東葛中合格への道

2020年東葛飾中学合格。家族で挑んだ初めての中学受験3年間を父親目線で振り返る。入学後の情報も更新中。

東葛中の授業進度から見えること

東葛中の授業は、現時点(2020年8月)でどの位のペースで進んでいるのか調べてみました。

結論から言うと、私立の中高一貫校と同等のスピードで授業が進行していることが分かりました。そしてそこから、東葛中の教育の一端が見えてきたと感じています。

8月時点では、入学して4ヶ月余りで、しかもコロナ禍の特殊な状況ですが、事前に計画されているシラバス(授業計画)を確認する限り、授業はほぼ予定どおり進行しているようです。

当然ながら、実際に学校外で体験したり調査するような授業はできていませんし、定例のイベントが中止されたりして、不十分な部分は存在しています。

そこで、数学を例に夏休みまでの授業がどの位の進度だったのかを深掘りしてみます。

先ずは基本知識として、数学の教科書は数研出版の「体系数学」を使用しています。この教科書は中高一貫校向けの内容で、主に「先取り」する私立校で使用される教科書です。実は啓林館の「未来にひろがる数学」という教科書も配布されているのですが、こちらは今のところ全く使われていません。何故教科書が二つあるのかは不明ですが、千葉県教育委員会が発表している情報でも東葛中は啓林館で千葉中は数研出版ですので、数研出版の「体系数学」を使っていけない理由は無いようです。

数学の単元は、夏休み前で連立方程式まで進んでいます。参考に通信教育のZ会中高一貫校向けカリキュラムと比較すると、中1のカリキュラムは8月が連立方程式ですので、一般的な私立中学と同等の進度と思われます。

試しに、市立の公立中学に通う我が子の同級生に数学がどこまで進んでいるのか聞いたところ、文字式まで進んでいると言っていました。文字式は方程式を学ぶ前の数学の基本知識ですが、東葛中なら通常は5月で学ぶ予定の内容ですので、授業進度に差があることを確認できました。

教科書が違うため単純比較はできませんが、東葛中は一般の公立中学よりも1.5〜2倍位のスピードで授業が進んでいると推測しています。

数学に関しては、中学受験で3年間みっちり勉強してきた子供にとって、この位の授業スピードは慣れていると思いますが、中には苦戦する生徒もいるようです。

授業スピードが直接要因なのか分かりませんが、東葛中入学後も補習目的で通塾をしている生徒は少なからずいると聞いています。

ちなみに我が子の場合、本人曰く授業スピードには付いて行けているそうですが、確認テストなどの成績が伴っていないため、親としてはもっと焦って欲しいのが本音です。

一般的に、東葛中のような公立中高一貫校に通った方が、私立よりもコスパが良いと考えがちですが、中学や高校で通う塾費用を考えると、面倒見が良いと言われる私立とのコスト差はかなり縮まる場合があることを念頭に、教育資金計画を組んだ方が良いかもしれません。

参考情報として、英語の教科書は三省堂の「NEW CROWN」となっていますが、Z会の「NEW TREASURE」も併用していて、これもまた私立の中高一貫校でよく採用されている教科書になります。但し、授業で教科書はたまにしか使わず、文法よりも英会話中心の授業になっているようです。

油断して文法や英単語の自習を疎かにすると、テストで痛い目に合いそうです。おそらく、我が子は相当痛い目に合うと予測しています。

また、数学と英語はクラスを出席番号の奇数と偶数で2クラスに分けて授業をしていることから、特に数学と英語は生徒にできるだけ細かい対応ができるように教育体制を敷いていると感じています。

但し、教科書については、それぞれの授業で教科書を使わないこともしばしばで、教科書に捉われずに各先生が工夫して授業を進めているようです。

最後に、このような教育スタイルとカリキュラムで中学3年間を過ごした生徒が、一般の公立中学のカリキュラムで学んだ過半数の生徒と高校でごちゃ混ぜになることについては、私としても不安要素であることは否定できませんし、その点から東葛中を選択しない方がいることは承知しています。

もちろん、東葛中で3年間学んだことが無駄になることはあり得ないですし、生徒の学力のバラツキが少ない環境で、内申点などを気にすることなく充実した中学生活を過ごせるメリットは非常に大きいと認識しています。

私は、高校から入学する多様な生徒と学び合い、良い化学変化が起こることを期待していますし、他の父兄も併設型中高一貫校である東葛中学・高校のメリットとデメリットを承知で東葛中を選択している場合が大半だと思います。

東葛中での教育の成果は、今高校生であるパイオニアの一期生や二期生が数年後に示してくれると思いますが、その結果によっては東葛高校も柔軟な対応を検討したり教育方法を試行錯誤することで、東葛中学・高校それぞれの生徒にとって最適な教育環境に進化していくことが望ましい姿だと考えていますし、そのための東葛飾中学開校だったのだと思っています。

【追記】

コロナ対応で分散登校となり、1クラス20名以下で授業していた時期は、生徒の集中力も高まり、先生の負荷も軽減されて、質の高い授業ができたという先生からの意見をネットの投稿でいくつか目にしました。

予算や人材などの課題がありますが、東葛中の数学や英語のような少人数制の授業は、先生と生徒の双方にとって理想的なのかもしれません。

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