東葛中合格への道

2020年東葛飾中学合格。家族で挑んだ初めての中学受験3年間を父親目線で振り返る。入学後の情報も更新中。

東葛中に関する相談

東葛中の受検に関して、妻が相談される機会が増えたそうです。その内容を聞くと、東葛中や受検(受験)に関して誤解や情報収集不足があるようです。今回は何点か気になった内容について、私なりの考えを述べてみます。

東葛中は大学受験に有利?

いわゆる良い大学に合格することを目的に、東葛中を目指すことはお勧めしません。東葛中は(高校も)、大学受験で不利になることもないと思いますが、任せておけば大学受験まで安心な学校では無く、自主自律の言葉どおり結局は本人次第、むしろ大学生や社会人になってから役立つ知識や経験を得られる学校だと思います。

ビジネスの世界では、加速する世の中の変化に対応し生き残るために、一人の天才や一つの企業が生み出すアイデアよりも、多様な人材の交流やコラボレーション、企業同士の共創から生み出される非連続な(これまでの延長線上でない)イノベーションや成長を重視する考え方にシフトしています。そのためには、相互理解と自律的に個の力を高め続けることが必要で、東葛中での取り組みや経験は、その基礎になると思います。

例えば、東葛中はグループワークやディベート、ビブリオなどのプレゼンやアクティブラーニング中心の授業で、対話や交流による相互理解と共創に重きを置いています。そのためには、授業だけでなく朝や放課後にグループで打ち合わせしたり家での準備も必要ですし、授業で何かを決めるにも議論が必要な校風のため、はっきり言ってとても面倒くさい学校です。我が子はそれが楽しいようですし、それを期待して入学しました。実際に自分の席に座って授業している時間はあまり無いそうですし、それらの面倒とも言えるプロセスを経験することによって、相互理解や共創の手法を学ぶのだと思います。

また、英語の授業は、英語を使えるようになることを目指していますので、授業は話すこと中心で、英単語や文法の知識は自習で身に付けることが必要です。もちろん、先生に相談すれば自習方法を教えてくれますし、そのためのテキストも沢山用意されていますので、大学受験のようなペーパーテストを突破する力を身に付けるには、授業だけでなく自主性も必要になります。このことは、英語以外の教科も同様だと思います。

東葛には中学の方が受かりやすい?

東葛中と東葛高校の合格難易度の比較は難しいですが、一般的に中学受験の方が大変だとする意見が多いと思います。私も総合的に考えて親子の苦労が多いのは中学受験だと思いますし、特に我が家のように私立対策もする場合の勉強量は、相当な量だと思います。その理由は、小学校で学ぶ範囲(もしくは深さ)を完全に超えた内容を勉強するからです。実際に中学校で学ぶ内容(特に知識面)を確認しても、既視感のある内容は多々あります。ちなみに、私自身の高校受験や大学受験は受験戦争と言われた時代ですが、私よりも我が子の中学受験の方が勉強していると思います。

参考に、別の視点として2020年の中学と高校の募集定員や受検者数を比較してみます。東葛中は80名(男女40名ずつ)の入学ですが、仮に東葛中の入学辞退者が半数いるとすると約120名が合格します。一方で高校からは240名入学できて、辞退者は稀と思われますので、単純比較で合格者数の差は2倍です。倍率で比較しても、東葛中は865名が受検し、辞退者を含めた推定合格者数を120名とすると推定倍率7.2倍です。一方で、東葛高校は前期後期合わせて672名が受験し合格者数が241名で倍率2.8倍ですが、前期後期の重複受験もあるため、実質倍率はもっと低い筈です。(2021年から一発試験に変わります)

※追記:2021年の東葛高校の倍率は1.8倍でした。

また、中学からは英語が増えるため、科目の少ない東葛中の方が受かりやすい、という考えもあるそうですが、受験生は皆同じ条件ですので、科目数と難易度の相関は弱いと思います。中学受験と高校受験では受験者層も違いますが、仮に東葛高校に行くことが目的なのであれば、無理に東葛中を受検する必要は無く、高校受験で良いと思います。

親と子供の希望中学が違う

これは最も問題のあるケースだと思います。東葛中に限らずどこを受験しても同様ですが、親と子供の希望する学校が一致しない場合は、親子でしっかり話し合うことが先だと思います。本来は「塾選びの前に決めるべきこと」でも説明したとおり、もっと早い段階で親子の方針を一致させて、お互い納得した状態で、家族一丸となり受験に臨むべきだと思います。

もちろん、費用を負担するのも総合的な判断力があるのも親ですが、「何のために中学受験するのか?」「そのためにどの学校に行きたいのか?」は非常に重要な問いです。この点だけはしっかり話し合ってお互いに納得した状態になることが必要です。

親子の方向性を一致させずに良い結果を残せる程中学受験は甘くないと思いますし、親が希望する学校に無理に通学しても、充実した中高生活を送ることが難しくなるリスクが残ります。

妻が聞いたケースでは、東葛中の二次検査合格後に子供を説得する予定での相談だったのですが、東葛中に合格するために3年間の苦悩と研究を重ねた我が家にとっては、一次検査も受けていない段階で、東葛中に合格すること前提なのが驚きで、とても複雑な気持ちになりました。

小学校への配慮も必要

東葛中の場合は、一次検査を通過すると書類提出で小学校に依頼が必要になりますので、一次通過が決まったら直ぐに小学校へ書類作成の依頼をした方が良いです。

私立でも成績表の提出が必要な学校がありますし、同様の依頼が同時期に集中しがちですので、早めに先生に情報共有することが必要です。そもそも中学受験の書類作りが小学校の本業ではありませんので、受験のための対応は学校や先生にとって業務負荷を増やす要因であることの認識と配慮が必要だと思います。

また、私立受験が平日の場合は、公休として欠席扱いにしない学校もあります。学校を休むことに抵抗感のある子供もいると思いますので、その点も事前に確認してみて下さい。

東葛中はコスパが良い?

東葛中に行くことが本当にコスパが良いかどうかは、大学受験までにかかる費用をトータルで試算する必要があります。

東葛中は義務教育の公立中学ですので、学費は不要です。但し、副教材費、合宿や海外研修の積み立て、保護者会費、通学代などの費用はかかりますし、一般の公立中学同様に制服代や給食費なども必要です。ちなみに、制服は私立よりも安い印象でした。旅行関係の積み立て額は3年間合計で60万円余りです。

学費が年間100万円前後かかると言われる私立と比べれば、費用は格段に安いと思いますが、東葛中に合格する力があれば、私立に特待合格できる可能性もありますので、私立と大きな差にならないケースもあります。

また、東葛中でも通塾を継続している生徒は少なからずいます。東葛中で通塾する理由は様々だと思いますが、中学受験の費用と中高での通塾も含めて資金計画を考える必要があります。

参考に、ネットから拾い集めた情報のためご自身でも確認していただきたいのですが、集団塾のフルコースで考えた場合、中学受験の通塾費用は3年間で200〜300万円(公立のみ受験2年通塾で100万円)、中高一貫校で通塾すると中学3年間で80万円、高校受験の通塾費用は中学3年間で200万円、大学受験の通塾費用は高校3年間で200万円という情報がありました(通う塾、受験校、教科数等の条件で変動します)。お金の話をすると頭がクラクラしてきますが、そのような現実を事前に調査して理解しておくことは必要だと思います。

