう過ごしたか、これからの1ヶ月をどう過ごすかで、休みが明けてからの学力に大きな差が生まれる可能性が高いということです。

その理由は、今の時期に家でしっかり勉強に取組めるということは、本人の精神力と自主性がしっかり身に付いている証拠で、その差を後から埋めることが困難だからです。

特に受験生は、受験の天王山と言われる夏休みが無いことを想定し、今が夏休みと考えて受験勉強に取組むことが必要だと思います。もし我が家に受験生がいればそうさせます。

それでは、受験生はこの長期休みをどう過ごすべきか、私の考えを記したいと思います。

時間はまだ沢山ありますので、第一は不得意な分野を補うことです。そのためには、基本問題を繰り返し解いて、基本問題を完璧に近付けることが必要です。

次に、もし余力があれば、得意分野の応用問題に取組んでも良いと思います。

もちろん、学校や塾からも課題が出ていると思いますので、それらをこなすことは大前提ですが、先に記した「6年生の長期休みを合格の力に」にもあるように、1日10時間の受験勉強を目指して良い時期だと思います。

これらにしっかり取組めば、気を抜く時間は殆どないと思いますし、相当な基礎体力が付くと思います。

しかし、塾の特別講習もなく、自習が中心になりますので、親のスケジュール管理と、子供のモチベーションを高い位置に引き上げて保つサポートが非常に重要になると思いますし、それが一番の課題であり親の気苦労も増えますので、親も覚悟が必要だと思います。

このあたりの課題は、以前記した「通信は自分と孤独との闘い」が参考になると思います。

通常時よりも早い時期からの長期戦になりますので、飛ばし過ぎには注意が必要だと思いますが、おそらく受験勉強に費やせる合計時間は例年と変わりませんので、今からのロングスパートになることを想定して対応することが、合格へ近づく方法だと思います。

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6年生の長期休みを合格の力に

新型コロナウィルスの影響の深刻化、長期化が予測されます。

世間はまだ予断を許さない状況ですが、新6年生にとっては、期せずして長期休みとなった春休みを最大活用することは、とても大切だと思います。

そこで、6年生だった我が子の長期休みの過ごし方を振り返ろうと思います。

6年生のゴールデンウィークと夏休みは、特に苦手な単元やこれまで手が回らなかった分野の補強や基礎固めの時間にあてました。

勉強時間の長さにもこだわって集中的に勉強したことは、我が子が東葛中や他の私立中学にも合格できる力を付けられた要因として大きかったと思います。

ゴールデンウィーク、夏休み、冬休みの3つの長期休みは、以下のように取組みました。

ゴールデンウィークは、例年よりも長い10連休になったため塾の特別講習も開催されましたが、講習は受けずに自宅で苦手な単元の補習にあてました。具体的には、手薄になっていた理科について、過去のテストから理解ができていない単元を洗い出し、その中から重点的に取組む単元を絞った上で、その内容を私から教えてしっかり理解させ、問題を解き直して理解度の確認をしました。

普段は塾や学校の勉強で忙しく、このような対策の時間が確保できていませんでしたので、貴重な期間だったと思います。

夏休みは、塾からも400時間以上受験勉強することを目標に与えられましたので、塾での特別講習も含めて、1日10時間を目標に勉強をしました。

結果は、目標の400時間超を達成し、本人も大きな自信につながったと思います。

夏休みは特別講習もあり、講習の時間やその復習時間も考えると、意外と自由に勉強できる時間は限られますので、計画性が必要です。

我が子の場合は、主に算数の基本問題を繰り返し解き、全ての単元の基本問題が完璧にできるようになることを目指しました。これは夏休み以降も継続しましたが、この取組みは算数の底上げに役立ったと実感しています。

もちろん算数以外の教科も、基本問題を中心に抜け漏れを無くすことに取組みました。

冬休みは、塾の特別講習も受けながら、スケジュールを組んで過去問対策にしっかり取組みました。

6年生の受験勉強は、もちろん波はありましたが、盆も正月もクリスマスも休むことなく、受験勉強に明け暮れた1年間だったと思います。

今年の受験生は本当に大変だと思いますし、不安もあると思います。しかし、3月から4月にこれだけの時間を確保できることは通常はあり得ませんので、前向きに捉えることが必要だと思います。

