東葛中合格への道

2020年東葛飾中学合格。家族で挑んだ初めての中学受験3年間を父親目線で振り返る。入学後の情報も更新中。

東葛中期末試験を初体験

9月29日と30日は、東葛中の期末試験でした。コロナの影響で中間試験が無かったため、一年生にとっては今回が初めての定期試験です。

今回は受験がテーマではありませんが、定期試験の情報から東葛中の教育の一端が分かると思いますので、東葛中の試験内容について深掘りしてみます。

先ず、東葛中の定期試験の概要ですが、2学期制のため中間と期末で年4回の定期試験があります。

今回の前期期末試験は、英数国理社の5教科に技術家庭を加えた6教科で、試験時間は5教科が各50分、技術家庭は25分、各教科100点満点でした。

前期試験が終わると、数日の休みがあり、後期はテストの返却から始まりましたが、順位発表は無く平均点も英語と国語は未発表でした。(社会も平均点が出ませんが設問別の正答率が出たため計算できます)ありませんでした。(後日全教科の平均点付きの成績表が配布されました)

ここからは、英数国理社の5教科の問題内容について深掘りしてみます。併せて、各教科の進度も入学時に示されたシラバス(授業計画)で確認しています。

また、参考に我が子の地元の公立中学の期末試験の範囲や内容も調べてみました。(教科書や授業の進め方の違いがあるため単純比較はできません)

英語

出題範囲は疑問詞(What?, How?など)と三人称代名詞(him, hisなど)まで(一部三単現含む)で、ほぼシラバスどおりの進度です。

参考に、地元の公立中学は一般動詞の疑問文(Are?, Do?)や否定文(isn't, don'tなど)までに加えて、簡単な文章の疑問詞も含まれていました。

問題構成は、前半がリスニングで後半がライティング、配点はリスニングが6割程でした。平均点は未発表ですが、50点程という噂があるそうです。(あくまで噂です)平均点は50点代です。

リスニングは、TOEICのpart3やpart4のように、放送を聞いて選択肢から回答を選ぶ問題があったり、文章で使用されなかった単語を選ぶ問題など様々でした。東葛中の授業は文法よりも話すことが中心の授業ですが、授業以外にリスニングのトレーニングを積まないと、高得点は望めないと思います。

ライティングは、文法問題は授業の進度に沿った出題が中心でしたが、主語の単数形をsingular・複数形をplural、否定形をnegative formと英語で指示して英作文させていたのが印象的でした。(私もsingularとpluralという単語は知りませんでしたので勉強になりました)

文章問題は、会話文の中に先生が登場するなどユーモアのある問題もありましたが、授業の進度を越えた文法も含まれていました。

特に、コラムや記事を引用したと思われる長文読解は、中3レベルの文法(関係代名詞など)や私も知らない単語も含まれており、高校入試で使われても遜色無い内容だと思いました。

英作文の独特な出題方法や長文読解を除けば、文法問題そのものの難易度は高くはないと感じましたが、そもそも文法や英単語は個人学習任せに近い授業スタイルで、通常の公立中学より進度も早いため、英文法や英単語の自主学習方法を確立できていない生徒は苦戦したと思います。

数学

出題範囲は連立不等式までで、これもシラバスどおりの進度です。

参考に、地元の公立中学は一次方程式まででした。

問題構成は、前半が計算問題で後半が主に文章問題、配点も計算問題と文章問題で概ね半々、平均点は50点台でした。

問題は、授業やプリントで扱った内容をしっかり理解していれば解ける問題で、奇抜な問題や難問が無いのは意外でしたが、問題数は多めの印象です。

数学が得意で計算力もあれば、比較的高得点を狙えるかもしれませんが、平均点を考えると、計算ミスをしたり後半の文章問題に苦戦した生徒も少なくなかったのではないか思います。

数学に関しては、平均点以下を対象に追試、追試も悪ければ補習が実施されるようですので、学校のケアもある程度は期待できます。

【国語】

出題範囲は現代文(詩、物語文、論説文)でした。これもシラバスどおりの進度です。

問題構成は、最初に聞き取り問題があり、その後は漢字なども含む記述問題でした。平均点は未発表ですが、60〜70点は取って欲しいと先生に言われたそうで、平均点は70点前後と推測しています。70点代でした。