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東葛中期末試験を初体験

9月29日と30日は、東葛中の期末試験でした。コロナの影響で中間試験が無かったため、一年生にとっては今回が初めての定期試験です。

今回は受験がテーマではありませんが、定期試験の情報から東葛中の教育の一端が分かると思いますので、東葛中の試験内容について深掘りしてみます。

先ず、東葛中の定期試験の概要ですが、2学期制のため中間と期末で年4回の定期試験があります。

今回の前期期末試験は、英数国理社の5教科に技術家庭を加えた6教科で、試験時間は5教科が各50分、技術家庭は25分、各教科100点満点でした。

前期試験が終わると、数日の休みがあり、後期はテストの返却から始まりましたが、順位発表は無く平均点も英語と国語は未発表でした。(社会も平均点が出ませんが設問別の正答率が出たため計算できます)ありませんでした。(後日全教科の平均点付きの成績表が配布されました)

ここからは、英数国理社の5教科の問題内容について深掘りしてみます。併せて、各教科の進度も入学時に示されたシラバス(授業計画)で確認しています。

また、参考に我が子の地元の公立中学の期末試験の範囲や内容も調べてみました。(教科書や授業の進め方の違いがあるため単純比較はできません)

英語

出題範囲は疑問詞(What?, How?など)と三人称代名詞(him, hisなど)まで(一部三単現含む)で、ほぼシラバスどおりの進度です。

参考に、地元の公立中学は一般動詞の疑問文(Are?, Do?)や否定文(isn't, don'tなど)までに加えて、簡単な文章の疑問詞も含まれていました。

問題構成は、前半がリスニングで後半がライティング、配点はリスニングが6割程でした。平均点は未発表ですが、50点程という噂があるそうです。(あくまで噂です)平均点は50点代です。

リスニングは、TOEICのpart3やpart4のように、放送を聞いて選択肢から回答を選ぶ問題があったり、文章で使用されなかった単語を選ぶ問題など様々でした。東葛中の授業は文法よりも話すことが中心の授業ですが、授業以外にリスニングのトレーニングを積まないと、高得点は望めないと思います。

ライティングは、文法問題は授業の進度に沿った出題が中心でしたが、主語の単数形をsingular・複数形をplural、否定形をnegative formと英語で指示して英作文させていたのが印象的でした。(私もsingularとpluralという単語は知りませんでしたので勉強になりました)

文章問題は、会話文の中に先生が登場するなどユーモアのある問題もありましたが、授業の進度を越えた文法も含まれていました。

特に、コラムや記事を引用したと思われる長文読解は、中3レベルの文法(関係代名詞など)や私も知らない単語も含まれており、高校入試で使われても遜色無い内容だと思いました。

英作文の独特な出題方法や長文読解を除けば、文法問題そのものの難易度は高くはないと感じましたが、そもそも文法や英単語は個人学習任せに近い授業スタイルで、通常の公立中学より進度も早いため、英文法や英単語の自主学習方法を確立できていない生徒は苦戦したと思います。

数学

出題範囲は連立不等式までで、これもシラバスどおりの進度です。

参考に、地元の公立中学は一次方程式まででした。

問題構成は、前半が計算問題で後半が主に文章問題、配点も計算問題と文章問題で概ね半々、平均点は50点台でした。

問題は、授業やプリントで扱った内容をしっかり理解していれば解ける問題で、奇抜な問題や難問が無いのは意外でしたが、問題数は多めの印象です。

数学が得意で計算力もあれば、比較的高得点を狙えるかもしれませんが、平均点を考えると、計算ミスをしたり後半の文章問題に苦戦した生徒も少なくなかったのではないか思います。

数学に関しては、平均点以下を対象に追試、追試も悪ければ補習が実施されるようですので、学校のケアもある程度は期待できます。

【国語】

出題範囲は現代文(詩、物語文、論説文)でした。これもシラバスどおりの進度です。

問題構成は、最初に聞き取り問題があり、その後は漢字なども含む記述問題でした。平均点は未発表ですが、60〜70点は取って欲しいと先生に言われたそうで、平均点は70点前後と推測しています。70点代でした。

聞き取り問題は、東葛中の二次検査や千葉県立高校の入試でも採用されていますし、一般の公立中学でも実施しているため、千葉県は聞き取り問題を重視しているようです。

詩や読解は、全て授業で扱っていない本からの出典でした。生徒に事前予告されていましたが、通常の公立中学では教科書以外から出題されることは少ないと思いますので、特徴的だと思います。

また、授業でも実施したディベート問題が出題されました。テーマに対する反対意見と想定される反論を書く問題です。これも東葛中ならではの問題だと思いました。

理科

出題範囲は物質で、休校中に自習した生命は試験の範囲外でしたが、これもシラバスどおりの進度です。

参考に、地元の公立中学は生命と物質が範囲のためほぼ同じ進度と思います。

平均点は70点台でした。

出題内容は、授業に沿った問題だと思います。但し、理由や課題を答える記述問題もあり、授業で取り上げたテーマや先生が話した内容をしっかり理解していないと答えられないと感じました。

例えば、授業で液体窒素(瞬間的に花やバナナなどを凍らせることで知られた物質)を使ったらしく、一瞬であれば手にかけても大丈夫なのだそうで、それを授業で実演したそうです。テストでもその理由を問う問題が出題されました。

社会

今回の出題範囲は世界の地理でした。こちらもシラバスどおりの進度です。

参考に、地元の公立中学も世界の地理でほぼ同じ進度と思います。

平均点は70点台でした。

出題内容は、事前に記述の小テストを実施したこともあり、回答は全て選択肢でしたが、実際の高校入試やセンター試験の問題から出題されたようです。

私も、試しに千葉県立高校入試の地理問題を解いてみましたが、率直な感想としてはかなり浅い内容でした。今回のテストの範囲だけで比較すると、千葉県立高校入試よりも難しい問題だったように思います。

まとめ

東葛中の定期試験の内容は、一般の公立中学と比較すると、進度や授業内容の違いもありますが、独自性があり実際の入試問題のような出題形式で、難易度も高いと感じました。

出題範囲は、コロナ禍に関係無く当初予定のシラバス同様もしくはそれ以上の範囲でした。

定期試験で感じたことは、学校の授業だけでなく、個人が自習できる力も試されているということです。このことをふまえると、入学検査では、スポーツの体力のように入学後に必要な学習の体力が試されているのだと思いますし、受験勉強もそのための鍛錬だったように思います。

最後に

定期試験結果のデータに関する私なりの見解を述べたいと思います。

定期試験の目的は、これまでの取り組みを振り返り、今後の勉強に活かすことだと思います。そのために順位や平均点などのデータは重要指標だと思っていましたので、それが出ないことは驚きでした。

東葛飾高校でも定期試験の順位が出ないそうで、過去の経緯や伝統を尊重しているのかもしれませんが、一般の公立中学や私立校でも度数分布表のみであったり順位が出ない学校もあるようで、今時はそのような風潮なのかもしれません。

しかし、そもそもの試験の目的を考えれば、同じ授業を受けたメンバーと試験結果を相対的に比較して現状把握すること、自身の結果に関心を持ち自己分析することは、これからの授業への取り組み方や学習方法を考えるために大切なことだと思います。

経営やマーケティングにおいては、自身のポジションや強み弱みなどを総合的に分析して事業戦略を策定したり商品開発するのは良く知られた手法です。

また、日本のビジネス界では、DX(デジタル変革、デジタル・トランスフォーメーション)の必要性が数年前から叫ばれています。

テレビでお馴染みの落合陽一氏は、「DXとはデータとデジタル技術の活用」だと某セミナーでおっしゃっていました。

GAFAGoogle, Apple, Facebook, Amazon)を代表とする先進企業も、勘や経験ではなくデータから意思決定することが当たり前ですので、データの収集と分析はDXの第一歩です。

菅新内閣は、デジタル省を新設しましたが、これはコロナ禍で露呈した日本のデジタル化の遅れを受けての施策だと思います。実際に日本の世界デジタル競争力は、63カ国中27位(IMD世界競争力センター2020年10月発表、1位アメリカ、2位シンガポール、3位デンマーク)で、8位韓国、16位中国にも水を開けられています。