子供のモチベーションを保つことは大変だと思いますが、最も安心して過ごせる自宅での時間を有意義な受験勉強の時間に変えて、受験が終わってから「あの時期の勉強が力になった」言えるようになることをお祈りいたします。

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テストの意外な活用方法

塾のテストでは、試験会場に私立中学の校舎を選べる(希望を出せる)場合があります。

その際に受験候補の学校を選ぶと、受験本番のシミュレーションになるだけでなく学校見学も兼ねられるのでお勧めです。

もちろん私立中学を受験する場合になりますが、塾で受ける試験とは別の緊張感を体験する意味では、東葛中の検査対策になるかもしれません。

東葛中の場合、学校見学の機会は文化祭以外にほぼありませんし、文化祭でも中学の教室は見学できないと思いますので、実際の教室は入学するまで見ることができません。

但し、実際の検査は高校の教室を使いますので、そのような視点で文化祭を見学しても良いと思います。

その点で、私立中学は学校説明会や文化祭などの公開も積極的な学校が大半ですし、見学に協力的な生徒も多い印象です。

私立と公立の違いと言えばそれまでですが、市立の公立中学でも6年生の体験会や交流会のようなものはやっていますので、今後は東葛中も入学希望者に対してもっとオープンにして、学校の魅力を発信していっても良いのではないかと思います。

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本番1年前の貴重な体験

受験1年前の実際の試験日は、同じ時間に受験会場まで足を運んでみても良いと思います。

もちろん本当の受験生の邪魔にならないような配慮は必要ですが、実際の起床時間や移動時間、電車や学校までの混み具合、本番の雰囲気などを体感できる絶好の機会です。

東葛中の検査の場合、学校周辺での塾の見送りが禁止されていますので、テレビでよく見るような激励やのぼりを立てるような光景とは趣きが違います。

校門も6号側が封鎖されるため、駅反対の正門からしか入れませんので、柏駅からも結構歩きますし、一次検査はそれなりに受検者数がいて途中から歩道も狭いため、受検生で少し混みます。

もっと受験者数が多い学校になると、駅から受験者渋滞が発生して、想定以上に学校まで時間がかかる場合もあるそうです。

我が家は東葛中の一次検査だけですが、実際に東葛まで足を運びました。

東葛中の検査日は基本的に土曜日ですので、小学校を欠席する必要もありませんし、我が子も実際の検査の緊張感を体験できて良かった、という感想でした。

最難関の私立中学を目指す場合は、同じ時間に模試が開催されることもあるようですが、第一志望がある程度決まっている場合は、このような体験をしても良いと思います。

5年生の冬だと、まだ子供の意識も高い状態ではないと思いますので、本人のモチベーションを高める効果も期待できるかもしれません。

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理科の勉強での気付き

理科の受験勉強を進める中で気付いた、今の小学校の授業の問題点とその対策、理系の思考方法の特徴の2点について触れたいと思います。

理科は学校の授業や実験でしっかり覚えれば大丈夫だと考えていましたが、それは違いました。

今の小学校の理科の授業は、私が子供の頃と比べると実験がかなり少ないのです。

例えば、気体発生の実験も殆どやらず、特に危険な物質を扱う実験は皆無のようで、二酸化マンガン過酸化水素水を混ぜて酸素を発生させるようなメジャーな実験を体験していないことは驚きでした。

我が子は、理科の中でもとりわけ得意だったのが生物でしたが、力学や化学反応(水溶液や気体の発生)などはやや苦手でした。

当初は、力学や化学反応は計算を伴うため苦手なのかと思っていましたが、それだけではないことに後から気付きました。

得意分野と苦手な分野をよくよく考えてみると、実際に見たり体験した分野が得意で、それらをできていない分野が苦手なのです。

我が子に聞いてみても、体験していないことやテキストの説明だけでは、動いている状態をうまくイメージできていないようでした。

更に深掘りして考えてみると、体験していなくても頭で映像化してシミュレーションできるタイプとそれが苦手なタイプと、2タイプいるのではないかと思うようになりました。もちろん、大人と子供の経験値の差もあると思います。

