令和5年度(2023年度)の千葉県の県立高校や市立高校における大量の採点ミスが発覚した問題について、動きがありました。
結論から言うと、マークシート方式が採用される可能性が高まりました。
これは、千葉県公立高等学校入学者選抜改善検討会議からの提言として示されていて、マークシート化は必然であり県教育委員会は早く予算化すべき、という方向性まで終盤では議論されていました。実際に採点に携わる先生からの要望も少なくなかったようですし、会議でも「ヒューマンエラーを防ぐことは難しい」と結論づけています。またマークシート化は学校の働き方改革にもつながることから、部分的かもしれませんがマークシート化の実現度はかなり高いと思われます。
もし入試が完全にマークシート化されれば、記述問題が無くなりますし、入試問題の易化が予測されます。少なくともこれまでとは問題の傾向が大きく変わることを示唆しています。
会議では、マークシート化による弊害として、思考力や表現力をみることが難しくなることも懸念していますが、東葛高校等で導入された「思考力を問う問題」で対応すればよいという意見もありました。
今後の予定は、今回の提言を受けて、7月中旬に県教育委員会が改善策を公表し、8月の高校の説明会にて具体的な説明がされるようです。
ただし、私が予測していた、「解答用紙の写しの返却」と「県立中学の適正検査の回数見直し」については議論されていないようですので、そこは変わらなさそうです。そもそも県立中学の適正検査自体が何も議論されていませんので、県立中学は何も変わらない可能性もあります。
いずれにしても、県教育委員会の結論を待つしかありませんが、保守的な県教育委員会が自らの改革に踏み込む意思を持っているのかの試金石にもなりますので、今後もこの動きを注視していこうと思います。
一番大切なことは、未来を担う子どもたちの可能性や能力を正しくはかるために、その手段である試験はどのようにあるべきか、どうなってはいけないのか、を考えることが重要だと私は思います。