デジタル化にはスピードが重要です。ようやく国がデジタル化に舵を切りましたので、テストなどの身近なことの分析から始めて、子供達にも早い段階でデータを活用する知識と技術を身に付けさせることが必要だと思います。

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東葛三大祭の新情報

東葛三大祭について、一部開催の動きが出てきました。

スポーツ祭は10月に部分開催が決定し、公式発表はまだありませんが、オンライン文化祭も企画されているようです。

※残念ながらオンライン文化祭は実現しなかったようです。

三大祭と呼ばれる、スポーツ祭、合唱祭、文化祭は、東葛生にとって大切なイベントだと思いますので、コロナ収束の保証がない来年に向けても吉報だと思います。

三大祭の中止については、「東葛中学校説明会中止について思うこと」でも触れましたが、コロナ禍で何もかも中止にするのではなく、これまでの方法にこだわらず、テクノロジーの力を借りたり工夫することで、一歩でも先に進むことは生徒にとって非常に良い経験になると思います。

オンライン文化祭については、灘中学と高校が開催することにも以前触れましたが、「高校生新聞」というサイトでも、私立に限らず多くの学校がオンライン開催する(した)ことを特集しています。

残念ながら今回は高校生のイベントのため、東葛中の生徒には関係が薄いのですが、このような前例を作って貰うことは心強いことだと思いますし、東葛高校の「自主自律」を体現する姿を中学生が見られる良い機会になることを期待しています。

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二次検査面接の内容

東葛中の二次検査当日は、午前中に筆記を終えた後、午後に面接があります。(二次検査対策については「多忙だった二次検査対策」をご参照ください)

面接の準備は一次検査の結果を待ってからで充分ですが、今回は面接について深掘りしてみます。

先ずは、東葛中の面接の基本情報です。面接は男女別で5人毎の集団面接が約15分実施され、東葛中の場合は面接にプレゼンテーション的な内容が含まれます。

千葉県教育委員会作成の保護者向け資料によると、東葛中の面接官がみる内容は、「伝えたい事柄を相手に対して示し、的確に相手に理解・納得させる力」と説明されています。

面接の点数について、一説には配点が20点程あると言われていますが、実際の運用は非公開です。但し、仮に20点満点とすると、最大10点位の差が付くことはあり得ると思います。

面接の順番と組み合わせは、二次検査当日の朝に発表されます。高校の体育館の壁にも貼り出されますので、付き添いの親も確認が可能です。但し、当日の欠席者がいると、その後の人数調整で順番が繰り上がることもあります。

面接の組み合わせは、基本的に受検番号順になりますので、一次検査の出願は、友人等と一緒に出願するのはお勧めしません。但し、双子で出願して番号が連続する場合は、面接が一緒にならないような配慮があるようです。また、早く面接を終えたい場合は、早めに出願すると面接も早い順番になる可能性が高いと思います。

ここからは、面接がどのような内容だったのか詳しく説明します。

我が子が最初に聞かれたのは志望動機でした。志望動機は必ず聞かれると思いますので、志望理由書に書いた内容を簡潔に30秒〜1分程で答えられるように練習しておくことが必要です。(志望理由書の内容について質問されることはなかったそうです)

志望動機の次は、「プレゼンテーション的な内容」に移ります。プレゼン方法は、その場で試験官が見本を見せてくれるので、その要領に従って各自がプレゼンします。例えば、テーマが「好きな四文字熟語」だとすると、紙に「十人十色」などの四文字熟語を書いて、その理由を説明します。

我が子の場合は、「後世に残したいもの」というテーマが与えられ、面接官からは「思いやりの心」を見本にデモンストレーションがありました。受検生には3分程時間が与えられるので、紙にその回答を書いて考えをまとめておきます。そして、その内容を2分程プレゼンしました。(時間配分等の詳細は我が子の記憶違いがあるかもしれません)

面接については、塾でも何度かレクチャーしていただき、家でも最初の志望動機だけ少し練習しました。

合格確率で考えると、一緒に面接するメンバーから合格するのは1〜2名ですので、はっきりした受け答えをできた方が、印象は良いと思います。

参考に、プレゼンテーマは、前述した「後世に残したいもの」に加えて、過去には「外国人に伝えたい日本の魅力」「行ってみたい国」「好きな言葉」「好きな四文字熟語」が出たようですが、通塾している場合は塾に確認してみてください。

最後に、面接は沢山練習する必要は無いと思いますが、特にプレゼンは東葛中入学後にも必要なスキルです。殆どの受検生は初めての体験になると思いますので、どのような内容か事前に把握して練習しておくことで、少しは緊張も和らぐと思います。面接のプレゼンでは、論理的且つ簡潔に話せることが理想だと思いますが、子供らしく自分の言葉ではっきりと伝えることで、「伝えたい事柄を相手に対して示し、的確に相手に理解・納得させる力」を少しでも示すことができれば充分だと思います。

 

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私立校の気になる動向

今回は少しテーマを変えて、2021年度入学に関して、「私立併願校の選び方」で取り上げた私立校の最近の気になる動向を取り上げてみます。

具体的には、開智と茗溪学園のクラス分け変更、江戸川学園取手の適正型入試導入、広尾学園広尾学園小石川新設の情報がありました。

※詳しくは各校のパンフレットや説明会などでご確認ください。

開智

これまでは先端クラスと一貫クラスで分かれていましたが、2021年度より先端クラスに統一されます。その代わり4コース制に変わり、東大や早慶などの最難関大学を目指す先端ITコース、医学系を目指す先端MDコース、まだ進路を特定しない先端FDコース、海外の大学やIT分野を目指す先端GBコースを合格後に選択できるようです。また、申請中で認可待ちのようですが、1クラス増やして定員が40名増員される可能性もあるようです。

入試についても、算数特待という算数のみの特待試験が追加されました。推測ですが、算数が得意な子供の方が進学実績が良い、というデータの裏付けがあるのかもしれません。我が子と違って算数が得意な子供は、チャレンジしてみても良いと思います。

我が子の場合は、仮に開智に進学するのであれば先端クラスを希望していましたし、先端希望者にとっては朗報だと思いますが、4コースのどれを選択するかは迷うところだと思います。

開智は、進学実績を上げるための改革に躊躇しない学校の印象がありましたので、今回の変更に伴う志望者の増減、偏差値や進学実績の推移は気になるところです。

茗溪学園

アカデミッククラス(ACクラス)が新設されました。従来のクラスよりもアクティブラーニング系の授業を強化したコースのようですので、我が子がもし受験するならACクラスを希望する気がします。

茗溪学園は、大学進学に関してのんびりした部分がある印象でしたので、進学実績を上げる意味で、校内へ良い刺激になるような気がします。

今回のクラス変更は、大学入試改革への対策もあると思いますが、茨城県は2020年度から2022年度にかけて公立中高一貫校が県内トップ校の土浦一高を含めて10校も新設されるため、生徒獲得の対抗策でもあると思いますし、茨城県全体の中学受験も過熱しているのだと推察しています。

江戸川学園取手

茨城県の公立中高一貫校新設を意識しての施策だと思いますが、新しく適正型入試が実施されます。更に、東葛中の二次検査同様に面接があり、志望理由書の提出もあるそうです。

江戸川取手は、茨城県の並木中や千葉県の東葛中とエリア競合しています。入試日程は、茨城県中高一貫校の一週間後、千葉県立中高一貫校の一週間前ですので、両県の受験生を狙った施策だと思います。

以前取り上げた土浦日大も適正型入試が導入されていますが、茨城県では他の私立でも導入されているようで、エリア的に増加傾向なのだと思います。

但し、志望理由書と面接については、少し悩ましいと思います。大きなお世話かもしれませんが、適正型入試で受験することは、第一希望ではないことを意味しますので、もし我が子が受験するとしたら、志望理由書がとても書きづらいし、面接の志望理由も答えにくいと個人的には思います。この点について、塾でどのような指導をするのかは気になるところです。