調べてみると、これはメンタルローテーション(心的回転)という能力で、図形や規則性の問題とも関連があるようです。

例えば、地図を読むことが苦手であったり方向音痴の場合は、メンタルローテーション能力がないタイプなのだそうです。

物体の運動の場合、私であればその物体が動く様子を頭の中に映像化して物体を動かしてシミュレーションするのですが、我が子の場合は頭でシミュレーションする発想自体あまりないようです。

苦手な算数も同じで、流水算のように流れる川で船が行き来する問題も、私であれば船が動く様子を頭の中でシミュレーションして問題を考えますが、我が子はそれができていないようです。

その対策として、理科で苦手な分野は、YouTubeなどの実験映像を見せたり、実験に模型を作ったりして、言葉ではなく具体的に体験させて説明しました。

他にも、実際に夕立があった時の風や気温の変化と理由を説明したり、月の満ち欠けや星座の動きを実際に月や星座を見ながら何度も説明しました。

物体の運動やテコの問題も、きちんと絵を描いたり矢印を書き加えることを教えました。

実際の東葛中の一次検査でも、南半球から見た月の満ち欠け問題が出ましたが、そこは良くできたようです。

苦手な算数も、流水算や速さと比の問題であれば、線分図などの絵をちゃんと書いて、問題文を実際の絵に変換してイメージしやすくする作業を徹底させました。

これらの対策によって、少しは理解度が増したり、知識としての定着も進んだように思います。

話は少しそれますが、数学の天才タイプには、計算式だけで自然や宇宙の摂理まで想像できてしまう人たちがいます。

一方で、我が子は読書が好きで、文章を感情に変換するのは得意なようです。

もしかしたら、理系と文系の違いはそんなところにあるのかもしれません。

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算数底上げのアドバイス

算数の基本的な勉強は塾にお任せでしたが、不得意な算数の底上げのために私からアドバイスしたことを2点あげます。

1点目は計算過程をきれいに書くこと、2点目は「=」の正しい考え方です。

1点目の計算過程をきれいに書くことの目的はミスの防止で、理想の書き方はテキストなどの解答の解説です。これについては、何度も指導しました。

我が子のテスト結果を分析すると、計算をあちこちに書いたり汚く書くことで起こる計算ミスが結構ありました。算数は基本問題をしっかり取る作戦でしたので、計算ミスは致命傷になりかねません。

そろばんや公文をやっていた訳でもありませんので、暗算が得意でもありませんし、計算が早い訳でもありませんが、多少手間がかかっても、一つひとつの計算を丁寧に時系列で書くことでミスを防ぐことを教えました。

計算過程をきれいに書くことは、後からの見直しにも役立ちます。本番の入試では見直しの時間はほぼ無いと思いますが、尚更きれいに書いて一発で正しい解答を導き出すことは大切になります。

我が子には「数学は芸術だ」と教えました。数学(算数)は、計算過程をきれい書くことが大切で、特に数学が得意な人の解答は、とてもきれいで芸術的だと思います。計算過程をきれいに書くこととは少し違うかもしれませんが、数学は同じ問題に対して様々なアプローチの仕方があり、素晴らしい解答方法や公式は、シンプルかつ美しく芸術的なのです。

きれいに計算過程を書くことは、中学に入ってから学ぶ証明問題にも役立ちます。

それでも、我が子はちょっとした計算ミスを撲滅することはできませんでしたので、小さい頃に百ます計算などをしっかりやっておくことで計算の勘違いを無くすことができれば、後々自分を助けることになったのではないかと、今にして思います。

本番の東葛の検査でもあり得ないような計算ミスをしていましたので、あれで良く受かったな、というのが正直な感想です。

一つ残念なのは、東葛中の実際の検査問題は余白があまりなく、計算用紙も配布されませんので、きれいに計算過程を書くことに難があります。

数学に理解のある私立中学は、余白がたくさんあったり、計算用紙もありますので、千葉県の教育委員会には、子供達のためにもこの点を改善して頂くことを願います。

2点目の「=」の正しい考え方は、当たり前ですが「=」は左右の式が「等しい」という意味だということです。

1+1=2(1たす1は2)と小学校で習いますが、本当の意味は「1+1と2は等しい」つまり「=」は「は」ではなく「イコール」であり、正に等号なのです。

天秤に例えると、左右の式は吊り合った状態です。

このことをわかっておくと、比の計算や移項の理屈なども理解しやすいように思います。

移項については、中学で習う内容のため注意が必要ですが、「=」で左右の式が吊り合っていると理解すれば、左右の式に同じ数を足したり引いたり掛けたり割っても変わらない、という原理は特に私立向けに役立つと思いますので、個人的にはお勧めです。

