東葛中合格への道

2020年東葛飾中学合格。家族で挑んだ初めての中学受験3年間を父親目線で振り返る。入学後の情報も更新中。

茨城県立中学の動向(2022年度)

お隣の茨城県では、1月24日の千葉県立中学の二次検査に先駆けて、1月8日に並木中、土浦一中、水戸一中などの茨城県立中学の適性検査が実施されました。(結果は1月19日発表です)

公立中高一貫校の適性検査は、都道府県毎に特徴が異なりますし、まだ最終的な結果も出ていない他県の情報ですが、参考情報として記事にしてみます。

茨城県立中学の適性検査の基礎知識

茨城県立中学の合否は、調査書(内申点、点数不明)+理数系の適性検査I(45分、100点)+国社系の適性検査II(45分、100点)+面接(5名程で約20分、点数不明)により判定されますが、千葉県とは異なり1日で決まる一発勝負です。適性検査の問題は、千葉県と同じく全校共通です。

2022年度の茨城県入試の注目点と検査問題への影響

今年度の最大の注目点は、全受検生に対して、合格発表後に解答用紙の写しが返却されるように変更された点です。これは、県立高校も同様の対応で、ある意味画期的な試みだと思いますが、実は神奈川県でも実施されています。

この変更は、昨年度の茨城県立高校入試と県立中学の適性検査で大量の採点ミスが発覚したための措置であり、運用面の不備を大幅に見直した結果のようです。そのため、この変更の影響で、適性検査の出題傾向も大きく変更になりました。

人間にミスは付き物ですので、ミスをしてからの対策が重要だと思いますし、昨年のようにミスが頻発する場合は、仕組みそのものに問題があるのだと思います。今回のように、翌年から対策を打ったこと自体は、県の対応を評価すべきですが、また別の課題が生まれているようです。

以下はネットの書き込みから得た情報ですが、今回から記述問題が殆ど姿を消し、選択肢問題に置き換わったことと、出題数も減少したため、特に適性検査II(国社系)の文系問題の難易度が大幅に易化し、自己採点で満点に近い得点が続出しているようです。また、出題傾向が大きく変わったため、受検生や父兄に戸惑いもあったようです。(既に解答は県のHPで公開されています)

例えば、並木中の場合、適性検査の得点のみから割り出したボーダーラインは、昨年2021年度は200点満点中100点余りでしたが、今年2022年度は150点余りとなる塾予想も出ているようで、約50点も合格ラインが上がると予測されています。

こうなってしまうと、適性検査IIではあまり差がつきませんので、実質的に理系問題の適性検査Iの勝負となります。今回は、文系の適性検査IIを得点源としていた子供にとって完全に不利な状況です。

これは、記述問題の曖昧な採点基準、採点者別の採点のバラツキ、集計ミスを排除するための保守的な思考がもたらした結果だと思いますが、得点による順位付けが必要なテストにおいて、満点に近い得点が多数出る検査方法は、個人的には課題があると思います。

もちろん、県の方針として理系を強化したい思惑があるのかもしれませんし、文系であっても、特に経済学、経営学会計学の分野では数学の知識と理解力は必須ですので、敢えて文系問題を易化した可能性も否定できませんが、採点ミスやバラツキの要素を極小化し、解答用紙返却後のクレームを防止するための、極めてお役所的な発想とも思えてしまいます。

以上、私見で勝手なことを書きましたが、上記のように、受検生にとって想定外のこともあったと思いますし、受検する側が問題を指定することもできませんので、出されたものは前向きに受け入れるしかありません。

茨城県の受検生とご家族は、まだまだ落ち着かない日々が続いていると思いますが、最終的に受検生本人が納得のいく形で中学受験を終えられるように、陰ながらお祈りいたします。

千葉県への影響は?

まだ茨城県の正式な結果が出ていない時点での憶測ですので、結果を待たないと正しい判断はできませんが、茨城県程に極端ではないにせよ、千葉県でも同様の変化を、以前から私は感じています。

例えば、記述問題においても、個人的な考えや発想を記述させるような問題がほぼ姿を消しましたし、今年度の一次検査でも、適性検査1-1(文系問題)が2年連続して易化しています。今後もこの傾向は続くのではないかと思います。

千葉県の問題が変化した理由は、茨城県とは異なり、採点者の負荷低減や、入学後の学力のバラツキが主要因ではないかと私は考えていますが、千葉県から説明はありませんので、真意は不明です。

最後に

入試のように「ここぞ」という時は、入念な下調べと充分な準備をして本番に臨むことが大切だと思いますが、今回の茨城県のような急激な変化にも対応できるように、様々な試験パターンを経験しておくことも必要だと思いました。

いづれにしても、試験問題は学校からのラブレターとも言われていますし、適性検査は相性や時の運もあります。最終的には、どのような問題に変わろうとも、問われたことに対して、限られた時間の中で可能な限りの手段を尽くし、全力で答えられたかどうかが重要なのだと思います。

f:id:hikayojuken:20220113154445j:image