広尾学園小石川

個人的には、広尾学園の小石川校新設が一番のサプライズでした。開智日本橋の開校よりもインパクトがありましたし、課題はあると思いますが、渋谷渋谷のような成功例が頭によぎります。

母体の村田女子高校の共学化と中高一貫校化を実施してのスタートになりますが、2018年から広尾学園と教育連携していたそうで、3年以上かけて準備してきたようです。

山手線内の共学校で、進学校と言える学校はまだ少ない状況ですので、2020年7月時点の四谷大塚偏差値では50前後ですが、JR巣鴨駅から徒歩圏内ですし、千葉県の常磐線エリアや埼玉県からも比較的通学しやすい立地です。本体の広尾学園のように上手に人気を上げることに成功すれば、今後偏差値が上がる可能性を秘めていると思います。

最後に、今の渋谷幕張や渋谷渋谷も、私が学生だった頃からは想像できない程飛躍しましたし、渋谷幕張の飛躍が無ければ、東葛中の新設もなかったと思います。公立に子供を通わせる親としては、私立の頑張りや工夫が公立の成長にも良い影響を及ぼすことを期待したいと思います。

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志望理由書の書き方

一次検査を通過すると、「内申点の考察」で前述した内申書(報告書)と共に志望理由書の提出が必要になります。

今回は、志望理由書の書き方について、私なりの考えを述べたいと思います。

先ず、志望理由書の内容を簡単に説明すると、所定の書式に「志望する理由」「入学後取り組みたいこと(将来の夢や希望をふまえて)」「私が小学校で取り組んできたことは次のとおりです(校内や校外の活動、趣味や特技、受賞など)」「その他(自己アピール等)」の4項目を記入するようになっています。また、これらをA4用紙1枚の決められたスペースに納めなければなりませんので、たくさんの内容を詰め込むことはできません。

志望理由書がどのように扱われているのかは不明ですが、おそらく点数換算されることは無いと思います。塾も利用目的は不明だと説明していました。

但し、手抜きは禁物です。「多忙だった二次検査対策」で述べたように、一次検査通過後は最も忙しい時期になるため、完成に時間をかけてもいけませんが、就職活動で提出する履歴書のようなものと考えれば、履歴書同様にしっかり書くことが必要だと思います。

実際の二次検査の面接でも、志望理由はほぼ間違いなく聞かれますが、我が子の面接でも、志望理由書の内容について質問されることはなかったそうです。

しかしながら、志望理由書を書くことは、面接前に受検生本人の考えを整理しておく意味で、とても良い機会になると思います。正式な提出書類でもありますし、書く内容を精査してポイントを絞り、一貫性を持たせながら丁寧に書くことが必要です。

これ以降は、書く内容について、私なりの考えを参考に記します。

生徒を選ぶ学校の立場で考えれば、シンプルに学校が知りたいことは以下の2点だけだと思います。

それは、①なぜ東葛中に入学したいのか?②どのような人物なのか?です。

以下でこの2点について、詳しく述べたいと思います。

①なぜ東葛中に入学したいのか?

これは日々の受験勉強を進める上でも非常に重要な問いです。地元の公立中学でも私立でもなく、なぜ東葛中なのか?をしっかり深掘りし、この問いに対して明確且つ簡潔に答えられるようになることが必要で、この点は親子でも良く話し合った方が良いと思います。

なぜ?という疑問を繰り返して理由(もしくは動機)と目的(もしくは抱負)を明確にすることで、①の問いをクリアにすれば、志望理由書の「志望する理由」は書けると思いますし、「入学後取り組みたいこと」も書けると思います。

つまり、東葛中に入学することは、将来の夢や希望を達成するための手段であることを、志望理由とうまく関連付けて示すのが大切だと思います。

②どのような人物なのか?

これは自己PRであるのと同時に、全体に一貫性を持たせる意味でも、①の背景を説明したり裏付けできる内容であることが理想です。

これらの背景や裏付けを整理できれば、「小学校で取り組んできたこと」「その他(自己アピール等)」を書けると思います。

正直なところ、我が子の場合は、こちらの方が何を書くか悩ましかったと記憶しています。何故なら、小学校の後半で最も力を注いだのは間違いなく受験勉強であり、流石に「受験勉強を頑張りました」と書く訳にはいかないからです。

しかし、①なぜ東葛中に入学したいのか?を深掘りすれば、学校生活や学校外の取り組みの中から、頑張ったことや成果を感じたこと、もしくはそれらのきっかけを探せるのではないかと思います。

注意点としては、仮に取り組んだことが複数あったとしても、全てを羅列する必要はなく、ポイントを絞った方が読む側にも伝わりやすいですし、自分も話しやすいと思います。

入試問題は学校からのラブレターであることを以前「理系問題の気になる傾向」で書きましたが、志望理由書は学校に対するラブレターと考えてもわかりやすいと思います。

しかも、自分のことを全く知らない相手に送るラブレターですので、なぜ好きなのか?自分はどのような人物なのか?という情報は必須ですし、丁寧にわかりやすく書く必要があります。

恋愛が必ず成就するとは限らないのと同様に、受験も必ず成就するとは限りません。しかし、受験は自分の努力次第でその確率を高めることが可能ですし、本気で努力する体験は、その後の人生の財産になると思います。

最後に、志望理由書は塾からの指導や添削がある場合が多いと思いますし、親が文章を確認して推敲することも必要だと思いますが、可能な限り子供の本心を自分の言葉で記すことも大切だと思います。

そして、子供なりに志望理由を整理しておけば、自信を持って面接に臨むことができると思います。

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内申点の考察

一次検査を通過すると、志望理由書と内申書(報告書)の提出が必要になります。

内申書の点数は、合格者層であまり差がつかないと塾で言われましたが、合格ボーダーライン前後に得点が集中することもありますし、受検生の親としては僅かな点数でも気になるところだと思いますので、今回は内申書がどのような内容なのかを深掘りしてみます。

内申点は、千葉県立高校入試の考え方が参考になると思いますし、実際に高校入試の考え方がベースになっていると思いますので、先ずは高校入試における内申点の基礎知識を簡単に説明します。

千葉県立高校入試の場合、中学3年間の学校の通知表の結果が内申点として点数換算され、内申点と入試の点数を合算して合否判定されます。英語・数学・国語・理科・社会・保健体育・音楽・美術・技術家庭の9教科の5段階評価の結果をそのまま計算して、仮に3年間オール5であれば、評定5×9教科×3年間=135点満点になり、入試5教科の500点満点と合算した、635点満点になります。

実際は、普段の学習態度や勉強以外の取り組みが加点されたり、高校によって内申点の比重(東葛飾高校なら0.5の係数が掛かる)を変えたりして、様々な要素が加わりますが、今回は通知表の内申点(評定点)だけでシンプルに考えてみます。

ここからが本題です。先ず、千葉県立中学の内申書は、小学校5年生と6年生の2年間の通知表(6年生は12月中旬頃まで)で評価されます。内申書の書式は千葉県のHPで公開されていますが、今年から少し変更がありました。

新学習指導要領の3つの柱である「個別の知識・技術」「思考力・判断力・表現力等」「学びに向かう力・人間性等」に準じて、各教科の評定(点数)の内訳は、「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3観点に変わります。(旧要領では4〜5観点でしたので、今年から通知表も変わる筈です)

更に、外国語(英語)も評定の対象になったため、今年度の受検生に限り、5年生と6年生の評定方法に違いが生じます。

評定方法は、国語・算数・理科・社会・体育・音楽・図画工作・家庭の8教科(新要領の6年生は外国語を加えて9教科)が3段階で評価され、仮にオール3であれば5年生の評定3×8教科+6年生の評定3×9教科=51点満点になります。(我が家の時は外国語が無いため評定3×8教科×2年間=48点満点でした)