但し、移項はマイナスの式の概念の理解も必要なため、温度計を使ってマイナスの世界を説明するなど工夫も必要です。

私は移項のテクニックも教えてしまいましたが、敢えて教えない塾もあるようですので、子供を混乱させないためにも、子供の理解力や教える時期の見極めと丁寧な説明が必要なことをご理解ください。

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理系問題の気になる傾向

受験において過去問対策は必須ですが、理系問題の傾向が変化してきていると感じましたので、その傾向と対策について触れたいと思います。

我が子が受検した2020年の二次検査では、中学で学ぶ内容に関連した問題が2問出題されました。

1問目は、二つの商品の販売個数の関係を示す、いわゆる「つるかめ算」をグラフ化して二つの直線の交点を考える問題です。これはxとyを使った連立方程式の概念です。交点の意味することは何なのか?二つの直線で区切られた領域はどのようなことを意味するのか?を問う問題で、難問だったと思います。

2問目は、高地や圧力鍋の圧力や温度の問題です。これは圧力と体積と温度の関係を示すボイル=シャルルの法則です。高地でお菓子の袋が膨らんだり、無水調理ができる鍋のように圧力鍋の原理に興味を持ち理解していれば解けるかもしれませんが、こちらも比較的難問だったと思います。

過去にも、等速度運動と自由落下の関係を使った放物運動問題が出たことがありましたが、中学で学ぶ内容に関連する問題を一度に2問も出したのは今までになかったことだと思います。

当然ながら、中学の知識が無くても解けるように配慮されていますが、個人的には少し凝りすぎな印象です。

実際に今回の二次検査の平均点は、例年よりかなり低かったのではないでしょうか。

仮に公立高校の入試問題も同様の傾向だとしたら、大学入試改革を意識した問題に変化している可能性もあるように思います。

来年も同様の傾向が続くのかは不明ですが、千葉県立中学の問題作成の思想の中には、小学校で学んだことと中学・高校で学ぶこととの関連を示したり、実生活と学習の関係性をどの程度理解しているのかを試したいという思いがあるのかもしれません。

どこかの私立中学か塾の説明会で聞いた覚えがありますが、中学受験の問題は、学校からのメッセージでありラブレターなのだと言っていました。千葉県立中学に関しても、同様なのかもしれません。

これらの問題の対策は、なかなか難しいと思いますし、中学の領域まで学ぶ必要は無いと思いますが、日常で使っている生活の知恵や自然現象を科学的に説明するような親子の会話が役に立つかもしれません。

例えば、料理の「さしすせそ」の理由を浸透圧を使って説明したり、夏はジメジメして冬は乾燥する理由を飽和水蒸気量と気温の関係を使って説明するなど、大人にとって常識になっている生活の知恵や自然現象の理由を教えてあげると良いと思います。

少し話しはそれますが、東葛の学祭で、中学生の学習成果のプレゼンを見る機会がありました。自分達であるテーマを調査し分析して資料にまとめていましたが、そのような授業が多くなることを見越して検査問題を作っている部分もあると思います。

東葛中以外の私立でも、同様の授業をしているのを見聞きしていますので、東葛中だけが特別だとは思いませんが、企業も個人プレーよりもチームプレーを重視する傾向にありますし、日本の教育自体がチームで調査・研究をしたり、プロジェクトを組んで成果を出していくような方向に向かっているようにも感じました。

今の教育は、会社や研究室で資料を作って会議や学会で報告したりプレゼンするような訓練を、子供のうちから始めているのだという印象を持っています。

私の世代は、パワポを使っプレゼンするようなことを会社で学びましたが、今は学生の頃からそのようなスキルを身に付けていますし、中学生でも普通にパワポでプレゼンする時代です。