聞き取り問題は、東葛中の二次検査や千葉県立高校の入試でも採用されていますし、一般の公立中学でも実施しているため、千葉県は聞き取り問題を重視しているようです。

詩や読解は、全て授業で扱っていない本からの出典でした。生徒に事前予告されていましたが、通常の公立中学では教科書以外から出題されることは少ないと思いますので、特徴的だと思います。

また、授業でも実施したディベート問題が出題されました。テーマに対する反対意見と想定される反論を書く問題です。これも東葛中ならではの問題だと思いました。

理科

出題範囲は物質で、休校中に自習した生命は試験の範囲外でしたが、これもシラバスどおりの進度です。

参考に、地元の公立中学は生命と物質が範囲のためほぼ同じ進度と思います。

平均点は70点台でした。

出題内容は、授業に沿った問題だと思います。但し、理由や課題を答える記述問題もあり、授業で取り上げたテーマや先生が話した内容をしっかり理解していないと答えられないと感じました。

例えば、授業で液体窒素(瞬間的に花やバナナなどを凍らせることで知られた物質)を使ったらしく、一瞬であれば手にかけても大丈夫なのだそうで、それを授業で実演したそうです。テストでもその理由を問う問題が出題されました。

社会

今回の出題範囲は世界の地理でした。こちらもシラバスどおりの進度です。

参考に、地元の公立中学も世界の地理でほぼ同じ進度と思います。

平均点は70点台でした。

出題内容は、事前に記述の小テストを実施したこともあり、回答は全て選択肢でしたが、実際の高校入試やセンター試験の問題から出題されたようです。

私も、試しに千葉県立高校入試の地理問題を解いてみましたが、率直な感想としてはかなり浅い内容でした。今回のテストの範囲だけで比較すると、千葉県立高校入試よりも難しい問題だったように思います。

まとめ

東葛中の定期試験の内容は、一般の公立中学と比較すると、進度や授業内容の違いもありますが、独自性があり実際の入試問題のような出題形式で、難易度も高いと感じました。

出題範囲は、コロナ禍に関係無く当初予定のシラバス同様もしくはそれ以上の範囲でした。

定期試験で感じたことは、学校の授業だけでなく、個人が自習できる力も試されているということです。このことをふまえると、入学検査では、スポーツの体力のように入学後に必要な学習の体力が試されているのだと思いますし、受験勉強もそのための鍛錬だったように思います。

最後に

定期試験結果のデータに関する私なりの見解を述べたいと思います。

定期試験の目的は、これまでの取り組みを振り返り、今後の勉強に活かすことだと思います。そのために順位や平均点などのデータは重要指標だと思っていましたので、それが出ないことは驚きでした。

東葛飾高校でも定期試験の順位が出ないそうで、過去の経緯や伝統を尊重しているのかもしれませんが、一般の公立中学や私立校でも度数分布表のみであったり順位が出ない学校もあるようで、今時はそのような風潮なのかもしれません。

しかし、そもそもの試験の目的を考えれば、同じ授業を受けたメンバーと試験結果を相対的に比較して現状把握すること、自身の結果に関心を持ち自己分析することは、これからの授業への取り組み方や学習方法を考えるために大切なことだと思います。

経営やマーケティングにおいては、自身のポジションや強み弱みなどを総合的に分析して事業戦略を策定したり商品開発するのは良く知られた手法です。

また、日本のビジネス界では、DX(デジタル変革、デジタル・トランスフォーメーション)の必要性が数年前から叫ばれています。

テレビでお馴染みの落合陽一氏は、「DXとはデータとデジタル技術の活用」だと某セミナーでおっしゃっていました。

GAFAGoogle, Apple, Facebook, Amazon)を代表とする先進企業も、勘や経験ではなくデータから意思決定することが当たり前ですので、データの収集と分析はDXの第一歩です。

菅新内閣は、デジタル省を新設しましたが、これはコロナ禍で露呈した日本のデジタル化の遅れを受けての施策だと思います。実際に日本の世界デジタル競争力は、63カ国中27位(IMD世界競争力センター2020年10月発表、1位アメリカ、2位シンガポール、3位デンマーク)で、8位韓国、16位中国にも水を開けられています。

デジタル化にはスピードが重要です。ようやく国がデジタル化に舵を切りましたので、テストなどの身近なことの分析から始めて、子供達にも早い段階でデータを活用する知識と技術を身に付けさせることが必要だと思います。

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