それでは、各教科の内訳(観点)がどのような評価になれば教科別の評定点が1〜3で決まるのかを考えてみます。

※以下は私の推測です。

得点開示請求でわかった実際の我が子の評定点を例にすると、4観点の教科の場合は、オールAでAが4個もしくはAが3個でBが1個なら3点、Aが2個でBが2個もしくはAが1個でBが3個なら2点でした。オールBは無かったのですが、おそらくオールBは2点になると思われます。1点は無かったため算出方法が不明ですが、BにCが混ざると1点になると考えるのが自然だと思います。

新学習指導要領の3観点での計算方法は推測ですが、オールAもしくはAが2個とBが1個なら3点、Aが1個でBが2個もしくはオールBなら2点、BとCの混合なら1点、となると思われます。

評定点以外の項目(学校の活動や行動など)の加点方法や、内申書の点数に係数が掛かるのかなど不明点はありますが、一次と二次の検査の得点(400点満点)に内申書の評定点(今年度は51点満点で来年度以降は54点満点)がそのまま加算され、最後の面接点(20点満点の説有り)が加わると考えるのがわかりやすいと思います。

これらをふまえると、東葛中受検は検査400点+内申51点(来年度以降は54点)+面接20点=471満点(来年度以降は474点満点)で合否判定されると考えて良いかもしれません。

最後に、通知表の評価は、学校のテストの成績だけでなく授業への姿勢や課題の提出なども含まれますので、影響度は少ないものの、受験を優先して小学校の授業や課題などを疎かにするのは得策でないと思います。但し、内申点を期待して生徒会活動などに取り組む効果は、かなり限定的だと思います。

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公立と私立の出願方法について

出願方法について、東葛中(千葉県立中学)と私立校の違いと感じたことを記したいと思います。

端的に述べると、公立校の受験方法は数十年前から変化の少ないアナログな仕組みですが、殆どの私立校はWEB化が進んでいます。

出願方法だけでなく、公立と私立では出願のタイミングや手続き方法に違いがありますし、私立も学校により違いがありますので、親は早めに情報収集して、事前にスケジュールを作っておくことが必要になります。

先ず、東葛中及び千葉中の場合は一次検査と二次検査の両方で2回の願書提出が必要で、提出方法は原則持参でした。入学願書(写真と県収入印紙が必要)に加えて、受検表と検査結果の返信用封筒2通も必要で、受付期間は11月18日(月)〜20日(水)の3日間だけでした。

二次検査に関しては、小学校からの報告書(いわゆる内申書)と志望理由書(別の機会に説明予定)の提出に加えて、一次と同様の返信用封筒2通も必要で、受付期間は1月10日(金)〜14日(火)の土日を除く3日間でした。報告書は小学校に作成して頂きますので、早めの協力依頼も必要です。(一部の私立も内申書提出が必要です)

しかしながら、手間はかかるものの受験料(入学検査料)は破格の2,200円でした。

一方で、私立校の場合、我が子が受験した学校は1校だけを除いて全てWEB出願でした。受付期間も学校によっては当日受付可の学校があった程です。

WEB出願は、学校説明会などの申し込みにも使われているmiraicompass(ミライコンパス)経由が大半で、写真もデータを流用でき、ネット決済も可能ですので簡単に出願が可能です。

余談ですが、miraicompassを利用している学校の比率はかなり高く、寡占状態です。私立校を併願する場合は利用する可能性が高いと思います。

私立校の受験料は20,000円〜30,000円で、受験日が複数回ある学校では複数回分を一括申し込みすると割引される場合もあります。

もちろん、私立校は受験料が公立校の10倍程しますし、受験料収入そのものが経営的に重要な収入源となっている学校もあると思いますので、それなりの受験料がかかる私立と格安の公立の単純比較はできませんが、家庭や学校の手間だけを考えればWEB出願の方が圧倒的に便利です。

コロナ禍で日本全体の仕組みとしてIT化の遅れが露呈していますが、入試の出願方法の違いからも、公共のIT化の課題を感じることができます。

但し、公的機関がシステム化しようとすると、謎の受け皿団体を作ったり無理に独自のシステムを構築しようとして失敗する事例が多々ありますので、上手に民間の仕組みを流用して、余計な費用をかけずに、将来的に学校と受検生双方の負担が減ることを期待したいと思います。

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東葛中の授業進度から見えること

東葛中の授業は、現時点(2020年8月)でどの位のペースで進んでいるのか調べてみました。

結論から言うと、私立の中高一貫校と同等のスピードで授業が進行していることが分かりました。そしてそこから、東葛中の教育の一端が見えてきたと感じています。

8月時点では、入学して4ヶ月余りで、しかもコロナ禍の特殊な状況ですが、事前に計画されているシラバス(授業計画)を確認する限り、授業はほぼ予定どおり進行しているようです。

当然ながら、実際に学校外で体験したり調査するような授業はできていませんし、定例のイベントが中止されたりして、不十分な部分は存在しています。

そこで、数学を例に夏休みまでの授業がどの位の進度だったのかを深掘りしてみます。

先ずは基本知識として、数学の教科書は数研出版の「体系数学」を使用しています。この教科書は中高一貫校向けの内容で、主に「先取り」する私立校で使用される教科書です。実は啓林館の「未来にひろがる数学」という教科書も配布されているのですが、こちらは今のところ全く使われていません。何故教科書が二つあるのかは不明ですが、千葉県教育委員会が発表している情報でも東葛中は啓林館で千葉中は数研出版ですので、数研出版の「体系数学」を使っていけない理由は無いようです。

数学の単元は、夏休み前で連立方程式まで進んでいます。参考に通信教育のZ会中高一貫校向けカリキュラムと比較すると、中1のカリキュラムは8月が連立方程式ですので、一般的な私立中学と同等の進度と思われます。

試しに、市立の公立中学に通う我が子の同級生に数学がどこまで進んでいるのか聞いたところ、文字式まで進んでいると言っていました。文字式は方程式を学ぶ前の数学の基本知識ですが、東葛中なら通常は5月で学ぶ予定の内容ですので、授業進度に差があることを確認できました。

教科書が違うため単純比較はできませんが、東葛中は一般の公立中学よりも1.5〜2倍位のスピードで授業が進んでいると推測しています。

数学に関しては、中学受験で3年間みっちり勉強してきた子供にとって、この位の授業スピードは慣れていると思いますが、中には苦戦する生徒もいるようです。

授業スピードが直接要因なのか分かりませんが、東葛中入学後も補習目的で通塾をしている生徒は少なからずいると聞いています。

ちなみに我が子の場合、本人曰く授業スピードには付いて行けているそうですが、確認テストなどの成績が伴っていないため、親としてはもっと焦って欲しいのが本音です。

一般的に、東葛中のような公立中高一貫校に通った方が、私立よりもコスパが良いと考えがちですが、中学や高校で通う塾費用を考えると、面倒見が良いと言われる私立とのコスト差はかなり縮まる場合があることを念頭に、教育資金計画を組んだ方が良いかもしれません。

参考情報として、英語の教科書は三省堂の「NEW CROWN」となっていますが、Z会の「NEW TREASURE」も併用していて、これもまた私立の中高一貫校でよく採用されている教科書になります。但し、授業で教科書はたまにしか使わず、文法よりも英会話中心の授業になっているようです。

油断して文法や英単語の自習を疎かにすると、テストで痛い目に合いそうです。おそらく、我が子は相当痛い目に合うと予測しています。

また、数学と英語はクラスを出席番号の奇数と偶数で2クラスに分けて授業をしていることから、特に数学と英語は生徒にできるだけ細かい対応ができるように教育体制を敷いていると感じています。