千葉県の検査問題では、グラフや表の読み取り問題が良く出ますので、我が家はそこまでできませんでしたが、会社の資料を使ってグラフや表の読み取りをしてみると、東葛中の受検勉強の良い練習になるかもしれません。

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算数の勉強方法

我が子に関しては、算数の勉強に最も苦労し、最も時間を割きました。不得意な算数に対して、どのように取り組んできたのかを振り返ります。

偏差値(四谷大塚)の結果だけを見ると、たまに55を超えることもありましたが、3年間で大きな変化はなくほぼ50前後で、どうにかそのレベルを維持したという感想です。

東葛中の偏差値(合格確率80%)は60を超えていますので、算数だけ切り取ると非常に厳しい立場にありました。

しかし、地道な基本問題の繰り返しが偏差値には現れない力となり、受験本番の助けになったと今は実感しています。

ここで簡単に四谷大塚の組分けテストの仕組みを説明しておくと、テストは算数の配点が高く、それぞれ算数200点、国語150点、理科100点、社会100点です。

毎月開催され、四谷大塚以外の塾も参加する重要なテストの位置付けです。ちなみに、6年生の途中からは合不合判定テストに名前が変わり、配点も算数と国語各150点、理科と社会各100点に変わります。

何故算数の配点が高いのかは説明もされていないため謎ですが、中学受験業界では算数が重要とされていて、算数で大きな差が付くと考えられているからのようです。

実際に四谷大塚のテストでは、算数の配点が高いため算数の出来が全体の結果を大きく左右します。

例えば、算数の平均点が110点前後の場合、偏差値60を超えるには150点以上が必要になりますので、仮に他の教科の偏差値が60だとしても、40点差をカバーするには算数の底上げと、他の教科で補うことが必要です。

我が子の場合、塾の先生には150点以上取れる力はあると言われましたが、かなり厳しい壁でした。我が家としては平均よりも10点プラスした120点を第一目標に設定し、他の教科で不足分をカバーする戦略を立てました。しかし、実際に算数が120点を超えることは簡単ではありませんでした。

我が家にとっては、コンスタントに算数の偏差値が60を超えるような子供は、本当にモンスターのような存在でしたし、そんなモンスター達を相手に戦わなければいけない厳しさも感じていました。

四谷大塚の算数のテストの構成は、大まかには前半の基本問題と後半の応用を含んだ大問に分かれていて、前半の基本問題を取るだけで平均点に達する作りになっています。

我が子の目標の120点超えは、前半の基本問題を確実に取った上で、後半の大問でどれだけ加点できるかで決まりますので、基本問題を確実に解けるようになることが、とても重要になります。

後になって分かりましたが、実際の私立中学の問題も、最難関校以外はこのような問題構成になっていることが多いようです。

我が子も、家庭では基本問題の復習を中心に勉強しましたが、基本問題をしっかりやり続けて、確実な力を身に付けることの大切さに気付き、基本問題を何度も繰り返して勉強できたのは6年生になってからで、それが本番の入試結果にも活きてきたと今は思います。

しかし、特に4〜5年生の間は毎週のように習う単元が変わってきますので、新しいことを学びながら基本の振り返りもすることは、簡単でありません。

もちろん、応用問題にも対応しないと平均以上に得点を伸ばすことは難しく、基本問題の積み重ねだけでは得点としての成果が見えてくることはなかなかありませんが、それを根気強く続けて基礎を固めておけば、過去問などの具体的な対策にしっかり取組む段階で挽回も可能だと思います。

我が家の受験勉強を振り返ると、不得意な教科がある場合は、地道な基礎固めが後々大きな力を発揮する原動力となることを信じて、継続することが大切だと今更ながら気付かされています。

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テスト結果の活用法

テストは過去を判定するものであり、未来の判定ではありません。しかし、しっかり振り返りをすることで未来の判定を変える材料にすることはできます。

その意味で、定期テスト(例えば四谷大塚なら公開組分けテストや合不合判定テスト)の振り返りは重要です。

もちろん重要なテストであり、我が家もついついテスト結果に一喜一憂してしまいましたが、本来テストは今後の戦略を立てるためのものです。

そして、親がすべきことは、テスト結果を分析して強み弱みの現状把握をし、狙いどおりできていないことに対して、どんな対策を打つか?、逆に何が狙いどおり上手くいったのか?を考えたり確認することだと思います。

