東葛中合格への道

2020年東葛飾中学合格。家族で挑んだ初めての中学受験3年間を父親目線で振り返る。入学後の情報も更新中。

公立高校の大量採点ミスが中学の適正検査に与える影響

令和5年度(2023年度)の千葉県立高校と市立高校の入試において、大量の採点ミスが発覚しました。県立高校92校で870件、市立高校6校で63件の採点ミスが見つかり、残念ながら県立高校4校で5名、市立高校1校で1名、本来合格とすべき受験生を不合格としていたことが判明しています。

個人的には、これ程の採点ミスがあったのであれば、これまでも全く起こらなかったとは考えにくく、また、高校だけでなく東葛中や県千葉中でも同様のことが起こった可能性は否定できませんので、再点検は必要ですし、今後同様のミスを起こさないための対策も必要です。

今回はこの件をふまえて、今後どのようなことが起こる可能性があるのかを考えてみます。

ただし、最初に断っておきますが、以下の見解は一個人の私見を述べているだけですので、東葛中や県千葉中を目指す子どもたちやその両親を動揺させる意図はありませんし、それが本意でもありません。

ぜひご自身でも情報収集をして正しく現状把握をした上で、今後の千葉県からのアナウンスを注視し、必要な対策をご検討いただきたいと思います。

ここからが本題です。先ず、来年度以降の千葉県公立高校入試及び県立中学の適正検査は、間違いなく今回の採点ミスの影響を受けると思います。そして、私が推測する変化は、以下3点です。

  1. 答案用紙の写しの返却(おそらく中高共に)
  2. 千葉県公立中学(東葛中、県千葉中、市立稲毛中)の適正検査と千葉県公立高校の入試問題の難易度の易化
  3. 千葉県立中学の適正検査が1回になる可能性もあり得る

3.は、既に来年度のスケジュールが発表になっていることもあり、可能性は高くないかもしれませんが、1.2.になる可能性は、かなり高いと私は考えています。そして、このようになると私が考える理由は、過去に神奈川県と茨城県で同様のことが起きたことと、その対応策が上記のようになった前例があるからです。

もう少し詳しく説明すると、神奈川県では、2016年度入試で県立高校88校で採点ミスがあり、その影響で2名が不合格になりました。また、2015年度入試でも71校でミスがあり、その影響で2名が不合格になりました。その対策は、答案の返却、一部マークシート化で、マークシート化により出題方式が変わると伴に記述問題が減少したため、難易度が易化しました。

茨城県では、2021年度入試で県立高校53校、県立中学7校で採点ミスがあり、その影響で3名が不合格になりました。また、2020年度入試で県立高校58校、県立中学5校で採点ミスがあり、その影響で1名が不合格になりました。その対策は、神奈川県同様に答案の返却、記述問題の減少で、その影響により問題の難易度が易化しました。

茨城県の県立中学の適正検査でどのようなことが起こったのか、更に詳しく説明します。

茨城県立中学の場合、適正検査は1日で終わる一発勝負なのですが、理数系の適性検査I(45分、100点)+国社系の適性検査II(45分、100点)を受検します。そして、採点ミスの発覚を受けて、記述式の問題がほぼ姿を消し、特に国社系の適正検査IIの難易度が大幅に下がり、満点付近の得点が続出しました。そのため、例えば並木中の場合、それまでのボーダーが200満点中100点程だったのに対して、ボーダーが50点程上がり、150点程に跳ね上がったようです。

神奈川県の場合は、マークシートが導入されたため、問題の傾向や難易度の変化はある程度予想できた気もしますが、茨城県の場合は、まさに青天の霹靂だったようです。

このような変化への対策は、日々取り組む問題の内容を偏らせることなく、しっかり勉強しておくしかないのですが、難関私立中を目指す子どもにとっては、益々有利になるように思えます。

また、私は神奈川県や茨城県の適正検査問題を解いたことがないのですが、それらが来年度の適正検査の参考になるかもしれません。

いづれにしても、ルールを決めるのも変えるのも、その権利を持つのは選ぶ側であり、受検生は与えられた条件を受け入れて、そのルールの中で勝負するしかありませんので、じっくりと実力を養っていただきたいと思います。

最後に、もしこのブログを千葉県の教育委員会の方が目にする機会があれば、今回の大量な採点ミスを機に、適正検査の回数を1回にすることを検討していただきたいです。2回の検査は、受検生はもちろんのこと、その家族、検査の対応が必要な学校の先生、授業時間が減る生徒、誰も得をしない制度だと私は考えています。検査回数を減らせば、ミスの確率も下がりますし、逆に今後増えるであろうチェックの手間も減ります。

学校の働き方改革にもつながる施策だと思いますので、ぜひご検討ください。

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