但し、教科書については、それぞれの授業で教科書を使わないこともしばしばで、教科書に捉われずに各先生が工夫して授業を進めているようです。

最後に、このような教育スタイルとカリキュラムで中学3年間を過ごした生徒が、一般の公立中学のカリキュラムで学んだ過半数の生徒と高校でごちゃ混ぜになることについては、私としても不安要素であることは否定できませんし、その点から東葛中を選択しない方がいることは承知しています。

もちろん、東葛中で3年間学んだことが無駄になることはあり得ないですし、生徒の学力のバラツキが少ない環境で、内申点などを気にすることなく充実した中学生活を過ごせるメリットは非常に大きいと認識しています。

私は、高校から入学する多様な生徒と学び合い、良い化学変化が起こることを期待していますし、他の父兄も併設型中高一貫校である東葛中学・高校のメリットとデメリットを承知で東葛中を選択している場合が大半だと思います。

東葛中での教育の成果は、今高校生であるパイオニアの一期生や二期生が数年後に示してくれると思いますが、その結果によっては東葛高校も柔軟な対応を検討したり教育方法を試行錯誤することで、東葛中学・高校それぞれの生徒にとって最適な教育環境に進化していくことが望ましい姿だと考えていますし、そのための東葛飾中学開校だったのだと思っています。

【追記】

コロナ対応で分散登校となり、1クラス20名以下で授業していた時期は、生徒の集中力も高まり、先生の負荷も軽減されて、質の高い授業ができたという先生からの意見をネットの投稿でいくつか目にしました。

予算や人材などの課題がありますが、東葛中の数学や英語のような少人数制の授業は、先生と生徒の双方にとって理想的なのかもしれません。

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2020年東葛中の夏休み

東葛中の2020年の夏休みが始まりました。今回は受験から離れて、東葛中の夏休みについて触れたいと思います。

東葛中は8月1日(土)から夏休みに入り、8月31日(月)に授業を再開しますが、8月第1週と第4週の合計10日間は午前中(4限)だけ夏季補習があるため、実質的に2週間だけの夏休みです。

補習内容は英数国理社の5教科で、普通に授業が実施されているようです。

部活も開始されており、入部していれば午後に部活動も行われています。

それでも、昨年の夏休みは1日も休まず受験勉強をしていましたので、我が子にとっては2年振りの貴重な夏休みです。

例年であれば、友人と遊びに行ったり、家族旅行に出掛けたり、夏休みの選択肢もいろいろあったと思いますが、現在のようなコロナ禍の影響下では、活動に制約があり残念なところです。

塾のオンライン夏季講習を受講することも考えましたが、塾で入塾テストを受ける必要があり、あまり外出はしたくないという理由で断念しました。

学校が本人の自主性に任せるスタイルであることから、夏休みの宿題もあまり多くない印象ですが、本来は自ら学びたいことをどんどん深掘りする時間に充てることが理想なのだと思います。

肝心の我が子は、言われたことを素直にそのまま受け取ってしまうタイプのため、例えば学校で先生が「この問題はできなくても良い」とか「強制ではない」と言われた数学の応用問題は放置状態ですし、かなり余力を残した日々を過ごしている印象です。

中間テストも実施できなかったため、我が子の学力的な立ち位置を確認したいところですが、中間テスト代わりの数学の確認テストは苦戦したようで、少し発破をかけたりもしました。

先日、登校開始後間もなく実施されたベネッセの「学力推移調査」なる模試の結果が、マークシートにもかかわらず2ヶ月近くかけて返却されました。34,000名余りが受けた模試で、我が子の結果はまずまずだったと思いますが、肝心の校内順位が出ていないため、個人的には消化不良感が残っています。

正直なところ夏休み明けの期末試験に向けては親として少々心配で、本音はもっと勉強するように口出ししたいところですか、今は我慢して様子を見守っています。

但し、元々興味のあったグループで取り組む課題やプレゼン、ディベートやビブリオなどの授業には比較的前向きに取り組んでいるようで、ようやく東葛中らしい授業を受けられていることは朗報です。

参考情報として、東葛中ではグループ活動などの資料共有のITツールにMicrosoftのTeamsが正式採用されました。パワポで資料を作って投函したりしていますので、子供が家で使えるPCも必要だと思います。(学校としては強制はしないが家にPCがあった方が良いというスタンスです)

話は逸れますが、授業参観ができなかった代わりに授業の動画が保護者向けに公開されており、2クラス合同で取り組む総合学習や、少人数制(クラス番号の偶数と奇数で2分割している)の数学と英語の授業の様子を見ることができます。

総合学習でテーマ別にグループワークする様子、英語の歌を歌うことから始まる英語の授業、数学の解法を数名で確認しながら解く様子など、東葛中らしい授業を都合の良い時間に見ることができるため、今後もこの方式での公開が良いように思いました。

授業については、全ての授業でホワイトボードに時計を貼り付けて、全ての行為を時間を図りながら進行していることが印象的でした。

全国的にいつもとは違う夏休みを子供たちは過ごしていますが、変えるべきことと、変えてはいけないことを大人たちが今のうちに整理して、来年以降の夏休みが更に充実した夏休みになることを期待したいと思います。

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6年生の夏休みで真の受験生に

「夏休みは受験の天王山」「夏を制する者は受験を制す」と言われています。

特に小学6年生の受験生にとって重要な夏休みを有意義にするためのポイントを、我が子の事例を交えて私の考えを述べようと思います。

先ず、受験生が夏休みに沢山勉強することは当然です。では、誰もが勉強する筈のこの時期に向けて、具体的にどのような目的や目標を持って夏休みを迎えるべきでしょうか?

ズバリ、6年生の夏休みの目的は、只の小学6年生から「真の受験生」に生まれ変わることだと思います。そのためには、一心不乱に受験勉強に専念する体験が必要です。

今年の夏休みに関しては、長い地域で20日程、短い地域で15日程しかありませんが、長くても短くてもやるべきことは変わらないと思います。

夏休みの過ごし方は、「6年生の長期休みを合格の力に」で記載しましたが、夏休みは毎日10時間を目安に、20日なら200時間、15日なら150時間という高い目標を設定してひたすら受験勉強することへのチャレンジをご提案します。

我が子の場合は、夏休みが約40日もありましたので、夏休みに400時間以上を目標に勉強しました。前半は少しサボってしまい、妻も無理だと嘆いていましたが、私は諦めませんでした。後半は、残された日数から逆算して、1日に何時間勉強すれば逆転できるかを示して、諦めずに最後までやり切れば達成できることを伝えました。

そうすることで、紆余曲折はあったものの、最終的に400時間を達成することができました。

もし、この時間目標を達成することができれば、子供にとって大きな自信になると思いますし、受験生としての意識が高まり、真の受験生に生まれ変わることが可能だと思います。

実際、我が子にとっても大きな自信につながり、良いきっかけになったと感じています。

本来であれば、勉強した時間ではなく夏休みの後の成績を成果とする方が正しいかもしれませんが、夏休みは誰もが努力する期間ですので、夏休みで成績を上げることを目標にすることは、非常に難易度が高く、リスクも高いと思います。

実際に我が子も、夏休み直後の成績は夏休み前とあまり変わりませんでしたし、逆に下がることも珍しくないと聞いています。

夏休みの目的は、成績を上げることではなく、真の受験生に生まれ変わることですので、努力さえすれば誰もが達成できる"時間"を目標にする方が、経験の浅い子供にとっては理にかなっていると私は思います。

そして最も大切なことは、夏休み直後の成績ではなく、受験生に生まれ変わったマインドを受験本番まで保ち続けることです。そして、その状態を実現できれば、受験本番までじわじわと成績を伸ばすことが可能だと思います。実際に我が子もじわじわと成績を上げることができました。

夏休みに具体的に勉強すべき内容は、応用問題ではなく、苦手だったり今まで時間を割けなかった単元の基本問題にしっかり取り組んで、基本をできるだけ完璧にすることだと思います。