我が家の場合は、解けなかった問題を以下の3つに分類しました。

①正答率40%以上=正解すべき問題

②正答率20〜40%=解説を読んだり先生や親に聞いて理解すべき問題

③正答率20%以下=解けなくて良い問題

(実際は志望校の難易度で分類の基準は変わると思います)

また、問題が不正解だった理由も以下の3つに分類できます。

Aミスや勘違い

B覚えたり確認すれば解ける

Cわからない

我が家の場合は、上記の分類をした上で「たられば」得点を加算し、伸び代を試算しました。

具体的には、①とAを足した得点と、更に②とBを足した得点を算出し、伸び代の偏差値が志望校の偏差値とどのような差になるのかを確認していました。

そうすることで、ミスを無くせば良いのか?、基本的な問題の正答率を上げれば良いのか?、もっと得点源を増やさなければいけないのか?などの対策を打つことができます。

我が家は、特に苦手な算数に関しては、①の正答率40%以上で解けなかった問題の理解と、Aのミスを無くすための対策に力を入れました。

問題別の正答率が出てくるのに一週間弱かかることが難点ですが、これらの分析をすることは、今後の対策だけでなく、仮に結果が悪かった場合も前向きな気持ちに切り替えることにも役立つと思います。

時間の限られる受験勉強の中で、これらの振り返りと対策をしっかりやり続けることは、簡単ではないと思います。

我が家も完全にできていた訳ではありませんが、これらの簡単ではないことをどれだけしっかりできたかどうかが、最後に大きな差となったり、揺るがない力となるのだと今でも思います。

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受験勉強のために親ができること

当たり前ですが、親は子供の勉強の肩代わりはできません。親に求められるのは子供の勉強をマネジメントすること(単なる管理ではない)だと今にして思います。

そのマネジメント方法に正解はないと思いますが、反省も込めて我が家の試行錯誤を記しますので、少しでもヒントになればと思います。

先ず、家庭での受験勉強の日々の予定管理は殆ど妻頼りでした。妻のこのサポートがなければ子供の合格はかなり厳しかったと思います。

ここで言う予定管理とは、日々の家庭での受験勉強をしっかり進められるようにいつ何をやるのかを示し、結果を確認することですが、それは試行錯誤と苦労の連続でした。

試行錯誤は受験勉強の終盤まで続きましたが、今振り返ると最も大切なのは本人のモチベーションであり、次に大切なのは基礎をコツコツやり続けること、最後は見切り(完璧にする必要はないこと)です。それらを理解しリードしないと子供も付いて来られないのだと思いますが、それを親が粛々とやることの難しさは今でも感じます。

中学勉強は、大半の小学生にとって初めての受験勉強です。しかも、3年間もかけて受験のためだけの勉強をすることは人生でも特別な取組みになります。

一方、親は受験勉強を複数回経験済みの場合が少なくないと思います。その経験の差が親と子の大きなギャップとなり、そのギャップが受験勉強を苦行に変えてしまう要素の一つだと今にして思います。

子供のモチベーションを保つため、私も「集中しろ」「受験は戦いだ」「必死にやれ」「誰のための勉強か考えろ」などといろいろ鼓舞しましたが、肝心の本人の心にはあまり響いていなかったかもしれません。我が家では子供にとっても親にとっても中学受験は初めての経験であり、浪人も不可能ですので、一発勝負への力みもあったように思います。

4年生の前半は、四谷大塚の進学くらぶで通信のみの勉強でしたが、この頃の予定管理が一番大変でした。

進学くらぶは、通塾と同様に毎週の週テスト(その週の単元の振り返り)と月次の組分けテスト(月の振り返り中心、結果でクラス分けがある)に合わせて映像受験やテキストの予習シリーズを進めていくのですが、週末のテストに向けた勉強がなかなかはかどらず常に後手の状態でした。

一週間で前の週のテストの復習と週末のテストの予習が必要になりますので、しっかり予定を決めて進めることが大切です。更にその予定にはランダムに出る学校の宿題や定期的な習い事も組み込む必要があります。

しかし、特に苦手の算数に時間を取られて他の教科に手が回らないなど、負のスパイラルに陥っていましたので、その状態を打破すべく、4年生の夏から一番手こずっていた算数のみ通塾を始めましたが、劇的な改善には至りませんでした。

決めた時間に勉強する習慣が身に付いていれば良いのですが、実際は予定を守ること自体が大変でした。予定が守れていなければ、家にいる妻がそれを促す役目をしなければなりません。

仮に決められた時間に勉強したとしても、結果を確認すると宿題の漢字書取り(覚えているかどうかは関係ないただの作業)に大きく時間を割いていたり、問題の理解に手間取ったりして、理科や社会が手薄になることもしばしばでした。(得意の国語は漢字や語彙のみ)

また、勉強が終わった後の進捗チェックも妻の役目となることが多く、家事の合間にそれらをこなすことは相当なストレスだったようです。

やらされ感も良くないと思い、子供に予定表を作らせてみても上手くいかず、妻が予定を考えても上手くいかず、子供なりに予定を守れない、集中ができない理由はあったのでしょうが、いわゆるモチベーションを保てなかったことが最大の原因だったと思います。

モチベーションを保つには、はっきりとしたゴールやありたい姿を本人がイメージし、それを実現するための強い意志を持つことが必要だと思いますが、所詮小学生ですので、いくら親がアドバイスしたところで難しいのが現実だと思いますし、それができる子供は一握りだと思いますので、殆どの親子がぶつかる壁なのだと思います。

その壁を乗り越える策は特に示せませんが、そういうものだと理解しておくことが精神衛生上も良いように思います。

もちろん塾もそれらの役割をしたりアドバイスもしてくれますが、全科目通塾になった後もサポートは必要でしたし、塾にお任せだけで上手くいく程、中学受験は楽な道ではないと思うのが、正直な感想です。

受験勉強の3年間の内容は大まかに2つに分かれます。4〜5年生で全ての単元を終えて、6年生はその振り返りと実践的な問題に入ります。

4〜5年生でも応用問題はやりますが、特に苦手科目の場合は、基本問題をコツコツやり続けることが大切だと思います。苦手科目なだけにコツコツやること自体大変ですが、苦手を補う(克服ではない)にはこれしかないように思います。

この段階で大切なのは、完璧にする必要はないということです。何故なら、忘れていることを前提に6年生でまた確認するからです。つまり、4〜5年生の間は理解しきれていなくても深追いしない、つまり見切ることも必要だと思います。

6年生になると、細かい単元の得手不得手もわかってきますので、ポイントを絞って補うことは必要ですし、夏以降はどのような順番やスケジュールで過去問を解くのか、模試の振り返りはいつやるのかなど決めることも多く、そこに特別講習が加わると更に複雑化するため、予定表を作り実行していくことは大変でした。

我が家では妻が試行錯誤しながら週間や月間で予定表を作り、私や我が子とも相談しながら予定を決めていましたが、ある程度予定どおり回り出したのは本人の意識が高まった6年生の夏以降だったと思います。

他にも、過保護だったかもしれませんが、塾でやった演習問題や宿題のプリントは殆ど親が整理していましたし、我が子が受験勉強に集中できるよう注力しました。

受験勉強のマネジメントとは、一緒に目指す方針を決め、時には親が子供のマネージャーとなり、スケジュールを作ったり確認し修正しながら、子供が最大のパフォーマンスを発揮できる環境づくりをして、子供が最後に良い結果を出すことを信じ続けることなのだと思います。

とは言え、一緒に暮らす親子ですので、テストの結果にも一喜一憂してしまいますし、ついつい口出しもしたくなります。私と妻の両方から同時に責めないように配慮して、逃げ場を作ることも意識したつもりですが、実は塾や学校が逃げ場だったのかもしれません。

受験勉強に家族で取組むことはとても大変なことですし、一番大変なのは受験生である子供自身ですが、最後の奇跡はこのような積み重ねで起こせたのかもしれません。

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