もちろん、基本が完璧であれば応用問題に取り組んで良いと思います。

最後に、今年の夏休みは短期決戦ですので、学校の宿題があまり出ないことを期待しますが、仮に出てしまった場合は、宿題をできるだけ早く終えて、貴重な受験勉強の時間をできるだけ多く確保することが大切だと思います。

そして親としての役割は、子供を真の受験生に生まれ変わらせるために、良いトレーナーになり、応援しサポートし続けることだと思います。

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多忙だった二次検査対策

東葛中の二次検査に向けた対策について、具体的に何をしたのかを振り返ります。

そこで、東葛中の二次検査の合格人数をおさらいします。2020年度入学希望者は、一次検査を通過した348名(18点一律付与の措置で従来の320名に加え28名が合格)のうち32名が二次検査を欠席(辞退者含む)し、316名(男子164名・女子152名)が受検しました。

単純計算で1/4の80名が合格する計算ですが、「東葛中の合格者層」の推察のように、最初の合格者の半数40名が辞退し、繰り上げを含めて120名が合格すると仮定すると、実質は4割弱が合格する計算になります。安全圏を考えると、二次検査受検者の上位3割以内に入れるかどうかを合格の目安と捉えて、そこに入るために何をすべきかを考えるのが良いと思います。

ここからが本題です。我が子が二次検査対策を始めた時期は、一次検査通過が決まった12月19日以降です。

一次突破から二次検査までの日々を言葉で表すと、"多忙"の一言に尽きます。塾からも「クリスマスと正月は2月まで取っておいてください」と言われましたし、実際にクリスマスや正月も返上で、学校も休むことなく、東葛中の結果が出るまで全力で駆け抜けました。そのためには家族の最大限のサポートが不可欠です。

先ずは、一次検査前も受講した塾の特別講座(特講)が12月2回と1月4回の計6回開催されましたので、それに参加しました。直前まで特講の開催が決まらずやきもきしましたが、都合の悪い日は別日に補講を開催するなど柔軟に対応してくれたため、助かりました。

特講の内容は、一次と同様に過去問と類似問題をひたすら解いたようです。特に家庭では難しいリスニング対策があったことが良かった点です。リスニングのメモについては、横書きで書くこと、漢字は出来るだけ使わずカタカナで書くことを私からもアドバイスしました。

また、元々通っている校舎の先生も対策授業を実施してくれて、その際に志望理由書のチェックや面接の練習もして頂きました。尚、志望理由書や面接については、別で詳しく触れたいと思います。

過去問は、二次検査合格の目安が一次との合計で200点以上とすると、二次検査単独で100点以上を目標として良いと思います。但し、2020年度の検査に関しては、「得点開示請求からの過去問対策」で触れたとおり、平均点がかなり下がった可能性があります。一次の出来にもよりますが、70〜80点位を目標に考えて良いかもしれません。

我が子の場合は、スケジュールを決めて過去問5年分を解きましたが、解くだけでなく、確認や解き直しの時間も考えなければいけません。

過去問の採点は私が実施しました。記述の採点基準がわからないため、過去に受けた模試の採点基準を参考に採点しましたが、家庭での自己採点は難しい面もありますし、実際の検査の採点基準はかなり厳しい印象です。

そして、一次検査同様に解いた問題の振り返りと問題の難易度の検証をして、解くべき問題、先に解かなくて良い問題、解けなくて良い問題の選定も実施しました。

例えば、二次検査2-1の理系問題は作図を伴う問題が出ますが、解く時間と配点を考えて、作図に時間がかかりすぎるようなら、後回しにするような作戦を立てても良いと思います。特に作図問題に関しては、部分点があるのかどうかも不明ですし、作図に必要な時間と配点のバランスが悪い印象ですので、部分点の有無も含めて県は採点基準を明確にして頂けると受検生に優しいと思います。

検査2-1の理系問題については、過去問の傾向を個人的に分析し、出題されそうな単元を予測して対策しました。いわゆる山掛けで、具体的には滑車やテコの力学と、放物運動や等速度運動等の運動問題でしたが、これは見事に外しました。

検査2-2の記述は、今回から大きく傾向が変わりました。大人が読んでも回答に迷うような設問もあり、例年よりも大きく平均点を下げたと推察しています。但し、平均点が低いと点差が付かず、二次検査の意味が薄れますので、次回は軟化すると予想します。

今回の2-2は、都立中高一貫校の記述の出題方法と共通点がある印象ですが、明らかに違う部分もありますので、次回の2-2対策は悩ましいと思います。ちなみに、都立中高一貫校の過去問は学校のHPで閲覧可能ですので、興味のある場合はそちらを見てみてください。

最後に、1月の冬休みが終わると、直ぐに埼玉や茨城の入試がスタートします。私立を併願する場合、私立対策も並行して実施が必要ですので、事前に決めたスケジュールどおりに勉強や過去問を進めることが大切になりますし、本当に"多忙"な状態が長ければ2月上旬まで続きます。

我が子も時間が足らず、私立の過去問は多くて3年分、少ない場合は1年分しか手を付けられませんでした。

入試が迫る頃からは、特に健康にも最大限の注意が必要ですし、精神的にも厳しい状況が続きます。親としては、良い結果が出ることをひたすら信じて、子供が可能な限り受験勉強に専念し、本番で良いパフォーマンスを発揮できる環境づくりをしていくことが大切だと思いますが、無理をし過ぎないことにも留意して、この"多忙"な期間を乗り切っていただきたいと思います。

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私立入試説明会の重要性

私立校の合格の鍵を握る行事の一つに、入試説明会があります。今回はこの内容と重要性について触れたいと思います。

入試説明会で最も注目すべきことは、実際の入試問題の内容や採点方針を聞くことができる点です。

どこまで詳しく説明されるかは、学校によりバラツキがありますが、かなり踏み込んだ内容まで説明する学校もあります。

例えば、ある学校では、各設問でどこの単元から問題が出るのか、難易度はどの位なのか、採点基準はどうなっているのか(理科は意味が通っていれば誤字もOK、算数の記述は解答を求めるための方針を書いていれば得点になる等)を教えてくれました。

これは、単なる滑り止めや併願校としてではなく、本当に入学したいと願う家庭の子供に入学して欲しい、という学校からの意思表示でありエールなのだと私は感じました。

採点方針も、どう減点するかではなく、どう加点するかに重きを置いている学校が多かった印象です。例えば、前年の正答率を分析して、正答率が低ければ出題方法や問題数に変更を加えていると説明していた学校もありました。

余談ですが、千葉県立中学の検査では、特に記述の採点基準が厳しく、問題も全問解くことを想定していませんので、どちらかというと減点主義の印象はあります。(私立は解ききれない問題は意味がない、できれば全て解いて欲しいという考え方)

このような説明会が、全ての私立校で開催されるとは限りませんが、通常は入試問題がある程度出来上がった10月から12月に開催されると思います。併願を検討している私立校であれば、是非参加して沢山メモした方が良いと思います。

我が家の場合は、説明会で聞いた内容を学校別や入試日程別にまとめた上で、出題される問題のリストを作成し、重点的に対策しました。この入試前の対策が、併願した私立入試でも良い結果を出すことにつながったと思っています。

最後に、説明会等で販売される過去問も注目です。過去問は業者からも販売されていますが、同じ学校でもコースや日程によっては全ての問題が掲載されていないこともありますので、事前にチェックした方が良いです。

また、学校で売られる過去問は、実際の入試と全く同じ用紙ですので、本番と同じ状態で過去問対策に取り組むことが可能です。

東葛中の一次検査を突破できた場合は、12月と1月に二次対策と私立対策を並行して実施する必要があり、非常に忙しくなります。私立の入試説明会で得た情報を最大限に活用し、限られた時間を効率的に使うことが合格への鍵になると思います。

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東葛中の一次検査と合格発表

東葛中の一次検査と合格発表を振り返ります。

先ず一次検査ですが、検査は12月5日(土)午後の実施で、13:00に集合し15:35終了、検査1-1と1-2がそれぞれ45分でした。

検査当日は、学校周辺での塾等の見送りが禁止ですので、柏駅周辺に校舎のある塾は、それぞれの塾の前で激励や見送りをしています。

ちなみに、千葉中の検査前の様子をSAPIX のHPで見ましたが、千葉中は敷地内で各塾が旗を出して見送りしているようですので、東葛中と千葉中ではかなり雰囲気が違うようです。

柏駅から東葛へ向かう場合、学校の周りを時計回りで進むルールがあり、国道6号側の通用門を通り過ぎ、細い歩道を進んで反対側の正門まで歩く必要があります。

我が子の受検日は生憎の雨で、傘を差しながら受検生の親子がゾロゾロ進みますので、反対側から来る通行人とのすれ違いも気を遣いますし、通常よりも到着に時間がかかりました。

学校の敷地内は校舎の昇降口近くまで見送りできますが、東葛の正門周辺もあまりスペースが無いため、少し落ち着かない雰囲気の中を見送る感じでした。

検査が終わる頃は、正門から少し入ったあたりで子供を待つことができますが、私立のように体育館などで待てる仕組みはありませんので、一度帰るか柏駅周辺で時間を潰す必要があります。

東葛中の場合、検査は高校の教室を使用しますが、検査中は教室内に時計が無いため、試験官の掛け声が開始と終了の合図になります。我が子曰く、終了の際に試験官が発する「やめっ!」の大きな声に毎回とてもびっくりして、心臓が止まりそうになるそうです。

直ぐに結果の出る私立入試と違い、検査終了後は結果が出るまで2週間弱待つ必要があります。

塾によっては採点してくれる場合もあるようですが、我が家の場合は、その日のうちに私と妻で問題を解き、配点も過去問から推測して自己採点しました。

一次検査後間もなく、誤記による一律18点付与問題が発覚しました。可能な限りの公正な判断を願っていましたし、あってはならないことだとは思いますが、私たちが騒いでも仕方のないことです。合格発表までの期間は、二次検査対策をしても無駄になる可能性があるため、自己採点で一次検査突破の目安である100点以上取れているであろうことを心の拠り所に、約2週間は私立の対策に充てる期間として、やれることをしっかりやって過ごしました。

合格発表(正確には二次検査受検候補者の発表)は、12月19日(木)の9:00に学校の掲示とホームページでの公開が同時に行われましたが、我が子の希望により、直接学校へ合格発表を見に行きました。

合格者の番号は、中学校舎の昇降口手前の倉庫のような建物の前に掲示されますが、実際に見に来ている人はあまり多くありません。

発表予定の9時頃に、合格者番号が記載された掲示板が運ばれて来る様子を皆で固唾を飲みながら見守り、発表と同時に我が子の番号を探しました。

番号を探す間は緊張の瞬間でしたが、無事に我が子の番号を確認できた後は、素直に喜べたと伴に、安堵したことを覚えています。

東葛中の検査は、一次検査がスタートして二次検査の結果が出るまで2ヶ月弱かかります。正に長期戦で、この期間は親子共に心身が疲弊します。可能であれば千葉県立中学の検査も他の都道府県のように一発勝負に変更して頂きたいというのが正直な感想です。

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東葛中学校説明会中止について思うこと

2021年度入学希望者向けの東葛中の学校説明会が中止になりました。

また、東葛三大祭と呼ばれているスポーツ祭、合唱祭、文化祭のうち文化祭は中止が決定されていますし、スポーツ祭と合唱祭も時期的に中止と思われます。特に高三の東葛生にとっては本当に残念な結果になってしまったと思います。

これらの件について、私なりの考えを述べたいと思います。

先ず、学校説明会については、本当に中止以外の選択肢が無かったのかは検証が必要だと思います。これは学校の問題ではなく千葉県教育委員会の問題かもしれませんが、文化祭も中止ですので、今年度は東葛中の生の情報を入手する手段が完全に閉ざされました。

一方で、大半の私立中学はオンラインの説明会に移行しています。

ビジネスの世界では、セミナーや商品展示会などのイベントが完全にオンラインへ移行し、私にも毎日のようにオンラインイベントの案内が届きます。これらのオンラインイベントは移動時間などの制約が無くなったことから、これまで以上に参加希望者も増えて、非常に好評だと聞いています。

これらイベントのオンライン化は、主催者側にも沢山のメリットがあります。例えば、会場費は無料もしくは少額で済みますし、会場設営の手間や当日の運営要員もかなり削減され、参加者の人数制限もほぼ不要です。担当者の負担は時間も費用も劇的に減る筈です。

私も、仕事柄比較的多めの人数が参加する会議を開催する機会がよくありますが、3月からオンライン会議に移行し、会議運営が非常に楽になりましたので、もう集合方式の会議は開催しないと思います。

授業のオンライン化については、東葛中はオンライン授業が実現しませんでしたので、オンライン化を試行する最大のチャンスを逸してしまったと感じています。

今回の説明会中止やオンライン授業への対応については、個人的にも残念だと思いますし、東葛中を検討していて私立と迷っている方にはマイナスの判断要素になってしまったのではないかと危惧しています。

そもそも、東葛中や千葉中が中高一貫校になった理由の一つは、私立校の台頭を意識しての施策だと私は解釈していますので、今後の挽回を期待したいところです。

各種イベントも早々に中止や延期となっていますが、今の状況がこの先良くなる保証はどこにもありません。新しい教育スタイルへの転換期を迎えたことを認識し、安心安全の確保を前提条件に、今やれる方法を考えてトライし、前に進むことが教育現場にも必要だと思います。

実現するには、テクノロジーの力を借りたり工夫が必要ですが、子供たちにとってもそれを考えたり体験する良い機会になる筈です。

文科省も重い腰を上げて、小中学生への一人一台PC配備を当初の2023年度から前倒しして、今年度中に実現することになったことは朗報です。但し、道具だけ与えて使い方を教えないような事態や、宝の持ち腐れにならないことを切に願いますし、マスクの配布ですらあのような状況でしたので、迅速な対応と伴に、是非道具を使い倒すことを子供達に教えて頂きたいと思います。

我が子も重いリュックを背負って毎日通学していますが、大量の紙の教科書がこれからも本当に必要なのか、本気で考える必要があると思います。

東葛三大祭の中止についても、実際の生徒達の意見を聞いた訳ではありませんし、一番尊重すべきは当事者の生徒達がどうしたいかだと思いますが、私の勝手な意見としては、先生や生徒の知恵と知識を集結して、今やれる方法を小規模でも試行して良いのではないかと思います。

新しいことを始めることは大変ですが、今ある伝統は昔の先輩方が挑戦し、それを継続した結果です。

最近でも、東葛高校の生徒がJR我孫子駅発車メロディーを地元ゆかりの曲に変更する署名活動を実施し、7月からの変更を実現した事例がありました。これは東葛中学や高校にとっても明るいニュースだと思います。

自分達で新しい伝統を創ったり更新するチャンスを今の生徒達にも与えることが教育の一環だと思いますし、そもそも東葛高校に制服が無い理由や経緯を考え、先生や先輩達が校是の自主自律を体現する姿を、後輩の中学一年生が見られることを願っております。

東葛中は制服もありますし自主自律が校是ではありません)

【追加投稿】

中高一貫校ではありませんが、都立日比谷高校ではオンライン授業を開始し今でも継続しているそうです。

style.nikkei.com

また、灘中学と高校はオンライン文化祭を開催するそうです。

https://twitter.com/nada_festival

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